side渡辺
いつも通り、仕事を終え、家に帰ってくる
「ただいま……」
でも、いつもと違って、小声で言う
収録が予想以上に押して、終わったのは22:00頃になってしまった
収録のあとは雑誌の撮影
結果、深夜に帰ることになってしまった
きっと、彼は寝てるだろうから、起こさないようにそーっと入る
リビングに行く扉を開けると、電気がついていて、
つけておいてくれたのかな?とか思ってたら
ソファーに彼が座っていた
「っえ、」
「おかえり」
そう言って、いつものように笑顔を見せてくれる
「なんで起きてんの」
「翔太に会いたかったから」
よくもまあ、そんな言葉がするすると出てくるものだ
「あっそ、」
「ご飯食べてきた?一応作ったけど」
「まだ、」
「食べる?それとも寝たい?」
「食べる」
「はーい」
にこにこしながらキッチンに向かう
俺は洗面所に行き手を洗う
リビングに行くと箸が2セット並んで置いてあった
「はい、どーぞ」
「涼太、」
「ん?」
「まだ食べてないの?」
「やっぱ、好きな人と食べたいからね」
「……」
俺は恥ずかしくなって、食べ始める
「ん、うま」
「良かった」
美味しい料理を作ってくれる人がいる
帰ったら”おかえり”って言ってくれる人がいる
でも、そんなことは当たり前にあることなんじゃないのかもしれない
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ある日、自分たちの冠番組の収録があった
収録の前に楽屋でみんなで談笑している
すると、涼太がトイレに行くと言って廊下に出た
30分ぐらい経っても涼太は帰ってこない
「なぁ、さすがに遅ない?」
20分ぐらい経った時からそわそわしていた康二が言葉にする
誰かが言葉にすると、もう止まらない
「大丈夫かな…?」
「…大丈夫でしょ…」
すると、楽屋のドアが開く
涼太かと思ってみんなで見る
そこにいたのは
「みんな、落ち着いて聞いて」
青ざめた顔をしたマネージャーだった
救急車の音がする
「宮舘くんが倒れてて……」
「ッえ……」
「今、救急車が来て、病院に行くところ」
みんな、信じられないというような顔でマネージャーを見る
「だから、これからの収録は宮舘くんなしで…」
「なしでなんて、できるわけない…」
照が泣きそうな声で言う
だって、
「俺らは、9人でSnowManなんだから」
ふっかがマネージャーを真っ直ぐに見る
「…うん、そうだったね」
「今日の収録、これからのみんなの仕事はなんとかする」
「みんなで、病院行く?」
マネージャーの問いかけに間髪入れず、みんなで頷く
「分かった」
そして、俺らはみんなで外に出た
照の車にふっかと俺が乗りこむ
佐久間の車は阿部と目黒
康二の車にラウールが乗って病院に向かう
照が運転する車の中は、ひどく静かだった
一言も話さず、ただ、俺は外を眺めていた
道を歩いている人の中には仲良さそうに歩いている家族
笑いあっているカップル
色んな人達がいた
共通項として、みんな、幸せそうだった
みんな、笑顔で輝いていた
俺らと違って___
ふっかを見ると、同じように外を見ていた
ただ、どこか上の空で、目に光がなかった
病院につくと、みんな着いていた
合流してもみんな無言で、ただ、足を進めるだけだった
涼太は検査中らしく、俺らはロビーで待っていた
途中、俺らの元に近づいてきた人達がいた
涼太の家族だった
母親と妹たち
涼太の検査結果を聞いてきたみたいで、俺らに教えようとしてくれた
でも、涼太のところに行っていたらしい父親が、それを止めた
涼太が呼んでいると言い、涼太の家族は涼太の元へ行った
一応、涼太は大丈夫らしいということで俺らは一旦解散することにした
家に帰っても、誰もいなかった
今まで、そんなことは何度かあった
涼太が仕事で遅くまで帰れない時
それでも、待っていたら必ず帰ってきた
仕事を少し巻いて、俺のためだとか言って
でも、今はいないことが分かっている
正直言うと、寂しかった
涼太の姿を見ないまま寝るのは、寂しかった
「早く、帰ってこいよ……」
そんな声も暗闇に溶けていった
『はいオッケー!』
声がかかると一気に部屋が明るくなる
スタッフさんがいる中で涼太を探す
「すごいね、翔太」
「ぅぉわ!!!」
急に背後から声をかけられたらびっくりする
涼太はしーって言ってるけど、お前の責任だからな
「ラブラブですねぇ」
ラウールがニヤニヤしながらこっちに来る
「んだよ」
「いやぁ?」
ラウールは、なんか嬉しそう
……なんだろう。ラウールが腐ってる気がする
とうとうSnow Man全員が腐ったのか
ラウール、今ならまだ間に合う
腐り切る前に抜け出せ
そんなラウールは見たくない
コメント
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うわぁ、神だぁ、、
あの…まさかまさかのまた戻ってきて号泣民です←え?
好きすぎて泣いた😭…