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タヒネタ
自殺
アベアビ
花吐き病パロ
半分オリジナル設定の花吐き病
『 あの人 を想うと花を吐く』
本を取り、その症状について書き記されているページをパラパラとめくって探す
『正式名称は「嘔吐中枢花被性疾患」で花吐き病は通称。
遙か昔から潜伏と流行を繰り返してきたらしい。
片思いを拗らせると口から花を吐き出す様になる。
それ以外の症状は確認されていない。
吐き出された花に接触すると感染する。
根本的な治療法は未だ見つかっておらず、いずれ死に至る。
但し想い人と両思いになると白銀の百合を吐き出して完治する。
両思いになれなかった時や何かしらのトラブルでなくなってしまった場合には身体中から花が咲いて亡くなってしまう』
『…片思い…』
読み進めていくとあの人が頭に浮かび、息がしにくい。そんなことを思った途端、ゲホッと咳き込み、花を吐く、
「…知りたくなかった、」
吐いた花を見て、小さくつぶやく、
治療法が見つかったところで、治らなくては意味が無いのだ。だってあの人が私を…なんてことは有り得ないのだから。
とはいえ、私はあの人に迷惑をかけたくは無い。
本をそっと本棚に戻せば図書室の1番大きなを開けて、窓から身を乗り出す。
下を見下ろせばとても高く、恐怖心はあるのだが、あの方を思えば、なんとなく、心が楽だ、
「…」
春の生暖かい風が顔に当たってとても心地良い
「アビス」
廊下からよく知っている、聞きなれた声で名前を呼ばれた
「何をしてるんだ。危ないだろう、」
その言葉に一度はピタリと動きを止めるが、決心が揺らぐことは無い、
後ろから早い足音が聞こえるがそのままもう一度飛ぼうとさらに身を乗り出す。
その瞬間、コトン、と何か木製のものが落ちる音とともに細くて少し震えている腕が私の体に巻き付く。
「…」
少しの間、沈黙が続く
「…何をするつもりだ」
アベル様が口を開く、その問いにどのように答えるか、少し黙り込んで考えれば
「…死ぬんです」
と簡潔に答えるが
「…」
アベル様は私を背後から抱きしめた形のまま黙り込む。私が詳しく答えるまで離す気は無いのだ。
「…花吐き病、ご存知ですか?その病にかかってしまったのです、もう、手遅れでどうしようもならないので、」
と少し嘘を混ぜながら話す。
「だからどうか、、死なせてください」
声が震える。欲を言えば貴方に殺してもらいたい。そうしたら、貴方の中に少しでも残るから。
「分かったよ。」
今まで黙っていたアベル様が一言喋り、こくん、と頷く。私から数歩下がって離れる。改めて下を見下ろせば一気に恐怖が込み上げてくる。
「やっぱり__」
やめる、そう言い切る前にトンッという軽い衝撃と共に体が宙に浮いた。
「█████████」
なんて言ってるかなど、風で聞こえはしないが、目を瞑る寸前、
貴方が私を追いかけてくださった_ 。
白銀の百合が咲いていたらしい。