テラーノベル
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告白を繰り返しながら、蓮のことをちゃんと好きな人に怒られそうだなとは思ってた。
今まさに、その怒られ発生中。
今日も蓮に告白してはばっさり振られ、あいつマジで容赦ねーななんて思いながら廊下を歩いていたところを男女2人に呼び止められた。
多分、スタッフさんの中では若手の人達だったと思う。直接関わることは少ないけど、顔に覚えがある。
その内の1人の女の子が「少しいいですか」と口火を切って、促されるままに人目に付きにくい場所に移動した。
ちょっと危ないかな? と思ったけど、2人のどちらよりも俺の方が体格いいし、密室じゃないからまあ大丈夫かな。
「単刀直入に言いますけど、目黒さんに迷惑かけるの止めてください」
体育館裏に呼び出されるのってこんな感じかなとか考えてたら、そんなことを言われた。
うわ、内容が正に王道じゃん。
「迷惑っていうと?」
「ふざけてベタベタまとわりついたりすることです!」
「目黒さんが迷惑がってるの分からないんですか!」
うわぁ、こういうのって女子グループに呼び出されるのが定番だよな。今時は男子も参加するんだ。
自分が送ってない青春の一コマに触れて、ちょっとだけ感動してる。
でも、言ってることは頂けない。
「蓮が迷惑って? あなた達にそう言ったんですか?」
「そ、そういうわけではないですけど…」
「でも、そんなの見てたら分かります!」
「見てたら、ね。あいつ結構辛辣だから、本当に迷惑だったらちゃんと俺に直接言いますよ。だから勝手な代弁はいらないです」
こういうのは熱くなったら負けだと思ってる。だから相手の言葉に淡々と答えると、悔しそうに唇を噛み締めるのが見えた。
少し釘を刺して戻ろうかなと考えてると、女の子の方が再び口を開く。
「いっつも目黒さんにベタベタして、ふざけて告白までして。何とか気を引こうと必死過ぎるんですよ」
「…っ、別に、俺は」
「正攻法で伝えられないくせに距離が近いからって優越感に浸って! ずるいんですよ!!」
痛いとこ突かれたって、こういう時に言うんだよな。やっぱり女性って鋭いよ。
言われたくないことをはっきり口にされて、思わず口ごもってしまう。それと同時に、何だか劣等感みたいなものも刺激されてしまった。
きっとこの2人は、真っ当に蓮が好きなんだろう。それでも、今の距離感では告白なんて出来なくて。ましてや自己アピールなんて仕事上の関係じゃそうそう無理だろうし。たまに仕事よりそっちに熱心な人もいるけど。
メンバーとして距離が近いことに胡座をかいて、ちゃんと真っ直ぐに気持ちを伝えることすら出来てない。ちゃんと恋愛出来てない。
蓮を好きなのは本当なのに。
やり方は駄目だけど、この2人の方がちゃんと恋愛してるよなって思ってしまう。
「…距離が近いから伝えられないこともあって」
「え?」
「俺、この仕事始めるの早かったから、ちゃんとした恋愛あんましてなくて…どうするのが正解かとか、よく分かんなくて」
「え、あ、そ、そうなんですね…」
「た、確かに10代からお仕事されてますもんね…」
2人が羨ましいななんて思ってたら、口から言うつもりのないことがぽろぽろと溢れ落ちていく。
呼び出しに応じておいてまさかの恋愛相談を聞かせるなんて、何やってんだ俺。
「恋愛初心者過ぎてやり方分かんなくて…見苦しくてごめんなさい」
「み、見苦しいなんてことは…っ」
「そ、そうですよ! むしろ初々しくて可愛いというか」
うわぁ、気まで使わせた。ごめんなさい。
申し訳なさ過ぎて改めて謝罪しようと思ったその時、後ろから慌てたような声が割り込んできた。
「佐久間くんっ!」
その声に驚いて顔を上げると、蓮の背中が見えた。まるで俺を庇うように2人との間に立ちはだかってる。
「…佐久間くんに何の用ですか」
「あ、その…」
「わ、私達、えっと…」
ここからじゃ蓮の表情は見えないけど、それなりに怖い顔はしてるんだろう。目の前の2人がみるみる青褪めていく。
俺の青春の愚痴を聞かされて、挙句に気を使ってお世辞まで言わせてこれは申し訳ない。
「ち、違う違う! 別に酷いこととか言われてないから!! ねっ?」
「え…」
急いで蓮と2人の間に入り込んで、今度は俺が背中に2人を庇う。前から見た蓮の顔はやっぱりちょっと怖かった。
「ちょっと誤解があっただけで、今は俺の愚痴聞かせちゃって申し訳ないなって思ってたとこ。そうですよね」
「「え…は、はい…」」
振り向いて笑ってみせると、2人はきょとんとした後に段々と顔を赤らめていった。ん? どういう反応??
「…俺は、ラウールと康二から佐久間くんが吊し上げられてるって聞いたから…」
「あいつらの言うことを真に受けるなよ! とにかくそういうんじゃないからさ。お二人も変な愚痴聞かせてごめんなさい。オフレコでいてくれると嬉しいです」
「「は、はい! もちろんです」」
「良かった…またお仕事でよろしくお願いします」
2人に向かって頭を下げると、「こちらこそお願いします!」と元気な返事が返ってきた。たまに猪突猛進になることはあっても、若いっていいなぁ。
去っていく2人に手を振りながら、後ろから漂う不機嫌オーラをどうするか考える。
ここまでちゃんと不機嫌をアピールしてくるの珍しいなぁ。
さて、どうしたものか。
#めめこじ
雫
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コメント
10件
コメント失礼します リア恋の他担狩りですねっ!!! 呼び出しにこんな行動されたら好きになっちゃいますって🩷笑 どの作品のめめさくも大好きです✨

第2話あげてくださりありがとうございます❀.(*´▽`*)❀. さっくん素敵すぎます✨️
