テラーノベル
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詩織が声をかけまわっている中、またドアベルが鳴る。
「お邪魔します」
静かで、薄笑いを浮かべたソイツはカウンターの端に腰を下ろす。
、と何を言い出したか ーー
「ウォッカ一つ。」
場がしん…と静まり返った。
マオレイも目を見張っている。
「…ウォッカですね。ご用意いたします。」
マスターが裏へ入ったとたん、マオレイが詰め寄る
「っちょ、ウォッカって?!そんな度数の高い酒飲めるの?!」
「…っぼ、僕より高いジャン…」
悔しいのか恐れているのか、そそくさと席に戻る。
「…名前は?年齢と性別。」
有栖が冷静に問う。
「私は天城レイ。26歳です」
にこりと微笑む。
「…性別は?」
「あはッ、どっちだと思う?」
ふふ、と気味悪げな笑みを浮かべる。
馴れ馴れしいようで脳裏に焼き付くような笑み。
「そうだ、そこの方、コーヒーをお飲みになっているようですが、お酒はお好きではないのですか?」
「…別に、飲まないわけではないが、体に悪いだろう。」
「…なるほど、そうでしたか。」
笑みを崩さぬまま、しかし確かに、瞳の奥で何かを見定めているような、そんな目。
すぐにぱっ、と切り替え、今度は有栖に問う。
「貴方も。それ、なんのゲームです?」
「……別に、何でも良いじゃん。」
嫌そうに言い放つと、悲しむそぶりも悪びれるそぶりもなく、背後に回って画面を覗き込んだ。
「…なるほど、”ソシャゲ”というやつですね」
たーくん
284
194
なすぴ🍆
714
興味深そうにその画面に見入っている。
素性の掴めない変なやつだと、この場にいる誰もがそう思っただろう。
すると、先ほどからメモしていた詩織が顔を上げて言う。
「…あの〜、レイさんって何のご職業で?」
「あ、無理にとは言わないっすけど」
こちらもにこにこと愛想の良い笑みを浮かべている。
丁度グラスに入った酒と瓶がテーブルに置かれる。
それをぐいっ、と煽る。
マオレイがまた目を見張って椅子の端に座り直す。
「さぁねぇ、知ってしまったら面白くないですよねぇ?」
「…ふーん、まぁ、いいっすけどね」
一気にウォッカを煽ったとは思えない様子で淡々とそう言った。
それ以降、話す気が失せたのか、何なのか会話は行われなかった。
コメント
3件
やだこっちの人もメロい最高
うちの子だ……!ありがとうございます!他のキャラも楽しみにしてます!
黒猫さん、コメントありがとう!この第6話、めっちゃ雰囲気出てたよー。天城レイの登場シーン、ウォッカ注文で一気に空気変わるところがゾクッとした。26歳で性別不明って設定も気になるし、あの薄笑いが不気味で魅力的だった。詩織のあの愛想笑いも有栖の嫌そうな反応もキャラ立ってて良き。次が楽しみすぎる🔥