辰哉Side
めめの部屋に移動してきた俺は、真っ先にあべちゃんをベッドに寝かせた。めめのフカフカのベッドのおかげで、あべちゃんの苦しそうな表情は少し和らいだように見える。
💜「……あ、そだ。ポーションポーション」
めめの部屋は、黒系統で合わせられた服がそこら中に散らばってはいたが、棚は意外とキレイに整理されていた。
そのおかげで、ポーションはすぐに見つかった。
💜「んー、俺もちょっとだけ貰っちゃおっかな」
あべちゃんのために用意していたけれど、フリーズにやられて少し弱っている俺の体も、そりゃあ欲している訳で。コップに注ぎ始めていたポーションを、1口だけ飲む。
💜「あー!染み渡るぅ!」
ラウの作ったこのポーションは、たった1口飲むだけでも効力がすごい。俺の疲労も一瞬で飛んでいった。
あとはあべちゃんが起きるだけ。起きたら、2人で一緒にめめと合流する。この場所なら好きなだけ暴れられるから、俺の『リミッター』も解除できるかな。
めめの部屋を探索しながらあべちゃんの様子を見ていると。
💚「ん、うぅ……」
💜「あ!あべちゃん!」
あべちゃんが、やっと目を覚ました。
💚「……あれ、ふっか?」
💜「良かったぁ、あべちゃんが無事で……」
俺はそう言いながら、ベッドの隣にしゃがみこんだ。
💚「それはこっちのセリフ。ふっかが無事で良かったよ……。敵に操られてたとはいえ、酷いことしちゃってほんとにごめん」
💜「大丈夫だよ、あべちゃんは何も悪くない。謝ることなんてないから!」
💚「ふっか……」
あべちゃんの目にはうっすらと涙が溜まっている。
💜「もー。泣くことなんてないって!……あ、そだ。ポーション飲みなよ!ラウのやつをめめが置いてくれててさ〜」
💚「ラウのポーション……ありがとう。そういえば、ここは?」
体をゆっくり起こしながら、あべちゃんは部屋を見回す。
💜「ここはね、敵の拠点でめめの部屋」
💚「敵の拠点で……めめの部屋?!」
困惑してるあべちゃんに、俺はポーションのコップを渡す。
💜「説明すると、ちょっと長くなるんだけどね……」
俺はそう前置きをして、ここ数週間の出来事をあべちゃんに話した。あべちゃんは、俺の話に終始目を見開いて驚きながらも、最後まで聞いてくれた。
💚「……なんでそんな危険なことを!」
俺が話し終わると、あべちゃんは少し怒った口調で言った。
💜「なんでって……あべちゃんを、速く助けたかったから」
💚「にしてもだよ!敵の拠点に乗り込むなんて、危険すぎる……!実際に、ふっかは倒れちゃってるし、めめ1人に背負わすことになってる。舘様も知ってくれてるとはいえ、あまりにも……」
言葉を詰まらせるあべちゃん。本当に、その通りだった。
俺が言い出したことなのに、今実際に頑張ってくれているのはめめだ。……こういうところなんだろうな。俺が1人で動いちゃいけない理由。
💜「……ほんとそうだよね。ごめん」
💚「謝るのは、俺じゃないよ。とりあえず……」
コップに残っていたポーションをグビっと飲みほすと、あべちゃんは勢いよくベッドから立ち上がる。
💚「行こう、めめのとこに。めめが心配だし、何より全ての元凶なフリーズってやつが許せない」
💜「だな。体調は大丈夫?」
💚「ラウのポーションのおかげで!」
💜「おっしゃ、じゃあさっそく……!」
そう言って、俺たちは勢いよく部屋の外に出た。
💚「ねぇ、どっち?」
💜「たぶん右だな……」
俺たちが走り出そうとしたその時。背後から、低く不気味な”あの声”が聞こえてきた。
「……行かせませんよ」
💜💚「!?」
💚「な、なんで……」
💜「フリーズが……!」
フリーズは何も言わずに微笑むと、
「言ったでしょう?あなた方を逃がすはずないじゃないですか……」
ステッキをトントン、と鳴らしたかと思えば……俺たちは、真っ黒な空間の中に閉じ込められていた。
(続く)
投稿の期間かなり空いてしまってすみませんでした💦
コメント
9件
阿部ちゃん回復してよかったぁ(´,,-ㅿ-,,`)フゥ- 一安心したら背後に現れたフリーズに真っ暗闇の部屋に放り出される… あべふかぁー💚💜 メンバー全員が合流出来たらいいな🥺 続き楽しみピーマンでありまth! (最近、私も学校で忙しいのでこのペースの方が読みやすいかもでth!
あべちゃん良かったねぇ😭 いつも楽しく読ませていただいています❗️ ゆっくりで良いので続き楽しみにしています‼️
待ってました(*^^*)‼️ 阿部ちゃん回復してよかったけどやっぱりフリーズか邪魔してきたか💦早くメンバーと合流してフリーズに勝てるといいなー🥺 続き楽しみにしています(*^^*)😆😁