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─とある国で、自身を卑下する内気な者がいた。
彼は己の過去に憎しみを抱き、悔やみ、そして闇に溺れた。
─とある国でも、自身を卑下する内気な者がいた。
そして彼もまた、己の過去に憎しみを抱き、悔やんだ。だが決して、彼は闇には溺れなかった。
彼らは住む環境も違えば、得たものも違う。
だが彼らは二人とも過去に憎しみを抱き、
悔やんだ。似た性格で似た思いを持つ二人。
そんな 彼らがお互い別々の選んだ道の結末
を迎える時が来るだろう。
この物語はそんな彼らの結末の始まりと
終わりを書き記したものである。
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北澤 真 【17】 性別:男
高校二年生
身長168cm
体重52kg
容姿は普通(・ω・)髪型は自由です。
性格は内気で少し臆病者
趣味は読書。
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処女作デス。何言ってんのか分からないところもあるでしょうが、ご了承くださいm(_ _)m
国語の苦手な主の作品を、見てくださると嬉しいです😭
少々他の作品に似た部分があるでしょうが、ご了承ください。
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焦げ臭い匂いを吸いながら、一人の少年は叫んだ。
『お母さん!! 』
「ごめんね…真…」
『お父さん!! 』
「すまない…ッ」
真っ赤な部屋に、苦しそうに、悲しそうに顔を染める両親。
熱くて、熱くて、熱くて、でもそれ以上に怖くて、
幼いながらに真は、両親に二度と会うことが出来ないのだと…。己には何も出来ない…。
ただただ指をくわえて見てることしか出来ないのだと察した。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈
『大きくなったらお父さんもお母さんも、俺が守ってあげる! 』
「おおそうか!!それは頼もしいな!」
「ふふっ…それじゃあ期待してるわね?私たちのヒーローさん?」
『おう!!任せとけ!! 』
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈
家が崩れ始め、瓦礫が落ちてくる。
『お父さん!!お母さん!!早く出ようよ!!このままだと… 』
「真…父さんと母さんな?ここまでみたいなんだ…」
『何…言ってんの?』
『早く出ようよ? 』
『どうしてそんなこと言うんだよ!! 』
ガシッ
母の腕を掴む…だが…
「真」
「あなただけで外へ逃げなさい。」
「外に刑事さんが居てくれてる筈だから。」
母はどこか諦めたような顔をし、少年にお別れを告げた。
視界が歪んでいく…目からは大粒の涙。
助けたい…今すぐにでも…2人を連れてって平和に暮らしていたい…。その願いを嘲笑うかのように燃える炎。徐々に頭が回らなくなってきている…少年は最後の力をふりしぼり、両親の元から離れ外に出る。
外には顔馴染みの刑事さんがいた。どうやらもう助からないと聞き絶望していたようだ。刑事さんは少年を見つけると、安堵の顔をし、そして傍に両親が居ないことに気づき、再び顔を真っ青にした。
そして倒れそうになった少年を、間一髪で支えた。
どうやら気絶したようだ。
少年はそのまま救急車へと運ばれて行った。
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真side
お父さんとお母さんに会えない寂しさと悲しみでいっぱいの中、俺は唇を噛み、悔しくて辛い思いで外へと駆け出した。外は思っていたよりも薄暗く、自身の家を包む炎が暗闇を照らす。
『(お母さんが言っていた刑事さんはどこだよ!!?) 』
『早く…早くしないと2人が…!!早く助けて…もら…わ…ないと… 』クラッ
ガシッ…
『(誰…だ…?) 』
意識が遠のいていく─
ごめんなさい…お父さん…お母さん…。
二人を守るって、約束したのに…。
ごめん…なさい…
「」
「」
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真side
キーンコーンカーンコーン〜♪
ザワザワ
終わりの予鈴が校舎に鳴り響く。
放課後まで寝ていたようだ…
『まさかこんなに寝ていたとは、1人くらい起こしてくれてもいいんじゃないかな? 』
と言っても、僕にはそんな友達なんていないけどね。
決して寂しくない。虚しいだけだ。
『それにしても…嫌な夢を見たな…。』
もう…思い出したくないものだ。
『はぁ…。そろそろ帰るか、でなきゃあの子が… 』
「シン〜!」
『噂をすれば… 』
彼女は神藤佳奈(シンドウカナ)。小さい頃からの付き合いで、いわゆる、『幼馴染』ってやつだ。佳奈ちゃんは人の名前を音読みで呼ぶ癖がある。そのせいで僕をシンと読んでくる。僕は『マコト 』なんだが…。
「もう!シンったら、ま〜た居眠りしちゃって〜!」
『別にいいじゃないか。佳奈ちゃんには関係ないだろ。 』
「もー!そんなこと言ってると、嫌われちゃうぞ!」
相変わらずお節介な子だ。
『…別にいいよ…。どうせ僕は友達なんていないし、嫌われてるんだから。 』
「もうシンったら!そんなネガティブになんないでよ!私は幼馴染だから友達っていうか、家族みたいなものだけど、きっとシンにも友達できるよ!」
『…友達なんて…。 』
小学校の時は友達はいた。だけど家が家事になった時から、僕は『両親を見殺しにした臆病者 』と呼ばれ、いじめられていた。その時から友達なんて作ろうとしなかった。
僕が悲しい顔をしていたのか、佳奈ちゃんはバツが悪そうに、頭を掻いて暫くしてから顔を明るくしてこう言ってきた。
「そうだシン!駅前の昔馴染みの喫茶店あるじゃない?そこに行きましょ!」
『なんで僕が?』
「1人は嫌だからよ。」
『でも… 』
僕のせいで気を遣うのは…。
「私がシンと行きたいんだからいいの!それにホームズの話をしてよ!好きでしょ?」
『あ、ああ。少しなら知ってるけど…。』
『 (ホームズは確かに好きだけど、僕は1部ぐらいしか知らないんだが…。)』
「決まりね!早速行こっ!!」
『ちょ…ちょっと待ってよ〜! 』
1人で考えているうちに、佳奈ちゃんは走っていった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━〜運命の出会い〜
真side
カランカラン
昔よく聞いたこの音に出迎えられ、久しぶりの店の中へ踏み入れる。
『…寒っ!! 』
ここは北極か!!?と言うくらい店の中は冷えきっていた。何故こんなに寒いのだろうか…?風邪をひきそうだ…。隣の佳奈ちゃんも寒さで震えている。
「ブルブル…何ここ!!?こんなに寒かったけ!?」(小声)
『嫌、昔来た時はどっちかと言うと暖かかったよ? 』(小声)
「それは店長が極度の暑がりだからですよ。」
!!?
びっくりした。
聞こえてたのか、
「あ…そ、そうなんですね💦えっと…」
「あぁ、申し遅れました、私はこの店の副店長の山本と申します。どうぞ宜しく。」
「あっ私は神藤佳奈です。こちらこそ宜しくお願いします。」
相変わらず佳奈ちゃんは僕以外の人には穏やかな性格なんだな。普段からそうして欲しいのに、
『あっ僕は北澤真って言います。宜しくお願いします。 』
「えぇ、さっ立ち話もなんですし、好きなお席へお座りください。」
『ありがとうございます。 』
「あの、山本さん、山本さんはこの寒さで体調とか大丈夫なんですか?」
「えぇ。最初こそ崩しましたが、今はもう慣れましたね。」
「そうなんだ…」
「他の店員も、慣れてきましたよ?」
「まぁ寒すぎてお客さんはなかなか来ないんですがね。(苦笑)」
「あはは(苦笑)」
『でも1人だけお客さんは居るようですね。 』
「あ…ほんとだ。」
「えぇ。初めて見かけるお客さんのようですが、平気なようですね。」
「すごい、」
確かに。あの人も暑がりなのかな?
「キャアアアアア!!」
!!?
「な、何!!?」
「今の声は、花崎さん!!?」
『行きましょう!! 』
なにかあったのか!?
「花崎さん!!何があったんですか!!」
「あ…あ…。」ブルブル
花崎さん?はある一点を指さした。
そこには…
『っ!! 』
「え…?」
「て…店…長?」
店長と見られる人が倒れていた。
『っ 』ダッ
…これは…
『脈が…これは…もう… 』
「そ…そんな…」
「どうしたんですか!?」
「藤くん…」
「!!?」
「店長?…」
『残念ですが、もう… 』
「そ、そんな…」
今はパニック状態で誰も警察を呼ぼうとしていないな。
『佳奈ちゃん。悪いけど警察を呼んでくれる?』
「う、うん!!」
佳奈ちゃんは急いで警察に電話を掛けた。もすぐで着きそうだな。
「き、君は…」
『えっ…あっすみません。 』
『僕は北澤真と言います。 』
「北澤くん…ね。あ…俺は藤悠馬。この店の店員です。さっき警察に電話してくれた子は…?」
『彼女は 神藤佳奈。俺の幼馴染です。』
「そうなんだ…ありがとう。」
『 あの…さっきの女の人は…』
「ああ…さっき悲鳴をあげてた子は、花崎由美と言って、アルバイトをしてくれているんだ。」
『なるほど。 』
花崎さんはどうやら腰が抜けているようだ。
それもそうか、なんせ死体を目の当たりにしたのだから。
「警察の村瀬です。事情をおきかせ願えますか?」
「あっはい。」
「私はこの店の副店長の山本大介と申します。」
「では山本さん、あなたな死亡推定時刻に何を?」
「お店のキッチンで手を洗ったあと、注文を聞いて料理をしてあちらのお客さんに」
そういい目を向けた方向には、先程まで僕達が話していた人だった。
「それは本当で?」
「あぁ」
刑事さんが確認をし、それを肯定する先程の人。
では…と、今度は藤さんに聞く。
「俺は料理をしていました。そちらの2人にサービスでプレゼントをと思って。」
「何故サービスを?」
「それは、付き合っているのかと思って、なかなかこの店にお付き合いをしている方は来ないですし、それに…」
「それに…?」
「い…いえ。なんでもないです。」
付き合ってる?誰と誰が?まさか僕と佳奈ちゃんが?
『…チラッ 』
「カァ///」
なるほど。わからん。
佳奈ちゃんは普通に可愛いし、こちらとしては嬉しいが、佳奈ちゃんは嫌だろうな。誤解は溶けているからいいが。
「では最後に花崎由美さん。お願いします。」
先程まで腰が抜けていた花崎さん。どうやら戻ったようだ。第1発見者である彼女が、今のところ怪しいらしい。刑事さんの表情を見たら分かる。
「あっはい…。私は先程来て、更衣室で着替えようと思って行こうとしたら、休憩室で店長が倒れれて、…」
「なるほど。それは災難でしたね。」
「はい…。」
「村瀬さん。」
他の警察官が村瀬さんを呼んだ。話を聞くうちに、村瀬さんの顔は鋭くなっていった。
そして僕たちに、いや…思にさっきの3人の前に立ち、静かに告げた。
「どうやら店長の大村さんが飲んでいたと思われるコップに、毒が付着していたようです。」
「後に効果が出るものだったようですので、これは計画的犯行に考えられます。」
計画的犯行…か。ということは、この3人の中に犯人がいるということか。
店長は極度の暑がりということは、誰かが店長に水を渡したことになる。
『このお店に、最初に来た人って誰なんですか? 』
「あっそれなら私です。」
『そうなんですか。ありがとうございます。 』
最初に来たのならじゅうぶん仕掛けられるな。ふむ…。
あっそういえば…
『藤さん。 』
「ん?どうした?」
『 さっき藤さん「それに…」って言ってたけど、結局あれってなんだったんです?』
「あー…こういうのもなんだけど、店長…性格に難アリなんだよ…」
『え? 』
性格?
「店長は女好きでセクハラを頻繁にするクズな性格なんです…。」
「そのせいで女性のお客さんも来なくなりましたし…。」
あー…なるほど。だからお付き合いされている人が来ても、店長がセクハラしてくるだろうしってところか。
『でもそれだけで殺すなんて、さすがに…。 』
「分かりませんよ?」
花崎さん?
どうしたんだ?
「結構殺意が湧くものなんですって、そういうの。」
『なるほど… 』
「本当に…」
…!?
山本さんの顔は、今でも人を殺しそうな顔をしている。
『どうしたんです?そんな怖い顔をして… 』
「ハッ」
「あ…いやその…」
何か隠している?
『もしかしてだけど、店長に何かされたんですか? 』
「ビクッ」
これは…
「…実は、私には彼女がいたんだが、その子が村瀬さんに襲われそうになってね、そのせいで彼女と別れることになったんだ。」
…なるほどな
これは確定だな。
『犯人がわかりましたよ。 』
「えっ!!?シンくん本当!!?」
『うん 』
「その犯人とは…。」
『さっきの証言で確定したものですよ、犯人は貴方です!! 山本さん!!』
「!!?」
「ちょっと待って下さい!!確かに殺したいほど憎いですが、殺そうなどとは考えていません!!」
『ですがあなたしか、犯行することができないんですよ。 』
『1番に来たなら犯行しやすい、動機もある。 』
『 そうでしょう?』
「確かに1番に来たなら犯行しやすいですし、殺したいほど憎いですが、だからと言って大好きなこの店を壊す様な真似はしませんよ!!」
「話は署で聞こう。」
「そんな…」
「待って下さい。」
!!?
さっきのお客さん?
「どうかしましたか?」
「彼は犯人ではないぞ。」
「なんですと!?」
犯人じゃない?
こんなに証拠があるのに?
『どうしてですか? 』
「話を聞いた限り、毒は飲んだあとコップに着いていたと言っていたな。」
?それがなんだ?
「ならば、コップに毒を塗ったという考えと、もうひとつ、考えられることがある。」
!!っまさか…
「そう…水に毒が入っていたと言う考えもできるだろう。」
水に毒が…!!?
確かに水は飲み干したあとだし、水に入っていた毒がコップに付着したと言いことも考えられる。だけど…
『でもそれだったら、副店長が犯人の可能性が上がるだけじゃないですか? 』
1番犯行できた人なのだから。
「確かにそれだけ聞くと、副店長が犯人と思われる。だがそれにまだ続きがある。」
「いくら馬鹿な店長でも…自分に恨みを持っている人から水を貰えば、警戒するだろう。という事は、店長は自分で水をついだ可能がある。となると、私が考えるに、毒は蛇口に付着しているのではないかと考えるんだ。いつも店の人が来たら手を洗う、あの蛇口にね。」
蛇口だと!!?確かにそれでも犯行は可能だが、だけどそれでは、
「だがそれでは他の人が水を飲む可能も有り得るのでは?」
村瀬さんが僕の気持ちを代弁してくれた。
「いや…確かに有り得るが、こんな寒い中、水を飲む人なんて、暑がりの店長くらいしかいないぞ。現に、店長だけがなくなっている。」
「そこで3人に聞きたいことがある。貴方たちは何回手を洗った?」
手を洗う?何故それを今聞くんだ?
「ええと、私は料理をする前に1回。した後に1回洗いました。」
「俺は1回だけ。」
「私はまだ…」
「なるほど…ありがとう。」
「じゃあ刑事さん…彼らの手を検査してください。」
「え?あ、ああ」
何故手を検査するんだ?犯人は山本さんで間違いないだろう?この人は一体…
「な、なんだと!!?」
!!?
「あっ…ええと、山本さんの手とハンカチに毒と思われるものが見つけられた。」
やはり。犯人は山本さんしかいないだろ。
『やっぱり犯人は… 』
「そんな…私は毒なんて…」
「急かすな。おかしいと思わないか?仮に毒を塗ったのが山本さんだとする。ならば何故毒の着いた蛇口から出る水で洗う?犯人ならそんな馬鹿はしたいだろう。」
あ…確かに…。
「と、なるとおかしいのは山本さんよりも後に来たのに、毒が着いていない藤さん。あなたが犯人だ!」
藤さんが犯人!!?
『どうして? 』
「簡単な事だ…彼は山本さんが料理をしている時に蛇口に毒を塗ったんだ。おそらくハンカチでね。」
『なんでハンカチ? 』
「簡単な事だ。捨てられるものなら、すぐに見つかるからだよ。ティッシュとかでも指紋がベッタリだからな。」
なるほど…確かにそれなら辻褄が合う。
「予め用意しておいた毒が付着しているハンカチで蛇口に塗ったんだ。」
でもそれだと、
『それだと手を洗った後にハンカチで拭けないから濡れているはずだよ? 』
「フン…そんなのいくらでも嘘をつけるだろ?それに2番目に来ることで、一番に来た山本さんに疑いがかかるだろう?そう仕向けたのさ。」
「なっ」
「で、デタラメだ!!そんなの証拠にならないだろ!」
「ならハンカチを調べさせればいい。」
「っ!!」
「もう認めたらどうだ?俺から、罪からは逃げられないぞ。」
「…。そうだよ…」
まさか本当に!!?
「そんな…」
「藤くん…」
「憎かったんだ。あいつが、(店長)」
『どうして殺すようなこと… 』
「実は俺は…前に常連だった女の人に、好意を抱いていた。とても綺麗だった。セクハラする店長のシフトがない日を教えて…でもある日店長が急遽仕事をすることになってね。案の定綺麗な彼女にセクハラをしていたんだ。いつもならそこで終わるはずだから憎かったけど我慢できた。だがあいつは休みの時でも彼女に付きまとったんだ!!襲われそうになったこともあった!そのせいで彼女は病んでしまって、自殺してしまったんだ。それなのにそんなことも露知らず、あいつは呑気に他の人にセクハラをしていた。憎かった。彼女を殺したあいつが、生きている事が!!だから殺したんだ!!彼女のためにやったことの何が悪いんだよ!!」
そんなの…
『悪いに決まっているだろう! 』
「ビクッ」
『その人が店長を殺してと言ったのか? 』
「それ…は…。」
『辛いのは分かる。だけど…それはエゴでしかないよ!!自分へのエゴだ!!今のあなたは、自己満足で生き生きとしていただろうけど、そんなのは彼女のためにならない!!殺したらそいつと一緒じゃないか!! 』
死んだ人は戻ってこないのだから。
「ウッ…泣」
「藤くん…」
「それでは署で話を聞きましょう。」
「はい…。真くん…ありがとう。」
『いぇ…僕はまだまだですよ。 』
そうして藤さんはパトカーに連れていかれた。
『あの…山本さん、 』
「いいんだよ。あんなに疑われることばかりだったんだから。」
『でも…。 』
「解決したんだからいいんだよ。」
「ありがとう。」
『…いぇ 』
…もっと考えなきゃ、表側の事実だけじゃダメだ…今回のことでよくわかった…
『あっ…あのお兄さんは? 』
「居ないね。」
『あの推理…探偵なのかな?』
だとしたら僕は…。
「ねえシンくん。」
『ん?』
「私たち…結局ご飯食べてないじゃない?近くのコンビニでなにか食べようよ!」
ぐうーー…お腹の虫がタイミングよく鳴る。
…確かにお腹減ったな…
『そうだね。お腹減ったし。 』
「それじゃ早速食べに行こう!!」
『うん』
少しなら素っ気なく、しかし楽しそうに返事をし、足を踏み出した…。
〜喫茶店殺人事件[完]〜
〜次回『再会』〜