注意事項は第一話の冒頭部分をご確認下さい
今回こそ水赤(の筈)
今更ですが、この小説ほぼ雰囲気で成り立ってるので細かいことは気にせず頭空っぽにして読んでいただけると嬉しいです
ここまで大丈夫な方のみどうぞ
『グラーブ』
ダイスを潰す為だけに結成された組織
構成員は皆ダイスに何らかの恨みがある
どれ程の規模なのか、誰がボスなのかは不明
しかし相当大規模であるといわれている
本格的に動き出したのは最近であり
今回ダイスが潰した組織、もとい自爆したチビ組織はただ単にダイスの実力を確認するための、いわば囮のようなものだった
グラーブについて分かっていることは少ない
ただ一つ言えることは
「彼らは本気でダイスを潰そうとしている」
「ふーん…」
空色の瞳を輝かせ、そう語ったホトケ
「その話、嘘じゃないんだよね?」
リウラはそんな彼を厳しく見つめる
「勿論本当ですッ!!!♡ 」
「一々語尾にハートつけんの腹立つから辞めて」
「すみませんッ!!!」
「従順過ぎて逆にきしょい」
「ありがとうございますッ!!!」
「それは何に対してのありがとうございますなん???」
リウラとホトケの会話にドン引くイフ
何故か、この拷問部屋に来てからリウラのSっ気が増しているように思えるのだ
ホトケのMに影響されたか
「んで?知ってることはこれだけ?」
「あ、あとグラーブのアジトの場所知ってます!言います!!!」
「…」
マジで此奴不自然な程従順だな
「そこにそのグラーブとやらがいるのね?」
「その通りですッ!!!」
「出来ればビックリマークも外して」
「分かりました」
「お前ちょっと怖い」
「ありがとうございます」
「だからそれは何に対して(略)」
ホトケの言っていることが嘘ではないなら、あとは其処行って殲滅して終了である
嘘ではないなら(重要)
「嘘じゃないんだよね?それ」
リウラが真っ正面からホトケに圧をかける
大体の捕虜は此処でビビって本当のことを話すのだが
「嘘じゃないです…♡ほんとです…♡」
「おいハート再発してんぞ」
相手が悪すぎる
睨んだとて喜ぶだけのホトケを、リウラは益々冷たい目で見つめた
「大丈夫かリウラ」
「大丈夫だと思う?」
「思わん」
盛大に溜め息をつくリウラに、イフは憐れみの視線を送る
「多分コイツ俺がやっても喜ぶだけだから、まろよろしくね」
「え、だる」
「あ゛?」
「是非ともやらせてください」
ということでイフがホトケの相手をすることになったのだが
「…で、お前が話した情報嘘じゃないんよな?」
「はーいうそじゃないでぇーす」
「殺すぞ」
リウラへの対応と俺への対応の差エグすぎやろという突っ込みは一旦呑み込み、再び尋問を開始する
「その情報嘘だった場合、楽には死なせねぇからな」
「きゃーーこわーーい(笑)」
「お前二重人格か何かか?さっきそんなキャラじゃなかったやんけ」
「アンタも大概だと思うけど…あと、僕は嘘言ってないからね。グラーブの拠点に殴り込みに行けば分かるよ。たぶん」
「じゃあ暫くは大人しく捕まってろ。お前の言葉が嘘か本当か判明するまで」
「勿論。その代わりにあの人と1日一回はお話させてね。そうじゃないと僕舌噛んで死ぬかも」
「勝手に死んでろ」
20分後
「尋問終わった?」
「終わった。ついでに俺の喉も死んだ」
「まろってこういう時だけ精神年齢下がるよね」
「もうアイツマジで死ね」
因みにほとんど尋問というよりかは言い争いになっていた
「…じゃあ、早速君が教えてくれたグラーブの拠点に構成員を向かわせるとするよ。彼らが帰ってくるまでは大人しく拘束されといて」
「此処で働かせて下さい!!」
「話通じねぇなコイツ」
某ジ●リ映画の有名な台詞を冷たい声で遮るイフ
リウラも整った顔を思い切り歪めた
「あのね、君は捕虜なの。ってか周りの迷惑顧みず好き勝手暴れてた組織の幹部なの。俺のことをどう思ってようが別に良いけど、あんまりしつこいとこの場で言えないようなことするからね」
「言えないようなことってまさかそういう…」
「リウラ。こいつ狂人やから言葉選び気を付けた方がいいで」
「(自主規制)とかするからね」
「ド直球で言いやがったこいつ」
「貴方にされるならそれも良いですね…♡」
うっわきっしょ、とリウラが思わず口にする
聞こえているのかいないのか、相変わらずホトケは笑みを絶やさない
「お前も凄ぇな。リウラに好き好き言って絆して処刑免れようってか」
「そんな低レベルなことしませんよ。その程度で絆されるような方じゃないでしょう」
「気色悪いなって思うだけだから辞めてほしい」
「慎みます」
「…それで此処で働きたいんですけど」
「お前学べよ」
イフは怒りやら呆れやら通り越して、もはや虚無になってきた
なんやねんこいつ
「ダイスは裏社会のトップに立っている割に構成員が意外と少ないんですよね?なら僕下っ端でもなんでも良いので貢献したいんです!」
「ダイスに!貴方に!!」
「…それで良いですよーって言うと思った?」
「矢っ張り駄目ですか…」
ホトケの感情と連動するように、へにゃりとアホ毛が下がった
「いやぁ…この僕の愛らしいフェイス(良い発音)でどうか許してくれませんか?」
「まず意味が分からない。なんでそんなにダイスに入りたいのかが」
「貴方がたと同じです。裏社会の治安を良くしたい、善良な表社会の人々を守りたい、そしてリウラ・ロードナイトが好き。この3つです」
「最後に余計なの入ってたけど」
「でも、全部嘘じゃないです」
ホトケの空色の瞳がきらりと輝く
「……はぁ… 」
その言葉を聞いたリウラは、わざとらしいくらい大きな溜め息をついた
「…あ、」
そ んな張り詰めた空気の中、イフが呟く
「ナイコからメール。今すぐ来いって」
「ないふの個人メール?」
「おん。行ってきてええ?」
「…まぁ良いよ。急用っぽいし」
「え、邪魔者が消えて貴方と二人きりになれるってことですか?」
「興奮すんなこの頭ハッピーセット野郎!!」
「事実を言っただけですーーー!!!」
「うるせぇお前ら。まろ早く行ってこい」
「…うぃ」
イフが急用でいなくなり、二人きりになったリウラとホトケ
「思ってたよりも傷酷いねお前」
「…あぁ、そういえばそうですね。出血多くて頭があんまり回んなくて、痛いってそんなに感じないんですよね」
「結構やばいね。早めにちゃんとした治療受けないと死ぬでしょそれ」
「まぁ死んだとこで自業自得って感じですからねー。組織が悪ならその構成員だって悪ですから」
「随分と割り切ってんじゃん」
「だから半分ヤケクソで貴方に会いたいって言ったんです。逆上されて殺されても良いかなって思って。聞き届けてもらえるなんて思わなかった」
「…なんでそんなに俺に会いたかったの?」
「面食いなんです僕。普通にどんだけイケメンなんだろうなーって気になったので」
「顔かよ」
「結構噂になってるんですよ?ダイスのボスの顔めっちゃかっこいいって」
「何故かあんまり嬉しくない」
そんな他愛もない話をしながら、リウラはガチャガチャとホトケの手枷と足枷を外した
「…良いんですか?外しちゃって」
「立ち上がるのもやっとって感じなんでしょ。座ってなよ。仮にお前が武器持ってても、そんな重傷の奴に負けるほど弱くない」
「それもそうだ」
出血が多くて眠いのだろう、ホトケは目を半分閉じていた
「うとうとしてんね」
「まだ大丈夫です」
「ベッドまで運ぼうか?」
「急に優しくなりましたね。かっこいいです」
ぽやぽやとした声でそう呟くホトケに、くすりと笑いが漏れる
先程までの気色悪い変態はどこへ行ったのか、随分と可愛く見える
冗談だけどね
リウラがその台詞を吐こうとした瞬間
ギィッ…
それを遮るように、拷問部屋の扉が開いた
拷問部屋に入ってきた長髪の男
その左手に握られた銃を見て、リウラはすっと目を細める
「…アンタ誰」
「…」
リウラが冷たく尋ねても、男は何も言わない
いつの間にか周りの構成員は居なくなっており、イフも今は居ない
完全に3人きりとなってしまった
睨み合うリウラと男
ぱぁん
「っ…!?」
間一髪で避けるリウラ
幸いにも、弾は当たってないようだった
「…ははっ…噂には聞いとったけど、流石やな」
男はニヤリと黒い笑みを浮かべる
「後ろの奴は知らんけど…お前がダイスのボスやな?リウラ・ロードナイト」
「…そうだけど。何?」
「裏社会のトップの組織…どんなもんかと思っとったけど、案外大したことないな」
「…ホトケ、後ろ下がるかどっか隠れるかしてて」
こそりとリウラがホトケに囁く
「っえ…あの男誰なんですかっ…?」
「分かんない。それより危ないから早く」
「お喋りしてるとこ悪いけど、お相手してもらえん?」
片手で銃を弄びながらそう呼び掛ける男
「…やるしかなさそーだね」
かちゃり、と銃を取り出すリウラ
「(…何、何なのこれ…!?)」
大パニックのホトケを置き去りに
命のやりとりが始まろうとしていた
謝罪:朝投稿無理でした
毎週月曜朝じゃなくて毎週月曜に変更しても良いですかね…
というか改変多すぎて何か言わそう
前の方が好きな方、本当にすみません
閲覧ありがとうございました
コメント
4件
遅れました〜💦 私は前作も今作もどっちも好きですよ〜🥰 やっぱりこの2人の会話は見てて楽しいし癒される(≧▽≦) 続き楽しみです♪
ぜんっぜん変わっても大丈夫なので!続き楽しみにしてます!!