コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「暑い・・・」
「ス~・・・」
一人の旅人とスライムが砂漠をバイクで走っていた。
まあ、そもそもなんでこんな過酷なところに来た?という疑問が出てくるのは仕方ないだろう。
しかし、その疑問は「旅人だから」という理由でかたずいてしまう。
旅人は自由に移動し、未知なる世界や出会いを求めて移動することが仕事なのだから。
・・・まあ、それが原因でこんな事になる場合も少なからずあるのだが。
「ス!」
「何~?スーちゃん。」
ヴィトの相棒であるスーは何かに気が付いた様子。
・・・砂漠だから、大体想像できるかもしれないが。
「スス~ッ!」
「・・・え?オアシス?どっちにあるの?」
「スッ!」
ビシッ!とスーが触手を使い指す方向には何か光るものが。
・・・しかし、ヴィトの視力では見えなかったので・・・
「む~見えない・・・『拡大』・・・えっと・・・あ、本当だ!」
小説内で使用する最初の魔法が拡大魔法という超絶地味だったという事実はとりあえず砂漠のど真ん中にでも置いときましてと。
「ん~?あれ?オアシスもだけど、その近くに国がある気がするんだけど。」
「スッスス~!」
よし!行くしかないっ!と言わんばかりに興奮しているスー。
・・・今更ですが、なんでヴィトがスーの言ってる言葉の意味を理解してるんだ?というツッコミはご遠慮ください。
念話とかそこら辺の物を使ってるんでしょう。きっと。
「よし、じゃあスピード上げるか~。・・・スーちゃん、今度は落ちないでね?」
「ス!」
・・・どうやらこのスライム、バイクでの移動途中に落ちた前科があるらしい。
まあ。だったら速度上げるなよというツッコミをしたくなるのだが。
「じゃあ、いっくよ~!」
ブゥゥン・・・
[こんにちは。何日間滞在されますか?]
「えっと・・・二日で。」
「わかりました。では、どうぞ。」
こうして、無事に国に入ることが出来たヴィトは早速宿を探しに行くのだった。
「スーちゃん、どこか行きたいところはある?」
「ス・・・ス!スススッ!」
宿をとって一息ついたのでちょっと観光をしたくなり、スーとどこに行きたいか話し合っているヴィトである。
そして、スーが出した結論は・・・
「なるほど・・・市場か!いいね!じゃあ、早速行こう!」
このような世界の基本となる施設の一つこと市場に行くことにした様子。
しかし、ヴィトは何かある可能性があると考え・・・
「まあ、一応レボルバーに弾を入れておくか・・・」
「スッ!」
銃に弾を込めるのだった。
・・・明らかに何か起こるフラグである。
「すみません、旅のお方。」
「はい?何でしょう?」
「この子の病を治せないでしょうか?」
まさかの病気の治療を頼まれたヴィト。
「その子ですか・・・少し待ってくださいね。『鑑定』・・・っ・・・まあ、薬から渡そう。・・・あったかな・・・あった。はい、どうぞ。これを飲ませてやってください。」
「ありがとうございます。これで・・・」
「おいっ、その薬を寄越せっ!」
「まじか!『飛行』!」
ビュンッ
カチャッ・・ドンッ・・・
「ぐっ・・・はっ・・」
「はぁ・・・不注意だった・・・」
少し油断しており、不意打ちを受けたヴィト。
しかし、ヴィトはそんなことより薬を狙われたことが気になるようで…?
「今さっきの人、薬を狙ってきたよな・・・?もしかして・・・『鑑定』・・・あぁ・・やっぱり伝染病か・・・」
鑑定魔法で国を鑑定してみると、あらびっくり。5分の1が感染しているではありませんか。
その鑑定結果を見て、よくあそこまで活気があったな・・・?と思うヴィトであった。
そして、いったん宿に帰ったヴィトは・・・
「はぁ・・・どうしよっかな・・・もう移動しよっかな・・・伝染病でやばそうだし。」
「スイ?」
もう移動するの?という雰囲気を醸し出しているスー。
「ま~・・・仕方ないでしょ。これはさすがに。ってことで、早くチェックアウトしてこの国を出ようか。」
ということになった。
そして、入国してその日に出国手続きをしに来た一人と一匹。
「すみません、明日出国予定だったんですけれど、今日出国していいですか?」
「ああ、良いが・・・もしかして、『アレ』に気が付いたのか?」
「・・・伝染病・・・ですよね?」
「ああ。」
どうやら、出国管理の人も知っていた様子。
「国も隠してはいるが・・・時間の問題だろうな。」
「ですよね・・・」
「おっと、足止めして済まない。・・・はい、どうぞ。出ていいぞ。」
「ありがとうございます。・・・また会えることを願って。」
「良い旅を。」
そしてしばらく走り・・・
「ス~?」
スーがあれでよかったの?とヴィトに質問した。
「ん・・・あれが正解とは言えないかもね・・・だって、実質見捨てたわけだし。」
「ス?」
じゃあ、なんで?とスー。
「まあ、どっちにしろ薬が足りなかったし・・・なにより、旅人って自由だから。」
そう、ヴィトは言った。