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午前中の外来が終了し、診察室ではいつものように皆でお昼の準備を進めていた。
「あ! やばい!!」
突然、勇斗が頭を抱えて叫んだ。
デスクの上の書類を慌ただしくひっくり返し始める。
「どしたん佐野さん。朝から大声出して」
太智がフランクに覗き込み、仁人も呆れ顔でため息をつく。
「循環器内科への紹介状! 12時までに回さないと午後の枠埋まるって言われてたのに、問診に熱中しすぎて完全に忘れてた……! 今から走っても間に合うか、?」
ガタッと椅子を引いて走ろうとする勇斗に、舜太がふと診察室を見回しながら言った。
「あ、それやったらさっき柔が『ちょっと内科行ってくる』って出て行ったで?」
「え? 柔太朗が?」
勇斗はすぐに診察室を飛び出した。
廊下を慌ただしく走り、循環器内科の受付へと向かう。
受付の少し手前、静かな廊下で、書類の控えを手にした柔太朗が歩いているのをを見つけた。
「柔太朗!」
勇斗が駆け寄ると、柔太朗は少し驚いたように目を丸くして振り返った。
「……勇斗? どうしたの、そんな息切らして」
「お前、もしかして……循環器の紹介状、出しにきてくれた?」
柔太朗は自分のポケットからスッと紙を取り出すと、それを勇斗に差し出した。
「うん。はやちゃん紹介状のこと忘れてそうだったから。カルテの要点だけ拾って、俺が清書して受付に回しておいたよ。はい、受領印」
自分のうっかりを誰にも言わずに、黙って裏でスマートにカバーしてくれていた柔太朗。
「柔太朗ぉぉぉ〜〜〜っっ!!」
「うるさい!廊下だから静かに!」
感極まった勇斗がガシッと抱きつくと、柔太朗はと呆れ顔で文句を言う。
「お前マジで最高!ありがとう柔太朗!!」
「……はやちゃんがうっかりしてるからでしょ。ほら、みんな待ってるから戻ろ」
柔太朗はふっと目元を緩め、勇斗と並んで診察室へと歩き出したのだった。
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