「コイツは千空、4歳な。…この間俺の親友夫婦が亡くなったのは言ったよな?千空はアイツらの子供なんだ。急で本当に申し訳ねぇんだが今日からコイツを石神家の一員にしてやりてぇ。頼む。」
そう言って百夜は4人兄弟に深く頭を下げた。表情も声を真剣そのものだ。百夜が頭を下げたことで後ろに隠れていた千空の顔が見えた。不安そうな顔をして百夜を見つめ、手に持っているロケットのぬいぐるみをシワが付くほど強く握っている。
「…おぅおぅ!舐められたもんだぜ!」
「ハッハーっ!無粋を言うな百夜!」
「そーねぇ、そんなに畏まらなくってもいいんじゃない?」
「あはは、大事な話って言うから身構えちゃった」
ワッと兄弟達が喋り出すと一気に明るい空気に包まれた。
「百夜、僕らだって拾われた身だ。全員血を繋がりもない。今更1人妹が増えるって言われたってそんなに動揺もないよ」
「むしろ貴様らしいとさえ思うな!どれ、新たな家族の一員が増えると言うのだ。今日はパーティだな」
「んーっぱっ!じゃじゃーんっマジックで飴ちゃん出しちゃったよーん!はいどーぞせんくーちゃんっ」
「千空!ロケットのぬいぐるみ持ってるってことはロケット好きなのか??なら科学は好きか!?一緒に実験しよーぜ!!!」
「…お前ら…!ありがとうっ!自慢の息子達だぜ!!!…千空、コイツらは俺の自慢の息子達だ。羽京、龍水、幻、クロム…お前の兄貴になる奴らだ。まだ慣れねぇとは思うが仲良くしてやってくれな」
兄弟達の勢いに呆気を取られた様子の千空は、百夜に頭を撫でられ小さくコクンと頷いた。きっとまだ受け入れられないだろう。でも、これから始まる生活の第1歩となった。
「千空、改めまして僕は羽京です。4人兄弟の中で1番上のお兄ちゃんなんだ。よろしくね」
「…羽京…」
「そう!羽京だよ!早速だけど千空。ミートソースのパスタは好き?今日の夜ご飯なんだけど…」
「ミートソース…は、好きだ」
くきゅるるるる
小さく可愛らしいお腹の音が千空から聞こえた。元々お腹が空いていたのだろう。羽京は優しく千空と優しく手を繋ぎ、食卓へと連れていく。椅子に座らせようと思ったが少々椅子が高かったため千空を抱っこして座らせることにした。が、千空は座高もまだまだ低いため椅子に座ってもテーブルまで手が届かないことに気づいてしまった。
「あっ、届かないな…龍水、そこにあるクッション取ってもらっていい?」
「あぁ、わかった」
そう言うと龍水はクッションを持ってそれを椅子の上に置いた。
「フゥン、初めましてリトルプリンセス。俺は龍水、石神家の次男だ。これからよろしく頼む」
そう言うと龍水は羽京の腕の中にいる千空の髪を一房掬いとってそこにキスを落とす。その仕草はまるで王子様のようでとても様になっていた。
「こら龍水、千空の教育に悪いでしょ」
コツンと音を立てて羽京の手が龍水の頭に当たる。それはちゃんと兄としての行動であった。
「フゥン、羽京。俺は間違えたことは言ってないはずだぜ?小さくてもレディはレディだ。しかもこれから俺たちと共に暮らす大事な仲間で家族となるのだ。今のうちから姫として接しなければならん。違うか?」
「…はぁ、もう龍水ってば…」
「…リト..プリ…????」
千空は初めての出来事に何が起こったのかわからず目を白黒させている。そんな時後ろから軽快な声が響いた。
「はいはーい🎶龍水ちゃん千空ちゃん困らせないの〜っ!千空ちゃん、初めましてね〜俺は幻、三男だよ〜特技はね…」
そう言うと幻は右手に花を持ちそれをくるりと一回転させた。ポンッと音を立てて千空が花を見た時にはそれが布で作られた花に変わっていた。
「マジック🎶さっきも見せたけどね。はい、ミートソースが飛ぶと折角の可愛いお洋服汚れちゃうもんね」
そう言うと幻は花の形をした布を崩し、それを千空の首に付けてあげた。どうやらエプロンの簡易版を用意してくれたようだ。
「ついでに髪の毛も結っていい?綺麗な髪色してるし、邪魔になるといけないし!」
「ハッハーっ!俺もやるぞ!」
「別にどっちがやってもあんまり変わらないと思うよ龍水…」
「なら三つ編みはどう?千空ちゃんに似合うと思うけど」
「なら…それで頼む」
「OK〜!可愛くしちゃうよん」
「フゥン!貴様の綺麗な髪を結えるのは光栄だな」
そうして右側を龍水、左側を幻が今日に三つ編みにしていく。羽京はご飯の準備をするからとキッチンへと歩いていった。ちなみにこの時点で百夜は一旦、仕事道具を片しに自室へと向かっていった。
「おうおう!早くしてくれよ幻、龍水!ほら千空!これメシな!羽京の作るミートパスタはうめぇぞ!」
にししっと年相応な顔で笑い、千空の目の前にパスタを置いた。するとキッチンから羽京の声が聞こえた。
「クロム、褒めてくれるのは嬉しいけど千空に自己紹介したら?」
「あっ、!そうだったそうだった!千空!俺はクロム!4男な!よろしく!」
「クロム…」
「おぅ!なぁ千空、さっきも聞いたけどよ、ロケットのぬいぐるみ持ってたろ?ロケット好きなのか?」
「!ロケットも好きだ。でも1番好きなのは宇宙だな。いつか自分で作ったロケットで宇宙に行きてぇんだ」
ここで、千空は今日1番長い長文を話した。クロムの質問は千空の好みど真ん中を撃ち抜いたらしかった。
「へぇ!いいな!なぁ、なら科学はどうだ?好きか!?」
「ちょっと、クロムちゃん、千空ちゃんはまだ4歳よ??科学のかの字もあるわけないでしょ…」
「いや、それがそうでもねぇんだ」
「!百夜か。フゥン、もう仕事道具の整理はいいのか?」
「おぅ!お陰様でな!…それでな、千空はすげぇんだぞ!この歳でめっちゃ科学に興味を持っててな!!もう既に中学生か、それ以上の科学に触れてるんだよ!ロケットも作ったりしてる! クロム、お前とは話がいがあるかもな!」
「ひぇ、ど、ドイヒー…その話本当なら千空ちゃんジーマーでゴイスーな天才じゃない」
「ハッハー!欲しいな!」
「それは凄いな…僕らよりも頭がいいってことだろう?」
「本当かよ千空!俺もな!科学が大っ好きなんだ!なぁ千空!一緒にいっぱい実験しよーぜ!」
「…実験…する!!!!ロケットを作る!!!」
「おぅ!勿論だ!2人で作ろーぜ!!!!」
「だっははは!意気投合したな!」
「ゴイスーねぇとっても楽しそう 」
「ハッハー!俺も手伝うぞ!!!」
「あはは、楽しそうでなによりだよ。でも、一旦ご飯にしよう!」
これから楽しい日々が始まりそうです
続く
次からは思いついたものをどんどん投下していく形になります。思いつきで書くので時系列ぶっ飛んだりします。






