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#BL
kaede🍁
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おその★
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翌朝。
カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝日で、阿部は目を覚ました。
隣を見ると、目黒はもう起きている。
「おはよう。」
「……おはよう、めめ。」
昨日より少しだけ穏やかな朝だった。
朝食を軽く済ませると、阿部は寝室のクローゼットを開ける。
ぎっしりと並んだ私服。
私服での仕事やオフの日によく着ていた、お気に入りの服ばかりだ。
「これなら……。」
大きめの白いTシャツを手に取る。
試しに着てみる。
以前は少しゆったりしていたはずなのに、今は首元が広く開き、肩も落ちてしまう。
「やっぱり……だめか。」
ため息をつきながら、次々と服を試していく。
オーバーサイズのシャツ。
スウェット。
パーカー。
どれも「着られない」わけではない。
けれど、どこかちぐはぐで、鏡に映る自分が知らない誰かのようだった。
ふと、昨日借りた目黒のパーカーが頭をよぎる。
あれなら着られる。
でも──。
(メンバーに見られたら良くない……。)
付き合っていることは周囲には言っていない。
目黒の服をぶかぶかに着た姿を見られたら、「借りたんだ」と説明しても、どこか照れくさい気持ちがあった。
「うーん……。」
クローゼットの前で頭を抱えていると、後ろからくすっと笑う声がした。
「朝からファッションショー?」
「……めめ。」
振り返ると、目黒が腕を組んで立っていた。
床には脱いだ服が何着も散らばっている。
「ごめん、散らかしちゃって。」
「いいよ。」
目黒は部屋に入ると、一着ずつ服を手に取っていく。
「これ、前はジャストサイズで着てたよね。」
「うん。」
「だったら発想を変えよう。」
「え?」
目黒はオーバーサイズのブラウンのシャツを取り出した。
「これ、今ならワンピースっぽく着られる。」
続いて細めのベルトを見つける。
「ウエストを軽く留めれば、だらしなく見えない。」
さらに黒いサンダルと、シンプルなキャップを並べる。
「帽子を深めにかぶって、マスクをすれば顔も目立ちにくい。」
阿部は目を丸くした。
「……そんな組み合わせ考えたことなかった。」
「仕事柄ね。」
目黒は少し照れたように笑う。
撮影や雑誌の私服企画で、スタイリストから学ぶことも多い。
自然と服の合わせ方を見る癖がついていた。
「あと。」
クローゼットの奥から、薄手のカーディガンを取り出す。
「肩に掛ければ体のラインも少し隠れる。」
「……すごい。」
「着てみて。」
阿部は勧められるまま着替える。
鏡の前に立った瞬間、小さく息を呑んだ。
さっきまで感じていた違和感が、不思議なくらい薄れている。
ゆったりとしたブラウンのシャツに細いベルト。
黒のサンダル。
キャップとマスク。
全体的に自然で、無理に誰かになろうとしているようには見えない。
「どう?」
目黒が少し緊張した様子で尋ねる。
阿部は鏡を見つめたまま、小さく笑った。
「……これなら。」
「外、歩けそう。」
その言葉に、目黒も安心したように笑みを浮かべる。
「よかった。」
阿部は鏡越しに目黒を見る。
「ありがとう、めめ。」
「服を選んでくれたこともだけど……。」
少し照れながら続ける。
「『女の子らしい服を着なきゃ』じゃなくて、『あべちゃんらしく着ればいい』って考えてくれたことが、一番うれしかった。」
目黒は少し驚いたように目を瞬かせ、それから優しく微笑んだ。
「急に変わる必要なんてないよ。」
「今のあべちゃんが安心できる服を着る。それで十分。」
阿部は静かに頷く。
鏡に映る姿はまだ見慣れない。
それでも、その隣には変わらず自分を見つめてくれる恋人がいる。
そのことが、これから向かう事務所への不安を、ほんの少しだけ和らげてくれた。
コメント
2件

経験から素敵な💓コーデが出来上がったのですね。そっと寄り添っているのが良いですね。不安いっぱいの💚には心強いですね。 最高のカップル🖤💚
おつかれ~!第7話、めっちゃ良かったわ。体の変化で今までの服が合わなくなって、なんか自分じゃないみたいな違和感に悩む阿部ちゃんにめちゃ共感した。「女の子らしく」じゃなくて「あべちゃんらしく」でコーディネートしてくれた目黒のスタイリング力と優しさにじーんときたな。鏡の中の自分と隣にいる恋人の存在で不安が和らいでいく感じ、すごく丁寧で温かかった🔥 2人の距離感が自然で、見守ってるこっちもほっこりしたわ~。