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えっ、そこからシュート?
「スモールフォワード」の龍聖君、ロングシュートが得意だったけれど……
お願い、届いて……入って!!
「ゴール!!」
「うわ、マジか! その距離から入れるって相変わらずすごいな!」
龍聖君、高校時代のシュートと何も変わっていない。
本当に……カッコ良くて、ドキドキが止まらない。
「龍聖ヤバいわ。今からでもプロとしてやっていけるんじゃないか?」
「止めろよ、無理に決まってるだろ? 正直、届いてホッとしてる」
「ご謙遜を! おーし、次は俺がシュートする! 俺の勇姿を彼女に見せたかったな~」
「お前じゃ無理だろ、彼女が来てなくて良かったな」
仲間達の笑う声、思いっきりはしゃぐ子どもみたいで、私には……あの頃のみんなが重なって見えた。
胸にしまったままだった思い出のアルバム――
そこから、バスケ部のユニフォームを着たみんなが笑顔で飛び出してくる。
とっても初々しくて、若くて、未来ある若者達。
何だかすごく懐かしくて泣けてくる。
日が沈みかけ、何ともいえない美しい夕陽が私達を包み込んでいる。濃厚でキラキラしたオレンジの中、青春時代に戻ったみんながすごく素敵に映った。
私は……
もうすぐママになる。
高校時代の大切な思い出を胸の中に抱きながら、これから先も、龍聖君との日々を生きていく。
新しい命を迎え、家族3人で未来に向かって歩んでいくんだ。
今まで本当にいろんなことがあったけれど、全部がここに繋がっている気がする。どれもこれも大切なことで、嬉しいことも、悲しいことも……何ひとつムダじゃなかった。
素直になれず、相手を思うがゆえにすれ違っていた時間さえも、全部意味があったんだ。
これから続く道の先、今はまだ何も見えないけれど、龍聖君がいれば何も怖くない。
だから、お願い、私を離さないで……
いつだって、一緒だよ。
『琴音、俺はお前が好きだ。俺が持ってるたったひとつの愛は、死ぬまで琴音のものだ。だからお前の愛も……俺だけのもの。この「愛」は、絶対誰にも渡さない』
あなたはそう言って、本当の「愛」をくれた。
そんなあなたに、私は心から永遠を誓う。
フッとまぶたの裏に浮かんだ高校時代の2人。
制服姿のまだ子どもだった私達。
あなた達に言いたいよ、「大丈夫。将来、必ず2人は結ばれて幸せになれるから」と――
ねえ、龍聖君。
私のこと、高校時代からずっと好きでいてくれてありがとう。
私も、ずっと龍聖君のこと、大好きだったよ。
そして……
これからもずっと、ずっと、ずっと……
私は、あなたのこと、世界で1番愛してる。