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進の精神世界でアドミニスターは自身の能力を使い、進を復活させサンドルによる勝負の行方の運命を書き換えようとしていた。
「安心して、私の能力で運命の輪を回して、この一瞬だけ貴方にとって都合のいい運命に書き換えるわ。」
「あたしの能力を使って、サンドルとの勝負が終了するように調整させてもらうわ。」
「ちょっと待ってくれ、まだオレは奴に勝っていない。」
「この期に及んでまだ戦う気なの?」
「現時点であなたがサンドルに勝てる可能性は限りなく0よ。」
「確かに勝てる可能性は0かもしれない―――」
「でもこのまま終わったら他に死んでいった奴らに申し訳が立たない。」
「3分だけ時間をくれ!その間に決着をつける。」
進はアドミニストレーターに懇願した。
「はぁ―――、分かったわ。」
「ただし、1分だけよ。」
「その間に決着がつかない場合は、強制的に戦いが終わるように運命を書き換えるから。」
「お前に対しては色々言いたいこともあるし、どちらかと言えば恨みの感情の方が大きいが、この件に関しては感謝する。」
これからあなたを復活するために力を使うからと言ってアドミニストレーターは自身の口を手で覆い、目をはっきりと見開いた。
「禁魔法:絶対運命指定(ワールドレコードオーダー)!」
その瞬間何かとてつもないエネルギーがアドミニストレーターの体から湧き出ているのを感じていた。
進はアドミニストレーターの圧倒的力の一端をその目で垣間見ることとなった。
そして。進はサンドルとの戦いの場に再び戻ってくることができた。
目がはっきりと開いた進はまず、自身の心臓に手を当てた。
「傷が塞がっている―――」
「本当に復活したのか。」
「ススム君!生きてる!奇跡だろ…。」
フラムさんが歓喜の目でオレを見ている。
マリーもグレッグも必要以上に近寄ってこないのはまだサンドルがすぐそこにいるからなのだろう。
「バ、馬鹿な!なぜ生きている!」
「貴様は確かにこの俺様が殺したハズ!」
「ああ、その通りだ。」
「オレは一度死んだ。」
「あの世から貴様を殺すために戻ってきた。」
進は右手に神聖剣を持ち、臨戦態勢を取る。
進は残り少ない魔力をこの1分と限られた時間で全て使用しようと考えていた。
「全てをぶつけても勝てない相手か―――」
「日本にいた頃には出会いたくても出会えなかった。」
「ススム君、俺の武器は使わないのか?」
「フラムさん、申し出はありがたいですけど今度はこれ一本で戦おうと思います。」
「そうか!女神の力が行使されたんだな。」
「そうじゃなければ戻ってこれるわけがない。」
「行くぞ!サンドルッ!」
「いいだろう!小僧もう一度あの世に送ってくれるわ!」
奴は時間を操ることができる。
それが何秒間か分からないが、すぐに使ってこないところを見ると、まだオレのことを甘く見ているか、奴自身にも使用するためのデメリットのようなものがあるのかどちらかだ。
使ってこないならこちらとしては好都合、さっさと攻めるだけだ。
「黄土魔法:土壁(ストーンウォール)!」
進は、サンドルの左右と後方に土壁を展開し、動きを制限しようとする。
「何の真似だ?」
「それはこれからのお楽しみだ。」
間違いなく次の一撃でオレの魔力が尽きる。
全力を奴にぶつける。
「聖剣激烈波(せいけんげきれつは)!」
無数の白魔法による光の剣と神聖剣(セイクリッドブレード)の斬撃がサンドルに向けて放たれた。
その威力は今出せる最高の一撃であった。
「なるほど、その一撃を避けさせないための障壁か―――」
「その技は剣技と魔法の複合技のようだが、その程度の威力500年前には山ほど使ってくる輩が居たわ!」
「体技:波動撃!」
サンドルは自身の拳に闘気と魔力を込め放ち、進の聖剣激烈波(せいけんげきれつは)に対抗した。
「うおおおお!!!」
全身全霊の力を込める進
「消え去れ!!」
それに対抗するサンドル
勝負は相打ちだった。
いや正確に言えば全ての魔法、剣技で向かったが軽くあしらわれた進の圧倒的敗北だった。
「ハハハ!何度やっても貴様がこの俺様に勝てる要素なんてないんだよ。」
「武力も魔力も俺様には圧倒的に敵わない!」
「ああ、確かに武力でも魔力でも今のオレはお前には敵わないな。」
「だけど、化学ならどうかな。」
「何だと?」
進の言っていることの意味を理解できないサンドルの頭上から何かの液体が降ってきた。
「ぐあああああ!!!」
液体を浴びたサンドルは激しい叫びを挙げ、体は見る見るうちにドロドロと溶けだしていった。