きんときに近づくと猛烈な鉄の匂いで気分が悪くなる
それでも、こいつを放っておくわけにはいかない
スマイル「何があったんだよ…お前、上位の悪魔なんだろ…」
きんとき「…ははっ…油断、しちゃった」
きんときの息は荒く、顔色も青ざめている
一刻も早く治療しないとヤバイということは、医学の知識がない俺にも分かった
スマイル「とにかく手当てを…ッッ!?」
止血をするためにきんときが来ていたジャージを脱がすと、左腕が、なくなっていた
スマイル「きんとき…ッ、腕…」
きんとき「…あぁ、切り落とされただけだよ…。気にしないで」
ブルーク「…一応周り、警戒しておくね?」
スマイル「ぁ…うん。ありがとう、ブルーク」
ブルークは優しく微笑んだ後、空へと飛び立った
きんとき「…彼が、スマイルの使い魔?」
スマイル「…そう」
傷口を押さえ止血をしようとしているが、血が止まらない…ッ
きんとき「…もう良いよ。俺は手遅れ」
「スマイルが殺したことにすれば良いんじゃない?…そうすれば、報酬貰えるんでしょ?」
スマイル「ッッ、ふざけるなッ…!」
怒鳴られると思っていなかったのか、きんときは目を丸くした
きんとき「スマ…」
スマイル「なんでそんな簡単に諦めるんだよ…ッ…それとも、お前には俺が報酬のために動いてる奴だと思ったのか?」
きんとき「ちがッ、そう言うつもりじゃ…」
きんときはひどく怯えた表情で俺を見つめていた
そんな表情は見たくなかった…
いや、そんな表情を”させたくなかった”
スマイル「…なんでお前はあの時俺を殺さなかった…なんで…ッ、優しくしたんだよ…」
きんとき「…ぇ?」
急に質問が変えられて動揺しているようだった
俺もなんで今この質問をしたのか分からない…けど、これだけは聞きたかった
スマイル「お前にとって俺は…なんなんだよ…」
数秒の沈黙の後、きんときは俺の事を抱きしめた
その手は震えていて、耳元では微かに嗚咽も聞こえた
スマイル「…なんでお前が泣いてるんだよ…w」
きんとき「…うるさい…ッ」
しばらくして落ち着いたのか、きんときがゆっくりと話し始めた
きんとき「…初めて会った時は、殺そうとしたよ…。でも、スマイルの顔があまりにも綺麗で…」
不安なのか、怖いのか、きんときの手はずっと震えていた
それを落ち着かせたかったのか、いつの間にかきんときの頭を優しく撫でていた
きんとき「…スマイルの事がもっと知りたいと思った…。だから、家に乗り込んだ」
スマイル「…うん」
きんとき「名前だけ聞くつもりだったんだけど…だんだんいじめたくなって…」
スマイル「…それはおかしくない?」
きんとき「…ふふっ、おかしかったんだと思う」
「…会えてなかった時も、ずっとスマイルの事が頭から離れなかった…」
段々と顔が熱くなってきた
…こいつ、自分が恥ずかしいこと言ってるの気付いてるのか…?
きんとき「…でも、拒絶されるのが怖かった…。”また”俺の前から誰かがいなくなるのが嫌だった…」
「…だから、俺を殺して?」
「スマイルにだったら、殺されても良いよ…。俺の事、嫌いなんでしょ?」
綺麗な青色の瞳からこぼれ落ちる涙は、とても綺麗で…
涙を流す彼は、とても辛そうで…
俺はきんときの事を抱きしめ返した
きんとき「…ッ、離してッ…殺してよ…ッッ」
スマイル「…初めて会った時の印象は最悪だったけど、俺もいつの間にかきんときに惹かれていってたんだと思う」
「俺もお前の事をもっと知りたいと思った」
「…ねぇ、きんとき」
「俺と、”契約”してくれないか?」
コメント
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スマさんからの一言がまさかすぎる一言でふぇ!!!ってなりました!!!!! さいっっっっっこうですーーーーーーーーー!!!!!!