次の日私はデュラン商会がいくつか運営している出店へと向かった。
デュラン商会は高級店で主にアクセサリーや鞄を売っている。表問題は特に上げられておらず、信頼度もある。本店は王都にありそちらではブランド品として貴族たちに人気がある商会の一つだ。今では流行を掴もうと躍起になっていると噂されている。また、鞄などはこの地でできた布に合うように作られているので売れ行きは良い。店にある品や掃除、店員の雰囲気に違和感はない。ホコリ一つないので清潔感が高く、床が白い石を使われている余計に輝いて見える。何処ぞの薬屋の店員も見習ってほしいものだ。…で今頃、店の掃除や品出しなどちゃんとやっているといいのだけどね。サボっていたら…罰を与えてやる……
この店の店員、それどころか接客スマイルがあり女性客たちの印象は良好なようだ。
というか…
『美しい奥様にはこちらがお勧めです』
『えっ…お姉さんと思っていましたが奥様だったのですね』
『こちら他では買えませんよ』
『こちらをご購入いただけると良いことがありますよ』
『他と違ってダイヤのアクセサリーが多いですよ』
など高い商品を勧めている。私は今フードを深くかぶり顔を隠した子供の状態なので店員に話しかけられていない。正確には相手にされていない。試してみるか…
「すみません…」
「…なんでしょうか」
この店員、子供が客だと分かった途端面倒くさそうな顔へと変えはじめた
「ここにあるダイヤのアクセサリーをください」
「…すみませんお客様ここにあるダイヤのアクセサリーは品切れでして…お詫びとしてオススメの店を一つ」
さっきは在庫があると別の客に言っていたのだけど…
「オススメですか…」
「はい…お客様には通りをとおって右側の店がよくお似合いです」
「そうですか…」
その場所にあるのは古びた雑貨屋さんだ。つまり、お前には買えない品だから安物がお似合いだと言いたいらしい。
「そういう店員さんにもここよりその場所がオススメですよ」
「チッ…」
怒りだした。このくらいで接客に感情を込めないほうがいい。
「それでは」
「ガキが…」
この後、周りの人たちにこの商会をどう思っているのか…どう感じるのかなどを聞いた。
特にこれと言った収穫は無かった。富裕層地域では…
「最近偽物を売りさばいている人がいるそうよ」
「怖いわね」
「もしかしたら…あの時事件を起こした商人の仕業だったりして」
「あり得るわね」
「処罰してほしいわね」
「商会でもまだ働いているみたいだし」
他にも…
「デュラン商会…最近は品が安ぽっく見えない? 」
「そうかしら…」
「オススメの品が似合わなかったり」
「まぁ…」
「色もなんか変わってるし」
「なんか違う気がするわよね」
などだ。どうやら調べた結果、富裕層地域の人たちには直接販売に行っているようだ。そこでよく問題が発生してることが分かる。
念の為に、商会ギルドのギルド長に手紙を送っておこう。
もしかしたら…この事が彼に繋がる恐れがある。
やはり直接商会の中を探ったほうが早そうだ。この領地にデュラン商会はもう一つの拠点を作っている。この商会は各地に拠点を作っており、なにかあった際すぐに逃げれるように、巻けれるように考えられている。近くの富裕層付近にある。ここらの土地代は高い
(…お高くまってるな)
入り口には門番がいる。大きな柵や壁が作っているがそれはまるで檻のようだった。門番に気をつけて進む。見つからないように急いで裏側に回る。鞄から魔道具を取り出す
「…頼んだわよ」
塀に耳を傾け音を確認する。誰もそちらにいないと分かったら
(それッ…)
魔道具を起動させ、向こう側に投げる。
これで商会の中を知れる。後は宿で待つのみ
アイビーもちゃんとやっといってくれるといいな…あの子には別の仕事を頼んだ。
「…掃除の下準備」
証拠を捕まる。ホコリがたまっている場所は片付けないと…
商会ギルドでは…
「失礼します。ギルド長…手紙が届いております」
「…ありがとうジャぁ」
ふむ…これはあの子からの手紙。それも他人には絶対に見られないように魔法印を使われておる。魔法印は、特定の相手にしか開けられないように魔力を込め封蝋を施している。
「さて…」
魔力印に認識してもらうために魔力を込める。
スゥ…
認識されると魔力印は消え手紙が開く状態になる。
「あの子も考えたもんジャぁ…」
これは、調べる必要がある。デュラン商会はやはりきな臭い場所だ。表立つ問題が無ければこちらも動くことができない。それを逆手に取って裏で何かをやりよることが目に見えている。だが、デュラン商会は貴族が関係している。貴族の意見は絶対と言っても過言ではない。
あの子がこれからどんな手解きを見せるのか楽しみジャぁ
「さて…わしもひと仕事やるか」
ギルド長の部屋から溶けるように消えていった。
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