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とある冬の日。
優菜が普段学校に着くのはギリギリではないし、友達もいない優菜は1人で本を読んだり、授業の予習をしたりして時間を潰す。しばらくして、担任が入ってきた。
「突然だが、今日からこのクラスに転校してくる生徒がいる」
一気にクラスでどよめきが起こる。どんな子だろう。そんなことを思いつつも、正直どんな子かは気になる。女子だったら私にとっての唯一の友達になると思う。男子だったらすぐには仲良くなれないかもだけど、いつか仲良くなれると信じよう。そう思いながら、優菜は転校生を出待ちする。
「じゃあ、早速紹介する。入ってきてくれ」
「はい」
転校生は返事をすると、教室に入ってきた。男子生徒だ。制服はきっちり着ているものの、髪型はどこか酒落ている。
「初めまして。藤宮奏斗です。これからよろしくお願いします。」
転校生が軽く自己紹介をした瞬間、ぶりっ子女子たちの黄色い歓声が聞こえてきた。
「キャー!イケメン!この学校にはブスしかいないから、ちょうど良かったぁー!」
雰囲気から意外とすぐに仲良くなれそうだな。そう思った。奏斗の席は優菜の隣。彼は席に着くと、すぐに優菜に話しかけてきた。
「初めまして。僕は藤宮奏斗。あなたの名前は?」
「あ、初めまして。私、茅野優菜。・・・よろしく。」
人付き合いへの不慣れさから、つい照れ隠して答えてしまったが、奏斗は嫌な顔をするどころか、なんとなく親近感が持てる笑顔を見せた。
「ぜひ、仲良くなりたい、これからよろしく、優菜。・・・あ、君のことを優菜ってこれから読んでもいい?」
「・・・うん、大丈夫。じゃあ、私もあなたのことは奏斗くんって呼ばせてもらうけど、いい?」
奏斗は大きく首を縦に振った。こうして、2人は仲良くなった。