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〝光のガラス〟という世界では、今日もガラス妖精が黄金の空へと飛び、友達と話し、笑って、時には歩くとコツコツと鳴るガラスの地で、自分の世界にひたる。とにかく皆、共通してるのは〝ポジティブ〟だってこと。ガラス妖精はすぐ落ち込む、落ち込むと頭の上にプカプカ浮かんだ星の明るさを失い、まっくら。と思ったら、他の友達とまた話して笑って、また光を取り戻す。前向きでみんなしあわせそうに過ごす。だが、それはだれかにとってナイフになっていた。
「ねぇねぇ!」ガラス妖精のゆうきくんが笑顔でわたしに話しかけてくれた。わたしは光ガラスでつくられたブランコから降りて 「なぁに?」と微笑んで返した。ゆうきくんは明るくふしぎそうに言った。
「なんでキミ、名前ないの?」
わたしは唇をかみしめて、「えっと…」とつぶやき苦笑いした。 ゆうきくんは目をキラキラさせて言った。
「もしかして!かくしてるの?すっげえ名前だから?!」
「ち、ちがうよ!」 「教えて!おねがい」ゆうきくんはわたしの肩をゆらし、わたしのガラスの髪の毛が顔にあたるカチッという音がうるさく、こわく聞こえた。
「えっ…と」わたしは、わたしは笑顔をつくって「わたし、ないんだ」と言った。するとゆうきくんは間を開けて、笑顔でこうつぶやいた。
「へんなの」
ゆうきくんはそのまま、ガラスの滑り台ですべる男の子に話しかけられ、遊びに加わった。 バキッ! わたしはハッとして、下を見た。地にわたしがかみしめた唇のガラスがわれて、ガラスの破片が落ちていた。あせってわたしは空中に浮かび、ガラスでつくられたビルとビルをくぐり、くぐり、だれもいない、光のないガラスの森にはいって、わたしは座りこんだ。木にもたれ、ふりむいて、ガラスに反射するわたしの顔を見た。涙がポロポロでていて、頭の光が真っ暗。顔にヒビ、まだ心も幼いわたし。 ヒック…ヒック… わたしは下を向き、涙を落とし、こう思った。 …やっぱりママは、わたしのこと捨てたのかな?ねえ、ママは、やさしいママの代わりの先生がわたしに部屋をわたして、世話してそばにいるの、知ってる?でも、でもね、ぜんぜん満たされない、さびしい…なんで名前つけてくれなかったの?いらないの…? すると 「…!」 わたしは周りを見渡した。だれかに呼ばれてる気が… 「…!!」 わたしはガラスの木をくぐり、ビックリして目を大きくした。地面に、とても大きくて底の見えない鍵穴が、「立ち入り禁止!」「入ったら戻れないよ」とかかれた立ち入り禁止シートに囲まれていたの。 「…!!!」 わたしは分かった。ママだ。思いっきり飛び込み、深く深くわたしは落ちた。ママに会えるなら、大丈夫…落ちる感覚が、浮いてるみたいだった。