🗒️遅漏の向こう側
処方一週間が経過。毎日タンブラーに薬膳茶を持っていく亮平さん。試しに自分でも飲んでみる。最近手が温かいねって言ってほっぺたにスリスリした亮平は超絶可愛い♡
亮平💚『何してるの?』
慌ててノートを閉じると亮平は不思議そうに首を傾げた〝見せて?最近読んでなかった〟
翔太💙『まだ見ないでくれる?結果が出るまでは…秘密にしたいんだ!』
亮平💚『結果?変な子…』
秘密って言ったのに、、、
まだ何の結果も出てないのに、、、
昨夜亮平にこのノートを見られてしまったようで朝起きるなり散々な目に合った。お陰でまたお尻に軟膏を塗る日々が始まる。しかも〝俺が塗ってあげる〟と言って軟膏を奪われるとお尻を突き出させて人差し指に軟膏を押し出すとイヤラしい手付きで後孔に塗り塗りしてくる〝自分で塗ったらダメよ〟と言って掌に〝即効性バツグン〟の軟膏を乗せた。このふざけたパッケージの文字列にイライラしかしない。
亮平はお茶の中身が薬膳茶だと分かると効果はさておき、2人で飲み続けようと言って上機嫌だった。2人のノートに亮平の感想が付け加えられた。
🗒️今夜はバッチリ👍
少しだけ長持ち君だった事が上機嫌の理由だろう。
亮平💚『ねぇ明日お買い物行かない?翔太のタンブラー買いに行こうよ?』
衣替えも兼ねて新しい洋服も買いたいのだとか。亮平とは服の好みが似ているから昔からよくお互いのファッションについて話すことも多かったし、亮平に似合いそうな洋服をプレゼントすることも結構あった。付き合い出してからあまり二人で出掛けていないので急なデートのお誘いに胸が高鳴った。亮平はクスクス嬉しそうに笑っている。
翔太💙『行く行く!何着て行こう…迷うな…あの亮平提案があるんだけど・・・』
東京の街は漸く秋の気配が感じられるくらいには涼しくなってきた。 結局いつものGパンにTシャツ姿の俺…朝はちょっぴり寒いくらいだ。早起きした俺は亮平が隣でベットに寝ているのを起こさないようにそおっと寝室から出ると着替えて1人で電車に乗ると東京駅近くの喫茶店で朝ごはんを食べた。時計の針はまだ8時半。亮平起きたかな…
提案があるんだけど…
亮平💚『えっ?待ち合わせしたい?どうして』
翔太💙『TRUE LOVEの最初の歌詞にあるでしょ////あれやってほしい////言わせるなよ恥ずかしい』
亮平💚『可愛すぎかよ////』
もう一度軟膏を塗る羽目になったのは言うまでもない。
まだまだ日中は暑いけど、そろそろアイスコーヒーも終わりかななんて思いながらお代わりしたアイスコーヒーを飲み干す。亮平がブレンドしてくれたコーヒーの方が美味しいな…居なくてもいつだって俺の頭の中亮平でいっぱいで心が温かい。
実は亮平に聞きたいことがあるけど聞けないでいる事柄がある。とうとうその日が明日に迫っても自分勝手な理由が邪魔をして素直になれない。言ったら嫌われそうで怖かった…
喫茶店を後にして待ち合わせ場所へ向かう。どんな服装なのか想像しただけでドキドキした。
過ぎ去った台風から風の置き土産が愛しい人の香りを乗せて俺の鼻をくすぐった。思わず振り向いてしまって笑顔の亮平と視線が重なる。慌てて居直り両手を耳の辺りで広げて静止する。
翔太💙『ごめんごめんやり直し先に振り向いちゃった////』
後ろから羽交締めされるみたいに覆い被さってきた…キュンキュンが止まらないじゃないか!〝肩トントンは?〟抗議するものの亮平はクスクス耳元で笑っていて顔が熱い。俺がお願いしたのは肩トントンしてから〝翔太〟って言ったら亮平の方を振り向いて…ココまでがワンセットだったのに…
〝みんなが見ちゃう////〟亮平は仲良しのメンバーがイチャついてるようにしか見えないよなんて言ってるけど・・・
翔太💙『亮平は見せ物じゃないぞ!』
両肩に手を置きくるっと回転させられ亮平と向き合った〝ダメったら肩トントンしてよ〟
亮平💚『可愛いのやめてくれる?』
意味分かんない!肩トントン…あっやっぱりカッコいい。
亮平の服装は俺と似たようなアイテムなのに足が長くスタイルがよく、高い腰の位置でGパンを着こなしていてすんごくカッコいい。
翔太💙『どうしてこんなに違うんだ…』
〝何がぁ〟と言って顔を覗き込んだ亮平は可愛い。何だかずるい…
翔太💙『カッコいいも可愛いも独り占めでずるいぞ』
首を傾げてまた可愛い顔してる…
亮平💚『じゃっ翔太のカッコいい運転姿でも隣で眺めたいな////どうかな? 早く車に乗ろう?肩トントンはまた今度ね』
路肩に停めた車に向かう途中、先に向かいの歩道に渡った亮平が振り返って手招きしてる。反対側から俺は腕が千切れそうな程大きく腕をブンブン振った。亮平も負けじとブンブン振ってて可愛い。あぁ…肩トントンしてもらう予定が…まぁいっぱいキュンキュン出来たし次の楽しみにとっておこう。
遅れて道路を渡って運転席に乗り込むと助手席にはサングラス姿の亮平が座っている〝カッコいいのずるい〟負けじと俺もサングラスをかける〝めっちゃカッコいいよ〟と言って頭を撫で撫でしてくれた。数億倍亮平の方がカッコいい…見惚れちゃうじゃないか////〝運転手さん前向いて?〟はぁーいと返事するとまたクスクス隣で笑っている。ミラー越しに後部座席を見ると何やら大きめの荷物が積んであった…なんだろう?
亮平行きつけのブランドの洋服屋さんに着くと真剣な顔で買い物をしている。付き合ってから2人で来たのは初めてだし、周りからどんな風に見えてるだろうか…亮平の言うようにただの仲の良いメンバーのお友達くらいにしか見えないんだろうな…
亮平💚『ねぇ見てこれ翔太に似合いそう』
翔太💙『うんそう言うの大好き///どう似合う?』
亮平💚『うんやっぱりお似合いだ…似合いそうなTシャツ見つけちゃった////』
翔太💙『当たり前の日常が奇跡?ヤダァエモい////』
店内でTRUELOVEごっこすると、お互い女の子みたいにキャッキャッ言いながら、腕を叩き合った。
どっから見てもバカップルだ////
お昼ご飯は以前、水族館の帰りに訪れたスパグラの美味しい喫茶店に入った。
〝個室とカウンターが空いておりますが〟
亮平💚『こし…』
翔太💙『カウンターでお願いします!!!』
亮平💚『ふふふふっ//必死かよ…』
当たり前だ俺だってバカじゃない学習能力くらいあるんだ。亮平はとろっとろのオムライス。俺はスパグラを頼んだ。
〝次は雑貨屋さん行こうか?〟んっ…
〝お水いる?〟んん…
〝晩ご飯何食べたい?〟おほば
〝何?〟ふぅーふぅーお蕎麦!
翔太💙『熱いの!質問攻めやめてよ…クスクス笑ってわざとでしょ?』
亮平💚『ふふっ分かった?可愛いんだもん…ねぇ今日お泊まりしようか?』
翔太💙『まじ?本当?でも…泊まる準備してきてない…あっ後ろの荷物』
〝ふふっ〟
急いでスパグラを掻っ込んだ。 …舌を火傷した
〝全くおバカさん〟おバカ嫌いなの?
〝翔太に限り大好物♡〟カウンターで何言ってんだか…やっぱり個室にすれば良かった。
腹ごしらえを済ませると雑貨屋さんに向かった。真っ先にブルーのタンブラーに惹かれて手に取る。
亮平💚『綺麗なブルーだね。洗うのも楽そう』
翔太💙『青い物に目が無くてついつい手に取っちゃう』
亮平💚『分かる俺もだもん不思議だね。緑と青って海の色と同じ。真っ青とした海も浅瀬ではエメラルドグリーンに見えたり…両方とも大好きな色』
〝何見てんの?〟カッコ良すぎで見惚れてました…
他にも青と緑のカトラリーをいくつか購入した。実は亮平に内緒で、蓮に教わりながら誕生日の手作りケーキを修行中の俺。すごく素敵なケーキ皿を見つけて2人分カゴに入れた。真っ白で上品なクラシカルなレース柄のプレートは真っ赤な苺のショートケーキが乗っかったらきっと引き立ててくれる…このお皿に似合うケーキをしっかりと作れるようにならなきゃ。
亮平💚『アレ?これは青色じゃなくて良いの?』
翔太💙『いいのこれは///』
お会計の途中ふと目をやった先に飛び込んできた青い物。一瞬で一目惚れした。会計そっちのけで青い物に近づく。〝亮平来て!コレ可愛い〟亮平は店員さんにすいませんと謝るとちょっぴりムッとした顔をしている。
翔太💙『ごめんなさい』
亮平💚『何どうしたの?』
視線の先の青い塊を見た亮平は〝可愛い〟と言ってはしゃいでいる。亮平も気に入ってくれてる。
厚みのある低めのブルーの座面が特徴的で滑らかに曲げられた太く厚みのある木製フレームが温かい印象を与えている・・・けど高い。それに〝すいませんこれって他の色もあったりしますか?〟亮平は不思議そうに俺とスタッフのやりとりを聞いていた。
亮平💚『買わないの?』
翔太💙『亮平とお揃いで欲しかった…グリーンはないんだって』
亮平💚『買おう一脚だけ買えばいいでしょ!』
〝お揃いがいいの!〟何故か喧嘩腰になってしまって店内で買えだの買わないだの押し問答が続いた。煮え切らない俺に亮平は俺の腕を掴むとレジにズカズカと歩いてバンとクレジットカードを叩きつける〝あの椅子下さい!〟と無駄に大きな声で叫んだ。圧倒される俺を他所に配送の手続きを済ませるとそのまま腕を掴んで店内を後にした。
翔太💙『リョウ?怒ってんの?』
包んでもらったとはいえ、紙袋の中でゴソゴソと揺れるカトラリーにハラハラした。急にブレーキをかけた亮平の背中に鼻をぶつける。
翔太💙『痛っ//』
亮平💚『お気に入りってさそんなに出会えないんだよ…俺の椅子はまたこれから何度でも何回でもデートして二人で見つけよう?もちろんお代は翔太持ちね』
翔太💙『キュンキュンが過ぎる////今日で寿命が縮んだ////』
〝あら大変〟1日で何回クスクス笑うの…?亮平は楽しそうにずっと笑ってた。
亮平 side
幸せな時間ってあっという間だ。
忙しい中でも作ろうと思えば恋人との素敵な時間はいくらでも作れるはずなのに二人きりのデートは今日が初めてだった。仕事に追われる中で心の余裕がなくなってきている。ぽっかり空いた二人きりの休日。数日前から一度は訪れてみたかったホテルを予約した。
高級ホテルの静けさに圧倒された翔太は大人しくお行儀よくソファーに腰掛け穴あきGパンの穴を必死で隠してて可愛い。チェックインを済ませる俺の背中を見ている。部屋に入るなり翔太はカタコチに固まった。
翔太💙『いくらしたのココ⁈』
〝ふふっ彼氏に値段聞くもんじゃありません〟そう言って翔太の鼻のてっぺんをバチンと人差し指で弾いた。急に曇り空の翔太くん…また一人でよからぬ事で悩んでる。
亮平💚『どうした?ホテル気に入らなかった?それとも悩み事かな?』
ベットの端に座る俺の胸に突撃してきた翔太は跪いて腰に腕を回すと俺の脇腹に顔を隠した。
翔太💙『聞いてもいい?』
亮平💚『もちろんなぁに?』
頭をわしゃわしゃ撫でるけど脇腹に張り付いて顔を見せてくれない。
翔太💙『明日から撮影でしょ佐久間と…旅スノ、石川県でしょ?泊まりなの?日帰り?帰ってくる?何時に帰ってくる?俺迎えに行こうか?』
矢継ぎ早に飛んでくる質問の震える声に翔太が涙を堪えているのが伝わってきた。一体いつから悩んでたんだろう…きっと聞けずにギリギリになってしまったんだろう。
亮平💚『明日朝6時にはここを出発する。日帰りの予定だけど撮影が長引けば泊まるかもしれないから、帰りの時間は分からない。ごめんね明日朝一緒に帰ってあげられなくって』
翔太は無言のまま腰に回した腕にグッと力が加わり俺との距離が隙間なく一層近くなると、シャツを掴んだ手の握り拳が震えている。
翔太💙『ごめんね自分勝手だね…佐久間と一緒に泊まるのやだ』
亮平💚『顔上げて?翔太?ふふっブサイクだ////泣き虫さん♡なんで自分勝手なの?』
翔太は佐久間と浮気したのに俺を束縛するような事を言う権利はないのにと言ってビィビィ泣いた。それは確かにそう…
佐久間との事はすごくショックだったし、未だに悲しい気持ちになったり落ち込む事もある。でも済んだことを嘆いでも仕方がないこともわかってる…もう許したんだから。それよりも今も尚、佐久間の事よく目で追いかけている事の方が俺に取っては不安材料だ。変態どもがまだ諦めていない事も。
それに、、、
亮平💚『俺が佐久間と浮気するだなんて事絶対に有り得ない!俺は翔太を二度と悲しませないって心に誓った。俺の好きな人は翔太だけだ!お願いだからもう泣かないで?笑って翔太』
翔太💙『いっぱい傷つけてるのに何でそんなに優しいの?』
〝ふふっ大好きだからに決まってるだろ〟手をグッと引き寄せ胸の中に収まった翔太はまだ泣いていた〝亮平大好き俺も誓います二度と浮気しません//〟当たり前だボケ…子供をあやすみたいに背中を撫で身体を揺すった。暫くして落ち着くと最高級の部屋をウロウロしては感嘆の声をあげている。
上層階から見る東京の街は忙しなく車が行き交い人々も時間に追われるように街を闊歩している。景色を眺める翔太の後ろに立ち首筋に唇を押し付けた。白い腕が伸びて来て頰を撫でると〝エッチな気分です〟と言った翔太は振り向きながら唇にキスするとベットに俺を押し倒した。
コメント
29件
そういえば、康二🧡とも台北行ってたなぁ😘
エッチな気分です、が可愛い。 これだけ浮気しないって言ってたのに…ぐふふ🤭🤭🤭💚💙 でも可愛いからさあ、仕方ないのよ二人とも←甘い人
青い椅子に緑のクッションで手を打ってもらおう🫶 可愛い!カッコ可愛い!!阿部ちゃん大好き💚浮気は心が動いたら浮気💙しょっぴーは、🩷と❤️としか浮気してない(いっぱいしてるw) でも可愛いんだもん、しょうがないよね🥹🥹💚ちゃん、飲み過ぎないでネ。崖で押すな押すな……笑