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#そのじん
笑う門には福来る
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#nmnm注意
nanana

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その頃。
勇斗は柔太郎と一緒に仕事を終え、控室へ戻っていた。
「お疲れ」
「お疲れ、はやちゃん」
ようやく一息つき。
二人はそれぞれ、スマートフォンを手に取った。
勇斗は届いていた連絡を確認する。
柔太郎は何気なく、M!LK公式のInstagramを開いた。
投稿に寄せられたファンのコメントを読むのが、柔太郎は好きだった。
いつものように。
何気なく画面をスクロールする。
「……あれ」
小さな声が漏れた。
勇斗がペットボトルの蓋を開けながら顔を上げる。
「どうした?」
「いや……」
柔太郎は画面を見つめたまま、何度かスクロールした。
「なんか、コメント変じゃない?」
「コメント?」
「うん。ちょっとこれ」
差し出されたスマートフォンを、勇斗が覗き込む。
そこには。
いつものような感想とは明らかに違う言葉が並んでいた。
『これからもM!LKを応援しています!』
『二人とも幸せになってね』
『勇斗くん、仁人くんを幸せにしてあげてね!』
『M!LKはずっと5人でいてください』
『二人とも大好きです』
勇斗の眉が寄った。
「……何これ」
「俺も分かんない」
柔太郎も首を傾げる。
「開いたらこうなってた」
勇斗はスマートフォンを受け取った。
ゆっくり。
コメントを遡っていく。
『勇斗くん、仁人くん泣かせたら許さないからね!笑』
指が止まる。
「……仁人?」
さらにスクロールする。
『仁人くん、勇気出してくれてありがとう』
『あんなに緊張してたのに頑張ったね😭』
『途中から安心して泣いちゃうの可愛すぎた』
勇斗の表情が変わった。
「……泣いた?」
柔太郎も画面を覗き込む。
「何かあったのかな」
「いや……」
勇斗の胸が。
ざわつき始める。
何だ。
何の話をしている。
そのまま。
もう一つ。
コメントが流れてきた。
『勇斗くん、毎日あんな可愛い子見てるのずるい!!』
「……は?」
思わず声が出た。
柔太郎が隣で吹き出す。
「何それ」
「俺が聞きたいんだけど」
さらに。
『勇斗くんだけ“じん”って呼べるのもずるい😂』
勇斗の指が。
完全に止まった。
「…………は?」
今度は。
さっきより低い声だった。
柔太郎も固まる。
「……じん?」
「……」
『恋人特権強すぎる笑』
『私たちはダメなのに勇斗くんはいいんだ😂』
『あんな可愛い仁人くん独り占めしてたなんて!』
『勇斗くん、じんをよろしくお願いします!』
「……」
勇斗は何も言わなかった。
言えなかった。
柔太郎が。
ゆっくり勇斗を見る。
「……はやちゃん」
「……うん」
「これ」
一拍。
「どういうこと?」
「俺も今、それを知りたい」
声は冷静だった。
けれど。
勇斗の頭の中では。
いくつもの言葉が繋がり始めていた。
――二人とも幸せになって。
――仁人くん、勇気を出してくれてありがとう。
――勇斗くんだけ“じん”って呼べる。
そして。
――恋人特権。
まさか。
いや。
そんなはずはない。
自分たちは。
誰にも言わないと決めていた。
それに。
昨日まで仁人は。
自分の未来を守るためなら別れた方がいいとまで言っていた。
今日。
ようやく。
別れなくてもいいと言ってくれたばかりだ。
その仁人が。
まさか。
自分から――。
「……」
胸がざわつく。
嫌な予感なんてものじゃない。
もう。
答えはほとんど出ていた。
それでも。
認めたくなかった。
その時だった。
柔太郎が何かを思い出したように顔を上げる。
「そういえば」
「……何?」
「さっき通知で見た気がする」
勇斗が柔太郎を見る。
「仁ちゃん、インスタライブしてたよ」
その一言で。
勇斗の動きが止まった。
「……ライブ?」
「うん」
「いつ?」
「さっきじゃないかな」
予告もなく。
今日。
このタイミングで。
仁人が一人でライブ配信をする。
その理由なんて。
一つしかない。
「……嘘だろ」
勇斗は自分のスマートフォンを手に取った。
仁人のアカウントを開く。
指が。
わずかに震えていた。
そして。
画面に残された文字を見て。
完全に固まった。
『ライブ配信のアーカイブ』
「……まじかよ」
小さな声が。
控室に落ちた。
柔太郎が隣から画面を覗き込む。
「見る?」
「……見るしかないでしょ」
勇斗は再生ボタンに指を置いた。
けれど。
押す直前。
一度だけ止まる。
仁人。
お前。
何したんだよ。
胸騒ぎは。
もう。
確信に変わり始めていた。
コメント
1件
あら、勇斗くんが自分の目で見ちゃったんだね…!あの賑やかなコメントの数々を読んでる時の勇斗の困惑が手に取るように伝わってきて、こっちまでドキドキしたよ。特に「じん」って呼んでるのバレた時の「…………は?」がすごくリアルで、思わず笑っちゃったけど、その後の沈黙が切なかったな。自分が知らないところで仁人くんが何かしちゃったって確信しちゃった勇斗の心情、重いけどすごく丁寧に描かれてた。次が気になる…!