朝鮮戦争・改

時は2001年9月11日――世界が変わる日となった。

アメリカの象徴的な建造物、ニューヨークのワールドトレードセンター。摩天楼がそびえる都市の中で、人々はいつも通りの日常を過ごしていた。だが、静かな日常は、まさに一瞬で地獄に変わった。

朝の澄んだ空を切り裂くように、1機の旅客機が異常な速度でマンハッタンの空を飛んでいた。その軌道は、明らかに通常のフライトパスとは異なり、ビル群へと向かっていた。

9時46分。人々が目撃したのは、燃え盛る炎と崩れ落ちるビルの光景だった。第一機がワールドトレードセンターの北棟に激突し、恐ろしい爆発が発生。オフィスビルは瞬く間に火に包まれた。だが、それはただの始まりに過ぎなかった。

20分後、第二機が南棟に激突。世界が震え上がる映像がリアルタイムで報道され、恐怖は広がっていった。現実離れしたこの出来事に、全世界が一瞬で注目することになった。

この突然の攻撃に、政府は大混乱に陥った。だが、テロ攻撃では終わらなかった。陰で糸を引いていた勢力が存在していたのだ。

「これが始まりだ。」

暗い部屋の中、スクリーン越しにその様子を静かに見守っていた男――その名は三輪。世界の歴史に介入し、倭を中心にした新しい秩序を築こうとする彼の影は、この破壊的な事件にも関わっていた。一度、伊吹丸との戦いで死んだはずだが、自らの右足を捧げて何者かによって復活した。

三輪の計画は、9.11をアメリカへのテロ攻撃としてではなく、世界秩序を根底から揺るがすための序章とすることだった。彼は世界を見渡し、次なる動きを考えていた。倭がアジアを支配したように、世界全体を掌握するための布石を着実に打っていたのだ。

「今こそ、アメリカの時代は終わりを告げるべきだ。」

彼の冷たい目には、破壊と混乱の中で新たな世界秩序を築くという野望が映っていた。

9.11をきっかけに、アメリカはテロとの戦いを宣言し、戦争の火種が中東へと向かうことになる。だが、それはあくまで表向きの話に過ぎない。裏では、三輪率いる勢力がその力を拡大し、次の段階へと進んでいた。

アメリカ政府の中枢にまで食い込み、情報操作や裏工作を駆使して、世界各地で反乱や暴動を引き起こす。混乱に乗じて、倭と共に新たな帝国を築こうとする動きが加速していった。

しかし、まだ誰も気づいていなかった。三輪の狙いは、単なる混乱や破壊ではなく、全世界を一つの力のもとに統治することであり、その野望は一国どころか、全大陸を巻き込むものだった。