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羽海汐遠
16,953
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#感動
桜乃恋雨🎼
118
「…大丈夫?」
そんな美しい声を聞いて私は耳を疑った
それと同時にさっき地面へ零れきって
消えたはずの水滴が
再び自分の視界を歪ませる
そして、
私は
目の前の名前も知らない彼に、
不思議と頼りたいそう思ってしまった
……この時の私には、
ここで彼に頼る選択をした事に後悔した…
なんて…知る由もなかった……
「…なんで泣いてるの?」
寂しかった、
何をしても、誰も見てくれない、
認めてくれない、どんなでもいい、認められたい、お願い、認めて、ねぇ………、
気がつけば知らない人のはずなのに、随分とたくさんのことを話してしまっていた
そろそろ話を聞いてくれてありがとう、そう感謝を伝えて帰ったほうがいいのではないか
飛び込もうと思っていた終電も逃してしまったし、もともと高校生が出歩く時間ではない
深夜
1:24
駅の古びた時計はそんな時刻を表示していた
そんなことを思っていた時、
再び耳を疑う言葉が聞こえた
「そうなんだ、…叶えようか?」
驚いた表情で見つめていると、彼は続けた
「魔法、…使えるから…」
それを聞いて、私はこう言っていた
「…私も…魔法使えたら…良かったのにな…」
純粋なあこがれもあったのかもしれない、
しかし、今、私が発した言葉は
そうであれば、きっとみんな認めてくれる、注目してくれる、なんで自分にないのか
そんな願望、欲望、嫉妬といった感情ばかりで出来たものであった
「…うーん…そうだな…
ならさ、使える“みたい”にするのは?魔法、」
私は目を瞬いた、
彼が何を言っているのか
理解できないとでもいうように
「君には魔法を使うことができない、
でも魔法を利用することはできる」
魔法を利用…でも本当に上手くいくのだろうか
上手くいったとして
今から魔法を使える“みたい”になってどうすればいいのか、
できる
という一言で嫌でも思考が現実に傾いていく
「今から変わってもって思う?
…ならさ過去を変えるのは、どう?」
思考を見透かしたような言葉に驚きながらも
私が肯定の意味を持って頷くと
そのまま話が進む
「例えば過去の自分に記憶を渡してくるとか
そしたら未来を知る魔法、みたいにできるんじゃない?」
予言者それは、私にとって魅力的だった
そしたらきっと、……
コメント
1件
「…大丈夫?」の一声で、涙がまた溢れてしまう瞬間、すごく分かります……。知らない人なのに全部話してしまいたくなる、その気持ちのまま終電を逃す深夜1:24という空気感もたまりませんでした。そして「魔法、使えるよ」からの“使える“みたい“にする”発想が面白くて、つい引き込まれました。過去を変える選択が、この先どう転ぶのか──伏線の一文も含めて、続きがすごく気になります!💫