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私とシャルルダルク様は愛の告白をしたものの、どうも照れ臭くて、ラブラブにはなれなかった。
それに、バルサック様が王として即位される事が決まり、シャルルダルク様も外交やら財務やらで忙しかった。
私は相変わらずヨレヨレのワンピースを着て、髪をテキトーにまとめて、化粧もせず薬部屋を走り回っていた。
サリーはそんな私に呆れ過ぎて、止める気配もなく、私は思いっきり薬草の調合に励んだ。
そんな中、バルサック様がお越しになられた。
私は一応、ワンピースの襟元を正して、部屋に戻った。
「おぉ、マリーナ。
相変わらず薬草に凝っておるようだな。」
「バルサック様、いえ、バルサック王、御即位おめでとうございまする。」
「はっはっはっ!
まだ、即位式は3日後ぞ。」
「しかし、もう王の風格があるようにお見受けしまする。」
「そなたは持ち上げるのがうまいな。
しかし、そうでも無いぞ。」
「と、申しますと?」
「ふむ。
どうも不眠気味なのだ…」
「不眠…でございますか。
それは、即位の事と関係あるのでございますか?」
「あぁ、何度も即位式で失敗する夢を見ておる。」
バルサック様は言う。
「食欲はございますか?」
「それも…
あまりだな…」
「では、加味帰脾湯という薬を出しまする。
少々お待ちくださりませ。」
「それはどのような薬なのだ?」
「おそらくバルサック様は即位式のプレッシャーが大きく、心が不安定になっているため、夢を見るかと思います。
この加味帰脾湯は心の不安を取り、イライラを鎮め、ぐっすりと眠れるようになるのでごさいます。」
私は説明する。
「おぉ、まさに!
余にピッタリだな!
そなたの知識は相変わらず素晴らしいな!」
「ありがとうございまする。」
そして、私は薬を処方した。
そして、バルサック様と入れ替わり、シャルルダルク様がやってきた。
「兄上はどこか悪いのか?」
シャルルダルク様は言う。
「患者様の情報はお話できませぬ。」
私はピシャリという。
「そなた、恋人が来ておるのに、まったく…
可愛げのカケラもないな。」
「無くて結構にございます。」
「はぁ…
しかし、せっかく両思いになったのだ。
明日デートせぬか?」
「かまいませぬが…」
「よし、じゃあ、10時に迎えに来る。
薬草取りに行くような格好をしておれ。」
「?
はぁ…」
そんな格好でどこに行くのか?と思ったが、シャルルダルク様はそれだけ言うと、さっさとどこかに行ってしまわれた。
可愛く無いのは、お互い様ではないか。
しかし、両思いになって初のデートである。
少しは素直になっても良いのだろうか?
ふと、そう思った。
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