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NIKITA
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意味がわからないくらい季節外れですが、とある動画を見てうぶうぶバレンタインjndiを書きたくなっただけです。アンケートのシチュも地道に書き上げております…!すみません…泣。
nmmn、sojn
上記の言葉の意味がわからない方は閲覧ご遠慮ください。
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「吉田さん」
「うん?」
「あんさ、今日さあ、バレンタインやんなあ!!!」
「…………あーーー……」
バレンタインだなんて浮かれに浮かれまくったイベント、頭から完全に飛んでいた。コイツはなんでこんなしょうもないこと覚えてんだ。相変わらずどこまでも変なやつ。あれか?某テーマパークでそういったイベントでも行われるのだろうか。あり得るな。太智はどこまでも無邪気なやつだから、俺がどうでもいいことだって頭に入っているんだろう。覚えている理由はどうでもいいとして、まずなんで急に俺にそんなこと言ってきたんだろう。こんなこといちいち考えてるなんて人生楽しくなさそう?うるせえ!
「仁ちゃんはさあ、誰かにチョコ渡すん? 」
「いや、そもそも忘れ「そうやんな!!!!」
早えよ共感に入るのがよ。ていうかお前がいうなよ。お前だって独り身のくせに。え、もしかして違うの?俺だけ?嘘じゃん。マウント取られてんの俺。あり得ねー。なんて一人で悶々と考えながら眉間に皺を寄せていると、太智は調子のいい笑顔で語りかけてきた。俺はこの笑顔にめっぽう弱く、いつも絆されてしまう。いや、マウント取られそうになってんだぞ俺。よし、気引き締めろ。流されたらこいつの思う壺だし。
「俺にさ、バレンタインくれない?」
「え?全然嫌だね」
「はあ!?えっ、うそやん!」
「なんでお前のためにわざわざ買いに行かねえといけねえんだよ」
「作ってくれてもええんよ!?」
「馬鹿野郎もっと手間だろ!(笑)」
まさかのお願いだった。やっぱりあれか、コイツも独り身で、寂しくなったんだな…。可哀想に。かと言って俺からもらうバレンタイン嬉しいか?こんな長年一緒にいて、友チョコ中の友チョコみたいなもんっていうか、それでいいのか?もっと虚しくなりそうだけど。とりあえずめんどくさいのは事実なので、普通に断る。ムッと口を尖らせ、俺のことを見ている。そんな顔してもなんも出ねえぞ。
「わかった、なら、そうや、お金!お金出すからさあ、買ってきてくれん?」
「おま……そこまでしてなんで俺から貰いてえんだよ!(笑)だっはは!(笑)」
あまりにも必死な様子の太智に笑いが込み上げてきた。急に爆笑し出した俺にぱちぱちと目を瞬かせ、なんで笑うねん!本気やねんぞ!なんてぶーぶー不満を言っている。それすら笑えてきて、かれこれ三分ほどツボにハマっていた。その様子を太智はずーっと不満気に見つめていて、流石に真面目に取り合ってやるかと気持ちを落ち着かせた。
「ふー……(笑)……っ(笑)ん、うん。わかった、もう、よく分かんねえけどイイよ、あげるから」
「………!!ほんまに!?仁人ってやっぱり優しいなあ〜〜〜♩」
はいお金!と呆気なく手に札を置かれ、どんだけ高いもん頼む気なんだよ、と少し驚いた。しかし、特別これがイイと言った意見がないどころか仁ちゃんのセンスに任せるな!なんて言われてしまった。俺のセンスなあ…。そこまである方ではないと思うし、少し困ってしまった。そうだな、丁度一仕事終わったところだし、なんならこの後用事があるわけでもない。折角だからこのまま買いに行くことにしよう。
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街はバレンタインであるためか心なしかカップルが多く、目の前をイチャついた男女が通りまくる始末。クソ。やっぱ今日行くべきじゃなかったか。それでも、行く先行く先にあるチョコレートはどれも輝いて見えた。さぞ甘くて美味しいのだろうと想像するとごくりと喉が鳴り、太智に買うだけではなく自分自身にも買っていこうかなんて思った。折角なら都市部に行こうと電車に乗ると、目の前に1年程前に撮った動画が流れている画面が目に入った。ファンの方だろうか。芸能人を気どれるほどでもないくせに、一応と帽子を深く被った。
『いやまあ気になる子からのチョコだったら意地でも欲しいね!!』
そう字幕に書いてあるのを見て記憶を掘り起こした、というか殆ど掘り起こされた形だが、俺はあまり良くないことを考えてしまった。
意地でも。太智の意地、って言うのは、もしかしてああいうことなんじゃないか?そもそも太智は、いくらチョコが欲しかろうが金を叩いてまで俺に買ってきてもらうようなやつじゃない。なるべく安いもので済ませるだろうし、高いものを買うとて後から仕事の去り際にだったりするのだ。わざわざバレンタインに、俺からチョコを貰いたいと言ったのは、アイツなりの__。
「いや……いや、違う、違うって、どう考えてもさあ………」
小さな声で言い訳のように呟く。それが届いたようで目の前にいたみ!るきーずであろう方は俺に気づいたように目を白黒させていたが、俺の頭はそれどころじゃなかった。顔が信じられないくらい熱い。耳も、同じように。心臓がバカみたいに早いし、思い上がりなのか、事実なのか、わからないまま鼓動だけが早くなっていく。けれど、俺は太智をよく知っているという自負がある。そんな俺の勘が、あいつの意地を知らせている。ようやっと都心に着いたとてうるさい心臓も赤くなった顔も微塵も治らず、やっとの思いで手に取ったチョコをレジへ持って行った時は、ご自宅用ですか?という問いに声がぶるぶる震えながら対応した。
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「………ほら、チョコ。」
リップを塗りたくっていた太智に我ながらものすごくぶっきらぼうにチョコレートを渡すと、太智の目は三日月のような弧を描いた。何だこいつムカつくな。取り消してやろうか。けれど先日太智はもしかしたら、と思い始めて以来コイツが頭から離れた瞬間は1秒たりともなく、別に俺はコイツを好きじゃないはずなのに、勝手に翻弄されている。少女漫画のテンプレートみたいな展開になりやがって。コイツはただの仕事仲間で、ただちょっと他より付き合いが長いだけで、そういうのではない。絶対に!ない!!
「ありがとなあ(笑)ほら僕、好きな子からのチョコは意地でも貰いたい派やから」
「…………!?」
好きな子!?好きな子って言ったかコイツ!?動画で言ったことそのまま、丸写ししたように口に出しやがった。え、そうなの?コイツって俺が好きだったの?え?いつから?そうだな。とりあえずごめん、マジでごめんけどその気持ちには応えられない、だってほら、メンバーだし、メンバーだし、メンバーだろ……?マズイ、断る理由がメンバーってことしか、嘘だろ俺、もしかして太智のこと______
「なーんてな!!吉田さん騙されちゃった?俺演技うまなったやろ!!おらおら、照れちゃってるん?よっ……しぃ……??」
「ぉ………ぇえ??じんと、おまえ、………」
「がちぃ………???」
うるさいな。しょうがないだろ、好きって言われたら、冗談なんてこっちは見抜けないんだから、顔の一つや二つ赤くなるだろ。そんな俺の顔を見た太智は三日月型に細めていた目を今度は大きく見開き、すべすべで真っ白だった頬は徐々に赤く染まっていった。やべえなこの空間。成人男性が二人して照れるとか何やってんだよ。しかも俺、あり得ん勘違いしたし、あり得ん結末辿り着きそうになったし、あぶねえほんと。冗談も程々にしろよ。その一方で太智は眉間に皺を寄せ、髪をわしゃわしゃと掻きむしった後気まずそうに口を開いた。ごめんて。こういう雰囲気にしたのは確かに俺だけど、そんな嫌そうにしなくてもよくねえ?
「ぇ、ぁの、 仁人、が、ほんまに……その、……あ゛ーー……」
「俺、…………期待していい?」
「あ?」
頰を薄らと赤く染めたまま、真剣な顔つきでそう述べた太智に少し驚いた。予想を遥かに裏切る回答だった。期待ってなんだよ。冗談って言ってたろお前。そう返そうとした手前、気づけば太智の顔の距離は数ミリ程度しかなく、久しぶりにこんな近くで顔見たな、やっぱりコイツって顔が可愛いな。アイドルだもんなあ、というか急に何?俺の顔の造形を眺める時間?謎すぎ。と思考を巡らせている間に、ふに、と柔らかい感触が唇に触れた。え?唇?パッと距離を置いた太智の目はまた三日月型に細められていて、先ほど塗り直していたであろうリップは少し崩れていた。まさか、と思い自身の唇を拭うと、案の定親指の先には淡く紅色が移っていた。嘘だろ。それはつまり、
「………お、っま、え、今、きっ、ききき、きっ!」
「俺、仁人のこと好きな子で終わらせるつもりないから。」
コメント
5件
初々しくてかわい❤️ 読んでいてきゅん💘ってなりました😍 続きが気になりますねー😊
!?!?!?神作品きた…………口調とか仕草?思考?が解釈一致すぎて読みやすいしキュンキュン止まりません…!!!!!!ありがとうございます😭😭😭😭
「冗談?も程々に!」読んだよ……! もう、仁人のツッコミと照れが最高すぎた(笑)太智の“好きな子からのチョコは意地でも欲しい”発言から、ラストのあの展開まで、心臓がバクバクしたよ……。冗談のふりして本音をのぞかせる太智のずるさ、やばい。そして仁人の“期待していい?”からの流れ、ここでその台詞かよ!って叫んだ(泣)こんなバレンタイン、ずるすぎる……続きが気になって仕方ないよ🥀