テラーノベル
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そんなことを考えていると、
私は線路の遮断機の前に着いていた。
上下する肩で呼吸をしながら、
「5….4….3….2….」
と呟く。
『1』そう心の中で呟き、線路内に侵入する。
もし失敗したら死ぬかもしれない。
なのに私はなんてことをしてるのだろうか。
すごいスピードでそんな考えが頭の中を駆け巡る。
が、全く水中世界に行ける気配がしない。
もしかして失敗した?
気づけば遠くの方から電車が向かってきている。
『あ、終わった』
そう思った瞬間、ドプンと身体が沈む。
恐怖で瞑っていた目を開けると
「月ってば、案外無茶するんだね」
と呆れたように言う空くんが立っていた。
「良かった〜..行けた..」
「『行けた』ってことは自分の意思でここに来たの?」
「なんで?」
「青い彼岸花について聞こうと思って..」
「青い彼岸花?あぁ、糧の青花のことね」
「いいよ教えてあげる」
糧の青花?
こっちではそう呼ばれてるのかな。
「こっち来て」
そう言いながら私の腕を掴む。
ヒヤリとした氷のような冷たさが
私の腕に広がった。
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