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羽海汐遠
16,953
17
#感動
桜乃恋雨🎼
118
深夜
0:17
齢16歳の少女が1人、薄暗い部屋で夜中にひっそりと身支度を整えていた
鏡に写る自分の顔には今日もいつも通りに
寂しさと悲しさが見えている
でも、なぜだか
それらが見えることに安堵してしまう自分がいる
しかし、今日、その顔はいつもと少しだけ違ってほんの少しだけ笑みを含んでいた
そんな顔のすぐ後ろ
窓越しの街灯の光を受け真っ白に照らされた手がいつもより丁寧に髪を結う
「…ふぅ……」
私はそっと息を吐くとカバンをつかむ
窓を開け、ベランダに出た
首をかすめる秋の夜風は思っていたよりもずっと冷えていた
けれども、それも心地よいと思うことにして
部屋に上着を取りに戻ることはしなかった
そして、ベランダのフェンスをゆっくり乗り越え家を抜け出す
触れたフェンスは氷のようだった
アパートの一階の少し古いベランダから抜け出すのは簡単だった
何事もなかったかのように駅へ向かうと私は
夜の駅のホームの椅子で1人座る
あとは次の電車が来たとき飛び込めばいい
…それだけだ
上を見上げてよく目を凝らすとほぼ真っ黒に見えていた空に小さな星が見える
それが思いの他綺麗で、いつの間にか自分の目に涙が溜まっていた
それに視界がぼやけたことで気がつくとそっと上を見上げていた顔をおろす
何かの光で白く光った雫が地面へこぼれる
時刻表を見ると
次の電車が来るまであと4分ほど…
暇だな…、そう思い、私は3秒目をつむる
また空でも見ようかなと
目を開けるとそこには…
…そこには人がいた
銀色をした髪と瞳、綺麗なボブヘア、厚底のブーツとそれを含めても私より少し小さい身長、黒のパーカー、中性的な顔立ち
美しく不思議な雰囲気を纏う人
思わず、見惚れていると
「…大丈夫?」
今、間違いなく目の前の人間はそう言った
コメント
1件
うわー…これ、第2話でこの空気感…めっちゃ好みだわ。 深夜のベランダ、フェンスの冷たさ、駅のホームで星を見上げて涙がこぼれるシーン、全部の描写が静かで美しくて、読んでて息を止めてた。♡♡♡を考えてる子の「あと4分」という時間の重さと、そこに現れた銀色の髪の人の「…大丈夫?」が刺さりすぎる。 何かが変わる予感がひしひしして、続きが気になって仕方ない。Riyuliさんの文体、繊細で一気に引き込まれるわ。次話、楽しみにしてる🔥