テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『キョウ?お前ほんとに大丈夫か?』
1人の少年…昌也が私の顔を覗き込む。
『うん』
『なら行こう』
そうして、私たちはあの裏道を通って、山の中のひらけた場所に座った。
『これからどうする?』
『鬼になっちゃったこと?』
『そう』
『それで、』
その瞬間、昌也は慌てて、私に覆いかぶさった。
『鬼だ……!』
『キョウは後ろに下がってろ。危険だ』
『う、うん』
後ずさって、両手を爪が食い込むほど強く握りしめる。
『ぐっ』
昌也は、苦戦しつつも、隙なく鬼を攻めていく。
日輪刀と鬼が持っている槍の様なものが激しくぶつかり、金属の音が静かな山に響き渡る。
その時だった、昌也の左胸に鬼の槍の先が向かったのだ。
『うわああああ!』
もう無我夢中で昌也に飛びつき、なんとか槍を避ける。
『キョウ。危ないから下がれって言っただろ!早く逃げろ!』
だが、鬼の槍はまたすぐに襲いかかってくる。
『いやだ!』
私は昌也の刀を勝手に奪い、鬼に斬りかかった。
「キョウ。無惨ハマダ生キテイル。早ク向カエ」
峰の言葉で我にかえる。
今は鬼の根城の中だ。
ぼーっとしていてはだめ。
「そうだね」
右足をチラリと見る。
振り下ろされる槍を蹴った時だろうか。
草履が赤く染まっている。
確認してみたら、足の甲に一直線に傷が入っていた。
その周りは、赤黒く爛れている。
槍に触れてしまったせいか……
「こんなことあるんだ……」
でも、足のひらじゃないから、まだ良いか。
足にガッチガチで包帯を巻き、髪を止め直すと、私は立ち上がった。
「行こうか。峰」
そうしてまた、終わりのない城の中心へと駆け出した。