あ て ん し ょ ん -×-
前回同様このお話は2話同じ話で、2話ごとに書く内容もカプも違ってくるので、あてんしょんにカプ名を表記するので、よーく見て地雷だった人は逃げてください!!いいですか!?私、言いましたよ!!
と、言っても全部玲王受けなんで「玲王受けばっちこい!!!むしろ大好き!!」って方は楽しんでいってください!
○玲王受け
○潔玲
○凪玲、蜂玲、千玲、凛玲
○潔愛され
○潔玲前提の凪玲
○ 口調迷子
○ネタバレ、キャラ崩壊注意
○潔視点
○時間軸は凪玲王和解後
それでもばっちこい!って方はどうぞ↓↓↓
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「ねぇ、レオ。レオはこいつと付き合ってんの?」
「っ…!?」
その言葉を受けた玲王は酷く動揺したのか、顔が真っ青になり、俺と一緒に座っていたのにも関わらず、ズズズっと椅子を無意識に後ろに下げて逃げ出そうとしていた。
俺が恋人の振りをして蜂楽やら凛たちを妨害する盾として玲王を使っていのに、こういう時に限って玲王は恋人の振りをしている。という好都合な男が真横にいるのにも関わらず、俺には一切目もくれず助けを求めてこない。なんとなく、『玲王の声が聞こえないのはきっと、玲王の俺に対する認知度が低いから 』ではなく、『こいつに何かを求めても無駄だ』の方が強く感じれた。そんな俺に一切助けを求めようとしてこない玲王に対して、何故かムカッとしてつい面倒になることもわかっていたのに口を出していた自分がいた。
「凪、玲王は悪くないんだ。俺が悪いんだ」
「は?そんなのわかりきってることでしょ?当たり前のこと言わないでくれる?それとも何?お前、玲王に非があるとでも言いたいの?」
凪の目は試合中の髑髏が出ているときの目よりも冷たく、とても暗い闇を秘めている、厨二の時に書いた決して人の目には触れさせてはいけない真っ黒なノートのような深い闇を匂わせた目をしていた。これは口を出してはいけない。そんなのわかってる。分かってるけど、分かってるけど。俺を助けてくれる玲王が俺のせいで苦労するのは嫌だと思ったら、どんどん勝手に口が走る。
「違う!俺が玲王のこと気になってて、玲王にこの感情はどんなものか確かめたいから、お試しに付き合ってもらってるんだ!」
「なっ…?!」
「あ??お前ふざけてんの?殴るよ?」
俺は気づいていない間に、絶対に面倒なことになるのはわかっていた言葉をいつの間にか口走っていて、その瞬間シーンと静まり返ったが10秒程だった頃、ボボッと顔を真っ赤にした玲王が驚きの言葉を漏らした途端、凪がまるで南極のように冷たい声と目で俺に圧をかけてくる。
「え……?潔…玲王っちのこと好きなの…?」
「マジか……そっ……か…。玲王、かぁ…」
「……、クソッ…」
凪の怒声にハッとした3匹の獣は目にうっすらと涙をうかべ、下を向いて自身の情けない顔を見せないようにと、最後の抵抗で俺に顔を隠す。
「……。おい凪、潔。お前らこっち来い。ここでこの話しをする必要は無い」
「は!?玲王何言ってんの?こいつの言葉聞いてた?!玲王狙われてんだよ?」
「……っ、わかってる、だからその上でだ。凪、お前は一旦落ち着け。お前もここにいるヤツらも1回頭冷やすべきだ」
玲王の冷静な声に凪はしゅんっ…と黙りこみ、玲王の言葉で千切達は堪えきれないほど大粒の涙を浮かべていた。玲王はそれに一瞬で気がついたのか知らないが、3人に向けて俺たちを引っ張っていくついでに使い捨てティッシュを渡していた。中でも凛はありえないくらいギュッと顔を隠すようにキツく体育座りをしていて、辛そうだったから玲王は凛の頭を優しく撫でて何かをボソッと呟くと、凛はバッとおもわず涙でぐしゃぐしゃの顔を上げたが、凛の目の前には俺たちを連れていく玲王の後ろ姿しかなかった。
モニタールーム
「潔。本当のこともう話していいか…?」
「あぁ…さすがにもう心が痛てぇよ…話してくれていい。」
「は?え?ちょっと待って、本当のことって何?」
「いいか、凪。叫ぶなよ?」
「…。玲王が言うなら約束は守るよ」
「へー…やっぱ潔ってキモイね。」
「はぁぁぁぁぁぁ!?!?!?俺はキモくねぇよ!!」
「なんでお前が叫ぶんだよ!!」
「わかったか?凪くーん」
玲王が苦笑いしながら凪を膝枕して頭を撫でながら問うと、凪はうーん…と口をミッフィーにしながら気持ちよさそうに話す。
「んー……まぁわかったよ。てか潔、俺の心ん中読めんの本当にキモイね」
「しかたねぇだろ!それもこれもお前が俺に惚れるからだろ!!」
「はぁ?ありえな。本当は俺に催眠でもかけたんじゃない?正直に吐いたら前髪だけで許してあげるよ?」
「うっせ!俺はお前に催眠なんてかけてねぇっての!」
「はぁ…ホント潔って耳障りな超音波だすよね…あ、てかさ、お前今も俺の声聞こえてんの?」
凪は相変わらずの様子で俺に罵詈雑言を吐き捨てているが、その罵詈雑言を並び立てる本人はパートナーである玲王に擦り寄りながら、みっともなく子供のように頭を擦り付けてなでなでを乞い、玲王はそれに応えるように楽しそうに凪の頭をふわふわと撫でる。それを横目にしている何ら変わり映えのない、いつもの光景に何故か胸がむずむずして仕方がない。そんな時に、突如凪からの質問された問題について考え出すと『あれ?』と、疑問が生まれた。
「…おい凪、お前俺に対してなんか考えてみろ」
「えー…ダル…ま、さっさと解決してくれるならいいけど」
凪がふむ…と、考えるように目を瞑って俺も声が聞こえるように集中して耳を澄ます。だが、いつまで経っても凪の声は聞こえない。耳をすましすぎて、玲王の呼吸音が聞こえてしまうくらいなのに一向に凪の声は頭に響いてこない。
「どう?聞こえた?」
「……、いや…なんか聞こえなくなった…」
「「……。マジ?」」
「マジ」
俺の言葉に数秒遅れで反応したふたりの声が重なり、俺はそれを肯定するように頷く。そんな俺を心配そうに様子を伺う玲王は、膝枕していた凪をクッションに座らせ、自身の体を立たせて俺の近くへと移動する。
「いきなり変わるってちょっとおかしいよな…なんか変わったこととかないか?」
「いや、全く…。てか近…」
玲王はペタペタを俺のおでこやほっぺを触り、熱や浮腫がないかの異変を確かめる。そんな様子を見せつけられて威嚇を始める番犬が不機嫌そうに口を開く。
「へー、まぁどうでもいいや。玲王〜、解決したみたいだし早く別れなよ。あと潔とっとと玲王から離れろ」
「え」
俺は凪の言葉にハッとして「そうか、これは期限付きの関係だったんだ」と、思い出す。そしてなぜか胸がチクリと痛む。
「そうだよなぁ…でも俺まだ報酬もらってねぇんだよ、だから別れるの保留にしね?」
「え?報酬って何?玲王何かやられたの?」
凪が話されていない、報酬のことを聞くと真っ黒になった瞳から一気に圧が出て、俺の事を睨んだと思ったら玲王に心配そうに駆け寄る。
「いや、何もやられてねぇよ?どっちかと言えば俺が潔にやった側だし…」
「え……?玲王、こいつのためにわざわざ動いたの…?」
「凪…?一体どうしたんだ?俺、さっきも報酬の話しただろ?俺はその報酬のために俺は動いたんだぞ? だから潔のためじゃなく自分のために動いたんだ」
「…じゃあその報酬とっとと貰って帰ろ?俺今日は久しぶり玲王にマッサージしてあげるから楽しみにしててね」
凪がきゅるんっとお得意のぶりっ子をするが、玲王は苦笑いをしながら凪の期待の目をかわすように目を逸らす。
「? 玲王どうしたの?早く貰って人生の汚点晴らそ?」
「それがな…凪……報酬ってのは物じゃねぇんだよ…」
「物じゃないって、その報酬って一体何?」
「そ、その…」
凪の鋭い目が玲王に突き刺さり、玲王は困ったように俺を見つめてきてSOSを出す。元はと言えば俺が原因なのだから助けるのがスジだろうと思い、玲王に対する懺悔として玲王の代わりに説明する。
「凪、玲王が俺に求めた対価は《凪が惚れ込んだ俺の魅了の仕方》なんだよ…だから俺も渡せるものなら渡してぇけど、こればっかりは無理だ」
「……。へー?まぁそういうことなら仕方ないけどさ。それで?玲王。玲王はその対価をどう使おうとしてたわけ?」
「……、」
1呼吸空けて凪が興味無さそうに頷いたと思ったら、今度は凪がムスッとした表情で玲王に詰め寄る。その凪の発した言葉に俺はハッとした。そうだ、なぜ気づかなかったんだろう、と。そもそも玲王はなんでこんなものを要求してくる必要があるのか、そんなことは焦っていた俺の頭の中では到底考えつかないことだった。だから、凪の言葉で俺は漸く気づいた。玲王はなぜ《魅了の仕方》などという要求をしたのか。
「…言わなきゃダメか、?」
玲王は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして凪を上目遣いで見つめる。きっとこういう戦略なんだろうと一瞬で理解したが、顔が良すぎるため「ん”ん”ッッ」と言う気色の悪い声が俺と凪から発せられた。
「できれば聞きたい…」
さっきの気色の悪い声をなかったかのように凪は玲王に真摯に詰め寄る。玲王はうぅ…と凪の必殺きゅるきゅるおねだりにも屈しず、自身と戦い続ける。でも凪があまりにもしつこく圧をかけてくるからか、玲王は観念したように深く息を吸ってポツリと話し始める。
「…その、な…?俺さ、前々から潔のこと見てたんだけどな」
「えっ!?俺の事!?」
「うるさい潔。話の腰を折るな、耳障りな声をだすな、玲王の声がゴミ声で汚れる」
「ごめんなさい」
「でな、お前見てて思ったんだけどお前って無意識に人を懐柔するのが上手いよなって。俺さお前の魅了見てて思いついたんだよ、お前のこの技術があればビジネスで大儲け出来んじゃね?って思って……すまん、こんなことに使われるとは思ってなかったよな…?」
玲王はうぅ…と申し訳なさそうに俺に頭を下げるが、全く気にしていないので「全然大丈夫だって、お前の好きなように使えよ」と言うと、良かったと言っているかのように安心したような顔をして玲王は肩をなでおろす。
「そういうことならいいんだけどね」
凪は玲王の話を聞いて心底安心したのか、顔には出てないが、話を聞く前に自身のケツの下敷きになっていたクッションが悲鳴をあげていたのが、今は悲惨になったクッションを玲王にバレないようにこっそりと直しているのを見て、玲王の言葉に少なからずホっとしているのは感じられた。
「そういえばさ玲王。お前モニタールーム来る前に凛に何か言ってなかったか?」
「ゲッ、お前アレ見てたのかよ…最悪」
玲王はバレたのが相当嫌だったのか、ゲンナリとした顔をしながらべーっと舌を出す。
「え、玲王アイツになんか言ったの?」
「おう!ちゃんと慰めておいてやったから安心しろよ!」
凪はセコムが発動したからか、バッと玲王に詰め寄り何を話したのか聞き出そうという勢いで身を乗り出した。そんな様子の白ゴリラを俺はどうどうと興奮状態を継続中のゴリラを宥めながら、居心地が大変悪い2人の間にわって入る。でも玲王は「もうバレたならいいや」、という感じで俺の必死の努力も虚しく暴露していく。
「いやー、別にそんな大層なことは話してねぇんだけど。『お前が泣くのは似合わねぇ、どうせなら笑ってるとこ俺に見せてくれよ』って言っただけだぞ?」
玲王はヘラヘラと先程あったこと自慢げに話し出すが、隣にいるセコム、いや白ゴリラはそれどころではなく今にも凛を殴りに行こうとする勢いだ。そんな興奮状態の相棒にも気づかず玲王は他のことも暴露していく。
「ま、見られてねぇかもしれねぇけど、千切と蜂楽のこともちゃーんと俺が慰めてやったから潔。俺に感謝しろよな?」
玲王がこれまでにないほどスッキリとした表情でにっこりと微笑んだ瞬間だった。世界が終わりを告げたのは…そう、はい。終わり。おわっちゃったよ。この一言で白ゴリラがサ○ヤ人に超進化しました。終わりです、人間の域超えちゃいました!パンパカパーン!
いや、元々白ゴリラだから人間じゃねぇな…と、冷静に自分にツッコミを入れるが、サ○ヤ人はそんな俺の心情も知らずか、その暴走を止めることを知らない。
俺がこれからの未来に絶望していた時、既にモニタールームから出ていこうと、サ○ヤ人がドアを掴んだ時、俺の脳に突如としてフラッシュバックしたどっかの進撃○巨人のような興奮した真っ白な息を吐いて、サ○ヤ人は人類たちに変な記憶を思い出させようとさせる目をしながら、いつの間にか玲王を横に抱えて巨人走りをしながらモニタールームを飛び出していた。
「うわっ!!凪!?!?すっげぇ!!!これが凪が前に言ってた”進撃○巨人”の巨人走りってやつか!?すげーぞ凪!!!速い!!めっちゃ速ぇ!!!ぶっちぎれー!!!!!」
横に抱えられた人とは別の意味で興奮状態のサ○ヤ人に、未知の体験を仕込まれた玲王は子供のような純粋な目で楽しそうにキャッキャとはしゃぐ。 その後ろで、暴走したサ○ヤ人と攫われた人質を止めようと奮闘する俺。カオスすぎるこの気持ち悪い状態がブルーロックで巻き起こっていく。
そして案の定、やはり廊下を気色の悪い巨人走りで走る190cmとその横に抱えられた185cmの純粋な子供、その後ろで死にものぐるいで追いつこうと顔面崩壊を起こしている俺を見た奴らは次々に唾をブバッッッと吹き出し、膝から崩れ落ちていく。
「やっっばwwwwwwこれほんまあかんやつやwww待ってwwwどっかの巨人で見たわコレwwwwwwも、無理っwww腹死ぬwww」
そう言って膝から崩れ落ちた最初の犠牲者は烏。その隣にいた乙夜は、忍者の末裔だか知らないが、その特性を活かして音を立てずに腹を抱えて床に四つん這いになり、消えゆく酸素を求めて悶え苦しんでいた。
途中で通り過ぎていく中、暴走族として有名な士道にも会ったので、士道のことだ何か凪の気に触ることを言って凪の暴走を一時的に止められると思ってしまった俺のこのサ○ヤ人の暴走から救われる…と感じた解放感は虚しく
「wwwwwwww玲王ちゃんwwこれやばいでしょwwwwwちょっwwwww無理wwwww」
と、思いっきり爆笑しながら壁に身を預けてありえないくらい笑っていた士道をみて、俺の暴走族緊急停止大作戦の希望は崩れ落ちた。代わりに士道に対して、なんでこういう大事な時には突っかかってこねぇんだよ!!と、ガチギレしている中で顔面崩壊も忘れずにしながら死ぬ気で走る。
数分走り続けた時、到着したのは食堂だった。丁度夕飯時で凛、千切、蜂楽の3人は仲良く夕食を食べ始めようとしていた。
そしてこの惨状に運悪く巻き込まれたイガグリ、二子、馬狼の3人は凪の巨人走りを見かけたからだろうか、イガグリは夕食の野菜炒めを目の前にいた馬狼に向かって吹き出し、二子は飲んでいたお茶を隣でパクパクと野菜炒めを頬張っていた斬鉄の顔面にストライクを決め、馬狼は不覚にも野菜炒めの数少ない肉をポロリと机にこぼす。
そして、状況を理解した馬狼はその瞬間、ブチッという血管の切れる音をたて、バチバチに切れてイガグリを説教。 斬鉄は「ふむ、これがお茶も滴るいい男…だな?」と決めポーズも忘れずにしながら二子に問い、二子は「それを言うなら水も滴るいい男です」と訂正し、謝りながら斬鉄の顔面をハンカチで拭く。
そんな3人を横目に巨人、基白ゴリラ、ではなくサ○ヤ人は凛、千切、蜂楽の3人の目の前に、凪のあの奇行に対して無邪気に笑う人質を横に抱え、ドンッという漫画でよくある登場シーンの効果音を出せる勢いで3人の前に現れる。
「ぶはッッッッッッwwwwwwwwwなんだよそれwwwwww」
そう言ってブッと勢いよく初めに吹き出したのは千切だった。その瞬間ほわ…と和んだのだがそんなことはこの暴走バケモンサ○ヤ人が気にする訳もなく
「……おい、お前ら俺の玲王のこと誑かさないでくれる?」
凪がゴゴゴゴゴ…と髑髏を出しながら冷徹な目をして3人を見つめると、あんなに笑っていた千切も静かになり食堂が静まり返る。横に抱えられた玲王だけは、子供のような純粋な瞳をしながら興奮が抑えられないのかジタバタと暴れ、心底楽しそうに笑っている。
「心外だな〜。凪っち」
しん…と(1名を除いて)静まり返った空間を打破したのはなんと普段ふわふわぽわわんと人畜無害の顔をしている蜂楽だった。
「は?何が?」
「俺たち別に誑かしてないよ?どっちかと言えばたぶらかされた方だし」
「そうそう、俺なんて玲王に『2次選考の時、俺を救ってくれたみたいに今度は俺がお前を救ってやる。だからそんな泣くなよ、せっかくの綺麗な顔が台無し…って台無しじゃねぇじゃん笑 流石千切だな。今度話し聞いてやるから今度は泣いてるんじゃなくて笑顔の千切見せてくれよ?』って言われたんだぜ?」
「あー、俺も似たようなこと言われた〜!『そんなに泣いてたらせっかく笑顔が似合う顔が台無しじゃん。お前が笑ってた方が俺は好きだぜ、辛いなら話聞いてやる。だから今は泣けるだけ泣いとけ、そんで俺に今までの鬱憤話し終わったら笑うだけ笑えよ?』って玲王っち言ってた〜」
と、ブチブチと切れていく凪の血管を無視して千切と蜂楽は早くも俺への恋心を忘れて凪に喧嘩を売る。極めつけには凛が
「フンッ、お前らそんなもんか?俺は玲王からハンカチ貰ったぞ」
そう言って自慢げに玲王のキャラクターカラーである紫色の、どこからどう見ても生地が良さそうなハンカチをヒラヒラと自慢げに見せつける。
「このッ…!!!」
凪が抑えきれず暴走しそうになった時、俺は引き留めようと凪の傍に向かおうと走りだすがその時まで、我関せずとキャッキャと遊んでいた玲王が突然口を開いた。
「なぁ凪。ちょっと離してくれね?」
「え?うん(?)」
凪が玲王のことを話すとてくてくと玲王は凪から離れ、何故か俺の傍に来て腕を絡める。その瞬間、ついさっきまで俺に恋心を抱いていた3人の目が信じられないほど鋭くなり、凪はもう目が見れないほどの冷気が気のせいだがたっている。そんなことになっているともしれずに玲王は
「俺たち恋人じゃん?あれって浮気になんねぇよな?あ、恋人らしくちゅーしとく?」
と、千切達がまだ俺に対して好意があると勘違いして、恋人のふりを呑気にやりながら俺に話しかけるもんだから、俺は冷や汗ダラダラだ。でもなぜか優越感のような満たされる感覚がどこからか湧いてくる。
「玲王っち〜、今日は俺たちとご飯食べない?話聞いてくれるんでしょ?」
玲王が俺の腕に絡んでいたのをよく思わなかった蜂楽は、ササッと俺と玲王の間に移動して離れるようにググッと腕を引き離させようとする。
「! そうだな。せっかくだし食べようかな…!!!」
玲王は頼られたことが嬉しかったのか、パッと腕を離して蜂楽と肩を組む。その瞬間、今まで見たこともないような、優越に浸っている蜂楽が俺を挑発するように見つめる。
「おい玲王、語学教えろ」
「おっ、凛!お前ほんと勉強熱心だよな〜、いいぜ何やる?」
玲王は蜂楽の肩組みをしゅるっとぬけ、凛の隣に立ち楽しそうに凛の顔を覗き込む。
「なぁ玲王、今髪型決まんねぇから整えてくんね?今日気分じゃなくてさ〜」
玲王を独占しようとしていた凛を無視して、千切が玲王の肩をぽんっと叩いて自分をアピールする。千切のいつも通りのようなお願いに玲王は仕方ねぇな〜と、凛から離れて痺れを切らして千切の方へと足を向かわせ、千切の髪に手をかける。
「お嬢様〜、どんな感じに仕上げれば良いでしょーか?」
「んー、おまかせで」
「了解」
玲王が千切の髪をサラリと丁寧に扱い始めたのを、悔しそうに見つめる周りに対して千切はいかにも嘲笑うかのようにニヤリと口角をあげる。
「ねぇ玲王〜、俺玲王の為に走ったら疲れちゃった〜。おんぶ〜」
190cmのバブちゃんは千切のオネダリをバッサリと投げ捨て、自分の私利私欲を満たそうと玲王に近づく。玲王は
「確かにあれ結構激しかったし疲れたよな?ちょっと待ってろ。千切の応急処置だけしとく」
そういって玲王は簡単に千切の髪をポニテにして「部屋戻ったら続きするから」と、切り上げて凪をおんぶしようとする。玲王の肩に凪が触れようとした時、俺はいつの間にか玲王に触れようとしていた凪の手を振り払っていた。
頭の中は ? でいっぱいだし、なんで身体が動いたのかも理解出来ていない俺は、何故か気づいたら玲王をグイッと自身に引き寄せるように抱いていた。
「あっ!俺ら恋人だもんな!!悪いな潔!」
これ浮気だもんな!と、笑っている玲王を見て、俺は俺の中の何かがそれはもう熱く沸騰しそうになる。その瞬間本当に無意識で一瞬だけ、瞬きをした時には玲王の口にキスをしていた。玲王はボボッと音が出そうな程真っ赤になり、俺は俺で自分のやった行動が理解できず焦りながら顔を真っ赤に染める。
白ゴリラは再びサ○ヤ人に超進化し、千切は蜂楽をスタンドとして使い、ジョジョ立ちを決めて俺を睨みつけ、蜂楽は千切のスタンドなのに顔は可愛いままで、その可愛らしい顔に似合わずひっそりと綺麗に中指を立てており、俺に向けての殺意を現す。凛はムキッ、ムキッと音を立てて、どっかのキメラアントのネフ○ルピトーさんのようにふくらはぎを増長させて、今にも俺に殴りかかりそうな顔をする。
そんな4人を他所に玲王は真っ赤な顔で、俺の袖口をきゅっと摘み、涙でうるっとなった瞳で俺を見つめながらボソボソと呟くように唱える。
「俺……ファーストキスだったのに…」
その瞬間、4人が見たこともないような顔をして俺に襲いかかろうとガッとダッシュしてくる。俺はどっかの巨人を完全再現しながら玲王を横に抱えて走り出す。
後日、顔面をメタメタにやられた俺と、腰を抑えながら呻く玲王、サ○ヤ人化した反動で髪がありえないくらい逆だっている凪、ジョジョ立ちの影響か知らないが顔が濃いままの千切、中指を立てすぎたせいか中指を保護するように包帯が巻かれた蜂楽、ふくらはぎをヤってしまい一時的に車椅子になった凛。
と、なんともカオスすぎる状態の俺たちを見た烏と乙夜、士道、イガグリは呼吸困難となり、ブルーロックの医務室へ救急搬送されたせいで俺たちは1週間のサッカー禁止を命じられた。
コメント
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なんか…最後らへん見てたらギャグっぽく見えてくる…なんでだろう…なんでだろう…