あてんしょん 🦁
今回のお話は3話同じ話で、3話ごとに書く内容もカプも違ってくるので、毎回あてんしょんにカプ名を表記するので、よく見て苦手な人は逃げてください!!言いましたよ!!
と、言っても全部玲王受けなんで「玲王受けばっちこい!!!むしろ大好き!!」って方は楽しんでいってください!ひおりんの京都弁と烏の大阪弁よくわからなかったので、それぞれの方言メーカー?的なものでやってます!
○玲王総受け
○玲王愛され
○玲王受け以外のカプなし
○サッカーしてません
○ 口調迷子
○ネタバレ、捏造、キャラ崩壊注意
○配信者パロ
○玲王視点
それでもばっちこい!って方はどうぞ↓↓↓
“BLUEROCK”通称”青い監獄”
プロデューサー、絵心 甚八 率いる7人の配信者が主なメンバーで、今現在のネットニュースの話題のほぼ全てをかっさらっていく。そんな前代未聞の配信者たちが集まる場所、それがBLUEROCKである。
「おいおいよっちゃん笑 炎上した気分は如何ですか〜笑」
「にしても不覚だったよなwwまさかお母さんが登場した瞬間に暴言吐き散らかして、母親号泣させちまうとはなwww」
「しかもネット記事のタイトル【人気配信者ISAGI、ママンに渾身の暴言を聞かれ、ママンを最悪の意味で泣かせた男。マザコン風味も添えて】やでwwwwwwえげつないなwww」
「お疲れ様、次は記事にされへんように頑張ろな、よっちゃん笑」
「クッッッソ……お前らバカにしやがって…」
俺、千切、烏、氷織は次々に昨日の新聞でマザコン風味たっぷりにいじられた記事に書かれた友人兼、同僚の潔をこれでもかと楽屋でいじり散らす。
潔がムキーッと威嚇していたら、千切が「なんか猿みたいだな笑」と言ったせいで余計潔が猿になる。そしてそんな猿に声をかける優しさ満点のママはただ1人。
「まぁ潔、母親を大切にするのはいいが、今回みたいなことがまたあるのは良くねぇから、次回からは気をつけろよ?」
「ッ…!國神…!やっぱお前だけだよ俺の味方は…!!」
潔に抱きつかれる國神は、持ち前の包容力で潔を慰める。お前もママか!と、ツッコミたくなるが我慢する。なぜならその横でスタンバってる子供兼、蜂楽が今にも飛びつこうとして二次災害を巻き起こそうといたからである。そして飛び出そうとした時、ガチャリと楽屋の扉が開く。
「やぁやぁ、才能の原石どもよ」
そう言って現れたのは、プロデューサーである絵心 甚八である。彼はここに来る直前にカップ焼きそばを食べたのであろう、彼が入ってきた瞬間、カップ焼きそばの香りが一瞬だが俺の鼻腔をくすぐった。
「絵心さん、どうしたんですか?」
「もしかして昨日の潔の炎上配信のお咎め!?」
國神が突然の絵心の登場にオロオロしている中、千切は何故かわくわくと目を輝かせながら絵心を見つめる。その横で潔は炎上配信のことを思い出したのか胃を抑え込む。
「あー、全然違う。炎上についてはもう過ぎたことだからへーきでしょ、アンリちゃんが何とかしてくれるから」
絵心は実にあっさりと炎上配信のお咎めを否定し、自身の秘書である帝襟 アンリに事の後始末を任せるから〜と呑気そう言う。1呼吸あけて絵心はふーっと息を吐いて俺たちを見つめる。
「んじゃ、今回アンリちゃん直々にスカウトした新メンバーを紹介しに来たから適当にやっといて〜」
絵心はそんな爆弾を落として手をヒラヒラと振りながら楽屋を出ていく。突然の情報に理解が追いつかず俺たちは放心状態。そんな俺たちを無視するように再び楽屋の扉がノックされ、1人の女性が入ってくる。
「あれ?絵心さん?御影くん、絵心さん見なかった?今から紹介したい人がいるだけど…」
「あ……嗚呼…絵心さんなら特大爆弾置いて出ていきましたよ…新メンバーというね」
「えっ!?絵心さんそこまで説明しちゃったんですか?!私が迎えに行ってる間に!」
俺の言葉を聞いて、絵心 甚八プロデューサーの秘書である帝襟 アンリはぷんぷんと不満をグチグチと発する。
「あ、あの……新メンバーって俺たち突然過ぎて状況についていけてないんですけど…」
楽屋の中に拡がったやりずらい空気を壊したのは、BLUEROCK1期生の1人であるISAGI兼、本名潔 世一だった。
潔の困惑した表情があからさま過ぎたせいで、帝襟さんは「ごめんなさいっ!」と謝ってはいるが、絵心が消えたことに困惑しているのかワタワタと落ち着かない。
そんな帝襟さんの気も知らず、ISAGIと同じくBLUEROCK1期生メンバーのお嬢兼、本名千切 豹馬は時間が押しているからとメンバー紹介を急かすように言う。配信のことを言われて切り替えが出来たのか、帝襟さんはピシッと姿勢を整えて小さく「入って」と言うと、高身長3人組が入ってくる。
「えっと、まずは右から馬狼 照英くん。糸師 凛くん。凪 誠士郎くんです。皆さんの後輩になる子達なので仲良くしてあげてください!」
帝襟さんがテキパキと簡潔に新メンバーの紹介を終わらし、またまた小さな声で3人に向かって「簡潔に自己紹介お願いします!」とぽそぽそと呟くと、3人ともいかにも面倒くさそうな顔をするが、1番最初に紹介があった馬狼が口を開いた。
「俺は馬狼 照英だ。歳は18、現役高校生だ。お前らとは連むきはねぇ。よろしく」
「…糸師 凛。歳は16。こいつと同じく俺もお前たちと馴れ合う気は無い。最低限の接触で十分だ。」
「……。ん?ねぇ、これって俺もじこしょーかいしなきゃいけないの?めんどくさいんだけど」
他のふたりは不器用ながらも自己紹介をする中、1人だけスマホゲームをして俺たちを見ようとしないうえに、めんどくさいとあからさまに俺たちを見下すような態度をとる。
これには俺も『ここ一応、大手配信サービスの事務所なんだけどこんな従業員がやる気ないことあるのか…』と、ボケーッと考えるしかなかったが、周りの奴らはどうやら違うらしい。千切と烏と氷織は笑顔でにっこりと微笑んではいるが、その目の奥にはフツフツと湧きだっている怒りを感じられた。
一方、潔と國神は3人の顔を見てギョッとしていたが長年の勘で、「関わるべきでは無い」と判断して知らんぷりして目を逸らす。蜂楽は新メンバーにテンション爆上がりで、小学女児のようにキャッキャと楽しそうに俺の周りを駆け回る。
「凪くん、少しだけでいいからお願いできないかな…?」
なんとも居心地が悪い空間の中、必死にこの空気を打開しようと帝襟さんがお願い…と凪誠士郎に言う。流石にそんな帝襟さんを見て気分が悪くなったのか、スマホをポケットにしまうと小さな声で自己紹介をし始める。
「俺は凪 誠士郎。歳は……17。ダラダラ過ごしていきたいから面倒事はお断り。だから勝手に調子乗って話しかけてこないでよ?」
凪 誠士郎の一言により、完全にブチッという音をたてて理性の糸が切れた千切は、顔に似合わない「ヴォア゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!」と、いうどっかの初号機でも出せないような声を出し、今にも凪 誠士郎に殴りかかかろうとする。 流石にまずいと判断したのか、傍観していた國神と潔が力ずくで千切を止める。
そして、運悪く千切の波に乗って理性がプッチンしてしまった氷織もまたボキボキと指を鳴らし、どこからかメリケンサックを取り出してきたと思ったら、ボキボキと鳴らしていた指にはめて凪 誠士郎にアンパンチを決めようとするから、俺と烏で必死に止める。
その頃蜂楽は帝襟さんと仲良くおしゃべり。帝襟さんは蜂楽と話したおかげか、精神が安定して安堵の涙をうっすらと浮かべる。実にカオスすぎる状況だったからか、周りを見て段々と冷静になってきた俺、國神、潔、烏は千切と氷織を隣の空き部屋に落ち着くまで隔離して自己紹介の続きを開始する。
「えー…他の二人はちょっと落ち着かねぇから避難させたけど、これから仲良くやって行けるように頑張ろうな」
ISAGIとお嬢と同じく1期生のガマ兼、國神 錬介は苦笑いしながら3人を見つめる。
「初めまして、俺はISAGIって名前で、本名は潔 世一だ。主にゲーム配信とトークをメインでやってるかな。他のゲーム実況者と一緒にゲームやったりもしてるから機会があればやろうな。」
潔は実にいい感じの先輩風を出して挨拶をする。俺と烏、氷織を迎えた時の挨拶はガチガチになって上擦った声をしていたのに…と、思い出したせいでブッと吹きそうになる。隣を見れば烏も俺と同じく、吹き出しそうになるものを必死に抑えるように、頬をふくらませていた。
「俺はガマって名前で活動してる筋肉系配信者だ。本名は國神 錬介、歳は17。主に筋トレ配信メインで、トークしたり、蜂楽とダンスしたり、時々玲王と千切と一緒に料理配信してる。3人とも機会が合えば共演できるといいと思ってる。改めてよろしくな」
國神は俺たちを迎えた時もそうだが、優しく微笑みながら俺たちを歓迎してくれた。それが愛想良くしていた俺たちだからって訳でもなく、誰にでも同じように変わらず接している姿を見て、俺の國神への好感度は國神が知らぬ間にどんどん膨張していく。なんてこと考えていたら隣にいた烏が口を開いた。
「初めまして。俺はカラスって名前で活動してる君らの先輩さんや。本名は烏 旅人で、主な活動内容はトーク、ダンス。たまーに氷織の手伝いでゲームしとる。あ、氷織っていうのはさっき連れてったヤツや。仲良うしてくれよな」
烏のいい感じの挨拶が終わり、順番的に俺の番かと思い話そうとするが、左隣から「俺が話したい!!」という圧を感じとったので小さな声で「次言っていいぞ」と、譲ると嬉しそうに笑うので見てて苦にならない。そんな彼は実に楽しそうに自己紹介を始めた。
「初めましてだね!!俺はハチって名前で活動してる配信者だよ!本名は蜂楽 廻って名前でね、活動内容はダンスしたり、リスナーの皆と楽しくお話したり、潔達と一緒に合同配信したりしてるよ!3人も一緒にやろうね!」
蜂楽は心底楽しそうに自身と、メンバーについて語り、自然とほわ……と和やかな空気になっていく。蜂楽も國神、潔、千切と同じく1期生なのだが、先輩感がなく気楽に接していける所謂『癒し系』だ。蜂楽のおかげで炎上した翌日も元気になれる。BLUEROCKでは欠かせない存在だ。そんな癒し系配信者の蜂楽の自己紹介も終わり、とうとう俺の番かと深く息を吸って自己紹介を始める。
「初めまして。俺はREOって名前で活動してて、BLUEROCKで活動してる中では今のところ唯一顔出しをしてない配信者だ。本名は御影 玲王。活動内容は歌、ゲーム実況、トーク、料理配信、勉強配信とか色々やってる。皆と仲良くできるように沢山交流しような」
そう言い終わり、俺の自己紹介が終わったちょうどいいタイミングで、落ち着いた千切と氷織が戻ってくる。國神と烏が2人に自己紹介をするようにと言うと、何故か得意げに千切が口を開く。
「俺はお嬢って名前の配信者で本名は千切 豹馬。活動内容は歌、トーク、メイク講座だな。時々國神と玲王の料理配信に混ぜてもらってる。後は……皆で創作アニメ?みたいなの作って声あてして物語作ったりしてる。ま、よろしく。」
お嬢はその顔から想像もつかないほど淡白な自己紹介をし終え、氷織にバトンパスする。
「えっと、僕はひおりんって名前で活動してる配信者で、本名は氷織 羊っちゅうで。仲良うしてな。主な活動内容はゲーム実況、トークかいな?ほなよろしゅう」
氷織の自己紹介が終わり、無事メンバー顔合わせが済み、料理配信の予定だった千切と俺と國神は急いで事務所のキッチンへ移動し配信を始めた。
あとから聞いた話だが、あの3人はどうやら昨日やらかしたばっかりの潔と、事務所の中で唯一顔出ししないことで有名になった俺と、ゲーム実況が大人気である氷織の3人以外を知らないようだった為、アーカイブで3日間先輩の活動記録をひたすら見続けるという課題を絵心と帝襟さんから出されたそうだ。
こんなことを知った千切の理性は耐えられるはずもなく、本能のままに暴れ散らかしたせいでしばらく絵心の管理にお世話になったらしい。
らしいと言うのも、実はメンバー紹介の日以降千切達とは会っていないからだ。 あの3期生達には話せていなかったが、俺は総資産7058億円を誇る、『御影コーポレーション』の一人息子だからというのが関係している。
俺は配信者としても活動しているが、親には秘密にしているため、メインは御影コーポレーション次期社長としての勉強の方だ。これが、俺が顔出ししない理由なのだ。
『御影コーポレーション』の一人息子が呑気に配信者としてダラダラと歌ったり、料理配信したり、ゲーム実況したりすると会社の印象が大変悪くなる。
そんなことには絶対なってはいけないので、俺は配信の時は自身の顔が出ないように、毎回マスクと黒ぶち伊達メガネは欠かせない。プラス、少しでも通常時と印象を変えるために髪も縛り、黒目のカラコンも入れている。
こんな大掛かりな作業をしてやっと配信する俺だが、やはり大変で何度もやめようかと悩んだ。だが周りのサポートやリスナーからの声援があり、今日まで無事にここまで乗り越えてきた。おかげで登録者はBLUEROCKナンバー1になれた。
俺は特に固定した活動はしておらず、ゲーム実況やら歌やら、視聴者の勉強を教える配信、料理配信、メイク講座、楽器演奏、トーク、BLUEROCK自作共同アニメ、絵描き配信などなど、本当に色々な配信をしている。それが受けたのか、ぐんぐん登録者は今現在も伸びていた。
ちなみに2位は氷織で、3位は蜂楽だ。氷織は言わずもがなゲーム実況が高レベルなため、大人気となっている。蜂楽は持ち前の癒し系トークで視聴者を癒し、その癒しからは想像もできないほど華麗なダンスを披露するため、見事にナンバー3位となっている。
そんなこんなで慌ただしい日々を送っていると、事務所から全員集合の要請がきた。何事かと思い、急いで事務所に向かうと開口一番に千切の憤怒の叫び声が耳に入ってきた。
「キエエエァァァァァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!お前らア゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!」
なんとも耳に入れたくない叫び声だったが、要請が入ってしまったのでいやいや事務所の楽屋の扉を開く。
そこには千切がなぜか氷織愛用のメリケンサックを両手につけ、ソファーに欠伸をしながらゲームをする凪 誠士郎に殴りかかろうとしていた。
そんな千切を保護者の國神が必死に押さえつけ、潔が凪 誠士郎を宥め、馬狼が唾を撒き散らすなと怒り、氷織もまたダルそうな目をした凛に素手で殴りかかろうとして、羽交い締めにして烏が必死に止める。蜂楽は言わずもがなまだ来ていないようだ。
カオスすぎる楽屋に呆然と立ち尽くすしかない俺を見つけた潔がアイコンタクトで「早くこいつら止めろ!」といってくる。もう頭がおかしくなりそうな状況にため息をついた時、俺に気づいたのか千切が暴走を止め、俺に駆け寄ってくる。
「なぁ聞いてくれよ玲王!!こいつら有り得ねぇんだぜ?!」
「へ、へぇ……何が有り得ねぇんだ…?」
「それがさ〜!!」
千切が言うにはこうだ。
先に 来ていた凛と凪に向けて、一緒に雑談しながら事務所に来ていた千切と氷織が挨拶をするも2人は目も合わせず無視。
聞こえなかったのかと思い、もう一度挨拶すると凪が「しつこい」と言い放ち2人を一瞥しゲームをし始める。2人はこの瞬間ブチッときたらしいが耐えて、凛に向けて挨拶すると凛は「お前ら誰だ?」と言ったせいで千切と氷織はプッツン。
ちょうどプッツンした時に運悪く居合わせてしまった潔と國神が2人を止める。あとから烏と馬狼が来て惨状を理解した烏が、潔の拘束から抜け出そうとしていた氷織を確保。そしてしばらくしたら俺が来た、というわけらしい。
俺は千切の話を聞いて苦笑いしながら、お土産に持ってきた高級プリンを暴走していた2人に分け与え、見事にプリンを食べて落ち着く。その間に他のメンバーにもプリンを分け与え落ち着かせてリラックスさせる。そうこうしていると蜂楽が来て「俺にもプリン欲しい!」とオネダリしてきたのでプリンを渡す。
プリンを食べている時は重苦しかった空気が和やかになり、馬狼とプリンの礼を言ってきてくれたついでに交流を深めるため話をする。
意外にも馬狼は顔ににつかず掃除が好きらしいので、おすすめの掃除道具を教えてやると目をキラキラ輝かしてメモする始末。歳は馬狼の方が上だが見ていて楽しいのでほっこりする。今度おすすめのカビ取り剤と高圧家庭用洗浄機をあげると言うと、それはもう嬉しそうに目を輝かす。
馬狼とは仲良くできそうだと思っていたところでまた問題はやってくる。馬狼と雑談していると、何だか背後でプリンを食していた凛達が騒がしくなってくる。何だ何だと後ろを振り向くと、凪と凛がお互いの胸ぐらを掴み取っ組み合いの体制になっていた。すかさず潔と國神が止めに入るが、2人には目もくれず威嚇し合う2人。
何が原因だ?と、冷静に考え2人の周りを見渡してみるも何も無い。理由もわからないため下手に突っ込むのは良くないと判断し、放置しようと決めて馬狼との雑談を続ける。
安全地帯と判断されたのか知らないが、蜂楽がプリンを食べながら俺たちの方に駆け寄ってきたので、甘んじて受け入れる。 「何呑気にプリン食ってんだよ!何とかしろ!」という、視線が突き刺さってくる気がするが無視して楽しく雑談する。
俺と蜂楽、馬狼、何故か加わってきた千切の4人で雑談をしていると、背後から6人の視線が突き刺さってくるように感じたがフル無視ですっとぼける。
せめて関わらないようにと会話に意識全振りしていたら千切がいつの間にか隣にいた馬狼の位置を奪い、俺の隣に来て髪の毛を丁寧に掬っていた。
「あれ?玲王、お前シャンプー変えた?いい匂いする」
「あーっ!ほんとだ!玲王っちの匂い変わってる!ん?うーん…これ何の匂い?」
「ゲッ……なんでわかんだよお前ら……あと今回のシャンプーは金木犀のエキスが配合されたやつ」
俺の隣についさっきまでいた馬狼は隅に追いやられ、可哀想だと思った俺は馬狼に会話を振ろうと移動しようとしたが、両隣からガシッと腕を掴まれて逃げようにも逃げられない。
「ちょっ、ちょちょっ、なんで掴むんだよ!」
「別に良くね?てか今度のコラボ何する?また自作アニメ作っちゃう?」
「えー、それは先々週やったから別のにした方がいいんじゃない?あ!ちぎりんとひおりんの恋する乙女の恋愛相談コーナーとかどう?!」
「「それはない」」
蜂楽の案に千切と俺が息ぴったりにバッサリと捨てる。
「恋愛相談だと極端に出来るやつとできねぇやつで別れるから却下」
「俺みたいに姉ちゃんとか、モテた経験があるならいいけど潔とか無理だろ」
「あー……確かに〜♪」
「納得すんなよ!」
俺たちの突然のdisりにより反応した潔がこちらにやって来て会話に参加する。
「じゃあ次のコラボ何する?」
千切が代換え案を潔に要求すると、潔はうんうんと頭を捻って考え出すが一向に考えが浮かばないみたいだ。なので俺が新しく皆でやるものを考えようと提案しようとした時、全く喋らなかった1人が声を出す。
「何も案がないなら俺はゲーム作りたい」
突然口を開いたのは、ついさっきまで凛と取っ組み合っていた凪 誠士郎だった。提案してきた割には彼はいかにも無気力そうな顔つきで頭をかいていた。
「ゲーム…おう!!いいな!どんなやつにする?ジャンルは!?」
俺は「ダルー」と、口にしそうなほど気だるげそうな彼に近づきグイグイと迫る。
「……。レオは何がいいと思う?」
凪は一瞬黙り込んだが、眠そうな目をしながら俺に問いかける。
「うーん…そうだな…王道はホラーゲームとかでいいと思うんだけど、ここは一変して乙女ゲームってのはどうだ?!」
「「「「「「「はぁ?!?!」」」」」」」
俺の言葉にその場にいた千切、凛、潔、國神、烏、馬狼は驚きを声にする。
「乙女ゲーム…いいんじゃない?」
「俺もいいと思う!ところで玲王っち、乙女ゲームって何?」
7人の驚きの声を無視し、凪と蜂楽は俺の案に賛成の声を漏らす。
「乙女ゲームってのは恋愛ゲームの一種で、 好みのキャラクターと恋人同士になるまで攻略するゲームのことだ。」
俺は蜂楽の疑問にこたえると蜂楽は「へー!面白そうだね♪」とワクワクしていた。俺はまだ何も発言していない氷織の方へ視線を寄越すと、氷織は綺麗な顔でにっこりと微笑みながら口を開く。
「僕はあんまり乙女ゲームはプレイしたことはあらへんけど、視聴者にウケそうやし玲王くんの案に賛成やわぁ。何より面白そうやしね」
「だろ!?流石氷織!わかってんじゃん!」
俺はクスッと楽しそうに微笑む氷織の頭を、これでもかという程にわしゃわしゃと撫でて肩を組む。氷織は照れくさそうに笑うものだから庇護欲が掻き立てられる。
「乙女ゲーム作るとしても攻略対象とか、主人公の設定とかあるだろ?それはどうすんだよ」
「まさかだけどBLUEROCKメンバー全員の攻略ルート作るとか言わねぇよな…?」
氷織が賛成したことに焦りを覚えたのか、國神と潔が自身の心配事をポロポロと話し出す。そんな2人に俺は大丈夫だと言うことを伝えるために、優しめの声色で告げる。
「大丈夫だって!ちゃんと前編と後編で全員のルート作る予定だから安心しろよな!誰1人省いたりしねぇから!そうだな…主人公は氷織でいくか?それとも千切か?どっちがいい?」
俺の答えに感動したのか國神は膝から崩れ落ちて天を仰ぐような姿勢をとり、潔は顔面を手で押えて必死に感動を抑えているのだがホロホロと涙がこぼれ落ちる。千切は何故か疲れきった顔をしており、氷織は「僕じゃない方がウケるで」と首を横に振りながら懸命に自身の意見を訴える。
「よし!!じゃあとりあえず乙女ゲーム制作で決定でいいよな!!これなら絶対視聴者にウケるし登録者も増えるだろ?!な!いいよな!」
俺が皆に問いかけると、蜂楽と凪、氷織以外は何故か虚ろな目をしながら静かに頷く。蜂楽と凪、氷織はそれぞれ
「うん!!楽しみだね♪」
「おっけー。」
「楽しみやな〜!」
と、いい反応をしてくれた。
そして俺はそんな3人の期待に応えるために、心の中で静かに闘志を燃やしていた。
次回!- ̗̀📣
『ゲーム制作は波乱の予感!!(玲王総受けでお送りいたします!)』
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