お久だなぁ
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帝「ただいまぁ…」
誰もいない家。
暗い部屋。
帝「……幻太郎、ただいま」
帝は幻太郎の遺影写真へ笑みを見せてそう言う。
幻太郎がいつも小説を書いていた部屋。
かつての幻太郎の私物は全てこの部屋に置いてある。
まだ忘れたくないという気持ちが帝にはあるのだろう。
「小生は貴方のことが大好きなんです。」
という幻太郎の言葉がまだ耳に残る。
いつになっても消えず、いつになっても残る。
帝「まだ…隣に居るのかもな、」
ハハッ、と冗談のノリでそう呟く。
「えぇ、まだ、隣に居ますよ…」
フワッ、と肩に何かが乗せられる感覚がある。
突然聞こえた声に驚き、落ち着いていた鼓動が早まる。
「おやおや、小生に会えたのが嬉しすぎてドキドキしているんですか?」
フフッ、と笑う声が聞こえては胸元が少し暑くなる。
触られているような、撫でられているような感覚だ。
そんな感覚がすれば更に鼓動が早まる。
「ふふッ……とっても小生のことが好きですねぇ?」
耳元で囁くようにそう言われる。
フゥッと耳が赤く染まる。
帝「…っ?げんたろ……なのか…?」
不安で、安心して、そう聞いてしまう。
幻聴だろうに。
「ええ、小生は貴方の大好きな夢野げんた───」
そう言われそうになるとピンポーン、とチャイムが鳴る。
チャイムが鳴ると吸い込まれるように帝は玄関の方へと向かう。
帝「んっ……今でま〜す、」
ゴシッ、と目に浮かんだ涙を拭いては玄関の扉を開ける。
帝統「!…よお、帝」
帝「…!……バカ、安心させんな」
照れくさそうに帝統の肩を叩く。
帝統「いって…?!ッんだよ〜!」
叩かれた肩を抑えては笑みを浮かべる。
帝「………まあ、上がれよ」
待ってましたと言わんばかりに帝統は勢いよく家へと入っていく。
煙草の煙が部屋の中に充満する。
静かで、少しの明かりが灯っているだけ。
そんな部屋の中で啜り泣く声だけが響く。
帝「ひッ……ぅ”…お前とっ……いると…ッ”」
帝「満たされてっ……俺が俺じゃなくなってるような…ッ”……」
帝統「俺がいて、俺で満たされんならそれでいいだろ…?」
優しく帝の頭を撫でる。
それに続くように口を開けては、俺がアイツの代わりに、と帝統が言いかけた。
帝「忘れさせて……ッ”、」
帝統は思っても居なかったのか驚いた顔をしていた。
然し、その答えを待っていたかのように帝統は「いいよ」、斗だけ言った。
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オワリデス
皆から避けられて辛くなって薬やって1人に依存していくっていいよね好きですうふふふふ(((
コメント
1件
すげぇ…(語彙力皆無)