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#山中柔太朗
Freesia
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3ヶ月で本気(マジ)になる恋。
🩷佐野勇斗
💛吉田仁人
🤍山中柔太郎
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
第15話 隣にいたはずなのに。
さのじんの動画が、更新されなくなった。
最初は、たまたまだと思っていた。
撮影の予定が
合わなかったのかもしれない。
忙しくて、
編集が間に合っていないだけかも
しれない。
そう思っていたのに。
数日経っても、
新しい動画は上がらなかった。
仁人は、スマホを手に取るたびに、
無意識にチャンネルを開いてしまう。
新しい動画はない。
分かっているのに、また開く。
そして、
気づけば過去の動画を再生していた。
画面の中では、
勇斗がいつも通り笑っている。
隣にいる仁人にちょっかいを出して、
くだらないことで笑って、
楽しそうに話しかけてくる。
💛「……うるさいな、ほんと」
動画の中の勇斗に向かって、小さく呟く。
けれど、
その声に嫌そうな響きはなかった。
むしろ。
少しだけ、寂しそうだった。
前は、こんなふうに話しかけてくれた。
何でもないことで笑ってくれた。
自分が素っ気ない返事をしても、
めげずに隣にいてくれた。
それが、
いつの間にか当たり前になっていた。
……いや。
当たり前だと思っていたのは、
自分だけだったのかもしれない。
💛「……俺、何やってんだろ」
動画を一時停止する。
画面の中の勇斗は、笑顔のままだった。
あの日、自分が言った言葉が、
何度も頭の中で繰り返される。
『勇斗って、そういうの慣れてるでしょ?』
『人をその気にさせるようなこと。得意じゃん、そういうの』
……言いすぎた。
本当は、
あんなことを言いたかったわけじゃない。
勇斗が自分に優しくしてくれるたび、
嬉しかった。
話しかけてくれるたび、
もっと話したいと思っていた。
なのに、自分の気持ちが分からなくて。
勇斗の言葉に振り回される自分が嫌で。
つい、あんな言い方をしてしまった。
💛「……嫌われた、かな」
ぽつりとこぼした言葉が、
静かな部屋に落ちた。
勇斗は、怒っているのだろうか。
それとも、傷ついているのだろうか。
もしかしたら、
もう自分に話しかけたくないのかも
しれない。
そう考えると、
胸の奥がぎゅっと苦しくなった。
💛「……はぁ」
スマホを伏せる。
けれど、ほんの数秒後。
また手に取ってしまった。
今度は、
少し前に投稿されたショート動画。
勇斗がふざけて、
仁人が呆れながら笑っている。
その笑い声を聞いた瞬間、
仁人の表情がほんの少しだけ緩んだ。
💛「……楽しかったな」
思わず口にしてから、ハッとする。
💛「……いや、別に。動画が面白かっただけだし」
誰に言い訳しているのか、
自分でも分からなかった。
ただ、ひとつだけ確かなことがある。
――勇斗と、前みたいに話したい。
でも。
自分から話しかける勇気は、
まだなかった。
その日のスタジオ。
メンバーがそれぞれ準備をしている中、
勇斗と太智が何やら話していた。
💙「なあ勇斗、今日このあと空いとる?」
🩷「ん? 空いてるよ!」
💙「ほんなら、飯行かへん? 俺、めっちゃ腹減っとるんやけど笑」
🩷「いいよ! 何食べる?」
💙「えー、どうしよ。なんかうまいもん食べたい!」
🩷「ざっくりしすぎでしょ!笑」
💙「ええやん! ほら、行きながら考えよ!」
🩷「はいはい、じゃあ行こっか笑」
楽しそうに笑い合う2人。
その会話が、少し離れた場所にいた仁人の
耳にも届いていた。
💛「…………」
一瞬だけ。
本当に、一瞬だけだった。
仁人の顔から、いつもの表情が消えた。
勇斗が太智とご飯に行く。
ただ、それだけのこと。
メンバー同士でご飯に行くなんて、
珍しくもない。
自分だって、今まで何度もそうしてきた。
なのに。
どうして、こんなに寂しいのだろう。
勇斗が自分以外の誰かと楽しそうに
しているのを見るだけで、
胸の奥がざわつく。
💛「……別に、いいじゃん」
誰にも聞こえないくらいの声で呟く。
そして、
すぐにいつもの顔に戻そうとした。
……けれど。
その一瞬を、見逃さなかった2人がいた。
🤍「……ねえ、しゅん」
❤️「……うん。見た」
🤍「……分かりやすいね、仁ちゃん」
❤️「……ほんまになぁ笑」
2人は顔を見合わせた。
ただし、笑い声を上げたり、
仁人をからかったりはしなかった。
今の仁人にそんなことをしたら、
きっと無理に笑ってごまかしてしまう。
だから、
柔太朗は何も言わずに仁人の近くへ
移動した。
🤍「仁ちゃん、これ見た?」
💛「……何?」
🤍「この前の動画。コメント、また増えてたよ」
💛「……ああ、そうなんだ」
🤍「うん。相変わらず、さのじん人気だね」
柔太朗は、いつも通りの声で話す。
わざと勇斗の名前を強調することもない。
仁人が返事に困らないように、
ただ自然に隣にいる。
一方、
舜太も何気ない顔で会話に加わった。
❤️「そういや仁ちゃん、今日このあと何するん?」
💛「……別に。帰るだけだけど」
❤️「そっかぁ。ほんなら、ゆっくりできるなぁ」
💛「……うん」
それだけの会話。
それでも、仁人がひとりで
考え込まないように、
2人はさりげなくそばにいた。
もちろん、
勇斗と太智に気づかれないように。
そのときだった。
少し離れた場所で、
勇斗がふと仁人の方を見た。
楽しそうに太智と話していた顔が、
ほんの少しだけ変わる。
話しかけたい。
今なら、少しだけでも。
そう思って、勇斗は一歩踏み出しかけた。
🩷「……仁人」
声に出したつもりだった。
けれど、それはあまりにも小さくて。
仁人には届かなかった。
🩷「…じッ」
もう一度、呼ぼうとした。
でも、その瞬間。
❤️「勇ちゃん! 太ちゃん待っとるでー!」
少し離れたところから、
舜太の声が飛んできた。
🩷「……あ、うん! 今行く!」
勇斗は反射的に返事をする。
そして、もう一度だけ仁人を見た。
仁人は、柔太朗と何か話している。
こちらを見てはいなかった。
……そっか。
勇斗の胸が、静かに沈んだ。
……そうだよね
仁人は、俺と一緒にいたくないんだ
あの日の言葉が、また頭をよぎる。
『わざわざ仕事終わりまで一緒にいなくてもいいでしょ』
『あんまり本気にしない方がいいのかなって』
自分が近づくことで、
仁人を困らせてしまうのなら。
これ以上、無理に話しかけない方がいい。
……俺が話しかけたら、
また困らせちゃうかもしれないし
勇斗は小さく息を吐いて、
太智の方へ歩いていった。
その背中を、仁人は見ていた。
ほんの少しだけ、
勇斗がこちらを向いた気がした。
何かを言おうとしていたようにも見えた。
💛「…………」
もしかして。
今、俺に話しかけようとしてくれた?
そんな考えが、
ほんの一瞬だけ頭をよぎる。
けれど。
……いや
……勇斗が、俺に話しかけるわけないか
自分でそう決めつけて、視線を落とした。
勇斗が何を考えているのかなんて、
分からない。
分からないのに。
自分に都合のいい期待をして、
また傷つくのが怖かった。
💙「勇斗ー! 早よ行こ!」
🩷「あ、ごめんごめん! 今行く!」
勇斗の明るい声が聞こえる。
その声は、いつもと変わらなかった。
だからこそ、仁人には分からなかった。
勇斗が、どんな気持ちで自分から
離れていったのか。
そして勇斗もまた、
仁人がどんな気持ちでその背中を
見つめていたのか、知らなかった。
勇斗と太智が出ていってから、
スタジオは少し静かになった。
仁人はしばらく黙っていたが、
やがて隣にいた舜太へ顔を向けた。
💛「……舜太」
❤️「ん? どしたん?」
💛「……ちょっと、相談してもいい?」
舜太は一瞬だけ柔太朗と目を合わせた。
柔太朗は何も言わず、小さく頷く。
❤️「ええよ。どしたん?」
💛「……勇斗のことなんだけど」
その名前を聞いた瞬間、
舜太の胸の中で何かが動いた。
けれど、表情には出さない。
❤️「……うん」
💛「……俺、あの日、言いすぎたと思うんだよね」
仁人は膝の上で、ぎゅっと手を握った。
💛「勇斗がどういうつもりで俺に優しくしてくれてたのか、ちゃんと聞いたわけでもないのに……勝手に決めつけて」
💛「……あんな言い方、するつもりじゃなかった」
❤️「……そっか」
舜太は、急かさずに続きを待った。
💛「それから、勇斗、俺にあんまり話しかけてこなくなったし」
💛「……今日だって、俺のこと見てた気がしたのに、結局何も言わずに行っちゃった」
ほんの少し、声が揺れた。
💛「……やっぱり、嫌われたのかな」
その言葉に、
舜太はすぐには答えなかった。
勇斗の気持ちを知っているからこそ、
簡単に「そんなことないよ」
と言うわけにはいかなかった。
勇斗は、
仁人を嫌いになったわけじゃない。
むしろ、好きだからこそ傷ついて。
好きだからこそ、
これ以上仁人を困らせないように
距離を取っている。
けれど、
それを仁人に教えることはできなかった。
❤️「……それは、勇ちゃんにしか分からんことやと思う」
仁人は、俯いたまま頷いた。
💛「……だよね」
❤️「でもな」
舜太は、
いつもより少しだけ優しい声で続けた。
❤️「仁ちゃんが、ほんまはどうしたいんか。それは、ちゃんと考えてみたらええんちゃう?」
💛「……俺が、どうしたいか?」
❤️「うん。勇ちゃんがどう思っとるかも気になるやろうけど、仁ちゃん自身はどうしたいん?」
仁人は、答えられなかった。
どうしたいのか。
そんなの、
もう分かっているような気もする。
勇斗と話したい。
前みたいに笑いたい。
隣にいてほしい。
でも、それを口にするのは、
なぜか怖かった。
💛「……分かんない」
小さく呟く。
💛「……ただ、前みたいに戻りたい」
舜太は、そっと笑った。
❤️「……そっか」
💛「……うん」
❤️「ほんなら、焦らんでもええんちゃう? ちゃんと自分の気持ち、考えてみたらええと思うよ」
仁人は、少しだけ顔を上げた。
💛「……ありがとう、舜太」
❤️「ええよ! いつでも聞くで!」
その隣で、柔太朗は何も言わなかった。
ただ、仁人が少しでも気持ちを整理できる
ように、静かに話を聞いていた。
やがて仁人は立ち上がり、
帰る準備を始めた。
💛「……じゃあ、俺、先帰るね」
❤️「おう! また明日な!」
🤍「またね、仁ちゃん」
💛「……うん。また明日」
仁人は小さく笑って、部屋を出ていった。
ドアが閉まる。
そして。
数秒の沈黙のあと。
🤍「…………ねえ、しゅん」
❤️「……ん?」
🤍「……あの2人、何してんの?笑」
❤️「っははははは!!笑」
舜太が、とうとう吹き出した。
❤️「いや、ほんまそれな!!笑 何しとんの、あの2人!!」
🤍「いや、もうさぁ……お互いめちゃくちゃ話したそうなのに!笑」
❤️「そうなんさ!! 仁ちゃんなんか、勇ちゃんが太ちゃんと飯行くって言うたとき、めっちゃ寂しそうな顔しとったやん!笑」
🤍「一瞬だったけどね笑」
❤️「でも、めっちゃ分かりやすかったやん!笑」
🤍「……まあ、ね笑」
2人は顔を見合わせて笑った。
🤍「しかも勇ちゃん、さっき仁ちゃんのこと呼ぼうとしてたでしょ?」
❤️「そうそう! 俺が呼んだら、結局何も言わんと行ってもうたけどなぁ笑」
🤍「タイミング悪すぎない?笑」
❤️「いや、俺もあんなタイミングになるとは思わんかったんさ!!笑」
🤍「あはははは!笑」
しばらく笑っていた柔太朗だったが、
ふと真顔に戻った。
🤍「……でも、仁ちゃんも相当だよね」
❤️「……ん?」
🤍「勇ちゃんと話したいのに、嫌われたかもって思ってるんでしょ?」
❤️「……そうみたいやなぁ」
🤍「勇ちゃんも、仁ちゃんに嫌がられたと思ってるし」
❤️「……両片思いって、ほんまじれったいなぁ!笑」
🤍「あははは!笑 見てる方もおもろいわー、これ笑」
❤️「それな!!笑 お互い好きなくせに、相手の気持ちだけ全然分かっとらんの!😂」
🤍「本人たちはめちゃくちゃ悩んでるんだけどね笑」
❤️「それはそうなんやけど……いやぁ、でもなぁ!笑」
舜太は、
楽しそうに笑いながら椅子にもたれた。
❤️「……あと2ヶ月……?」
🤍「うん」
❤️「……2ヶ月もないか……泣笑」
🤍「そこ、急に現実に戻るじゃん!笑」
❤️「いやいやいや!! だって、ほんまに時間ないやん!!😂」
🤍「確かにね笑」
❤️「このままやったら、何も言えんまま終わってまうかもしれへんやん……!」
🤍「……それは困るね笑」
❤️「困るやろ!? 俺、そんな結末見たないんやけど!!笑」
🤍「ふふっ。しゅん、結構楽しんでるよね?笑」
❤️「……そら、楽しんどるけど!!笑」
🤍「認めるんだ笑」
❤️「だって、両片思いって見とる方もおもろいんやもん!!笑」
🤍「あはははは!!笑」
また2人で笑い合う。
けれど、柔太朗がふと小さく首を傾げた。
🤍「……でもさ。このまま2人とも何も言わなかったら、ずっとこのままだよね」
❤️「…………あっ」
🤍「……あっ、じゃないのよ笑」
❤️「いや、ほんまやん!!」
舜太は勢いよく体を起こした。
❤️「……なあ、柔ちゃん」
🤍「ん?」
❤️「2人とも何も言わんのやったら、俺らで少しずつヒントあげてこ!笑」
柔太朗は一瞬きょとんとして、
それから、いたずらっぽく笑った。
🤍「……あ、それいいね笑」
❤️「やろ!? ちょっとずつ背中押してったら、さすがに何か変わるかもしれへんやん!笑」
🤍「でも、あからさまなのはダメだよ?」
❤️「分かっとるって! さりげな〜く、な?笑」
🤍「……本当に分かってる?笑」
❤️「分かっとるわ!!😂」
🤍「あはははは!!笑」
柔太朗は笑いながら、
椅子の背もたれに体を預けた。
🤍「……いやぁ、面白くなってきたね笑」
❤️「ほんまになぁ!笑」
🤍「でも、ちゃんと2人に幸せになってほしいけどね」
その言葉に、
舜太は少しだけ笑みを柔らかくした。
❤️「……うん。それは俺も思っとる」
勇斗が仁人をどれだけ大切に
思っているのか。
舜太は知っている。
だからこそ、いつか仁人が自分の気持ちに
気づいて、
勇斗の隣に戻ってくれたらいいと思う。
けれど、それを今、教えるつもりはない。
2人が自分で気づくことに
意味があるから。
……それに。
このじれったい時間を、もう少しだけ見て
いたい気持ちも、
ほんのちょっとだけある。
🤍「……じゃあ、作戦会議だね?笑」
❤️「おう!! 俺らでちょっとずつな!笑」
🤍「勇ちゃんにも仁ちゃんにも、バレないようにね」
❤️「任せとき!笑」
🤍「……なんか不安だなぁ笑」
❤️「なんでやねん!!😂」
また、2人の笑い声が部屋に響いた。
もちろん、本人たちには内緒。
勇斗も、仁人も。
自分の気持ちをまだ知らないまま。
少しずつ離れてしまった距離を、
どうやって戻せばいいのか分からずに
いる。
そんな2人の背中を押すために。
舜太と柔太朗の、
秘密の作戦会議が始まった。
――隣にいたはずなのに。
今はまだ、遠い。
でも。
その距離を縮めようとしている人たちが、
すぐそばにいることを。
2人は、まだ知らない。
コメント
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ほんと見てるこっちも焦れったくなるw仁人くんに話しかけたい勇斗くんと話したい仁人くんがほんと焦れったいwwあと、柔太朗くんと舜太くんがキューピットになってるの可愛い!あいからわず全然わかってない大地くんもかわちぃ♡とにかく、 この作品神✨️続きも楽しみにしてる!
あーーー本当、じれったいわ! さっさと仲直りして付き合ってよ!(難しいのはわかるが!)
キューピット仲間増えた!じゅうちゃんとしゅんちゃん協力して両片思いを実らせて〜!あと2ヶ月もないだと?!間に合うかな〜 主ちゃんも頑張ってね〜