⚠️これはワンピースのBLです。⚠️ロールです。
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空回り –side:Law–
ドフラミンゴを倒した後、確かに何かが崩れた。
胸の奥にずっと閉じ込めていた感情。それを自分は「利用」と呼び、「同盟」と呼び、名前のない何かにすり替えてきた。
でも、麦わら屋が自分のために叫んで、傷ついて、戦ってくれたあの日。
あいつが「仲間」だと叫んだ瞬間、自分の中の“何か”が、音を立てて壊れた。
——ああ、俺は、こいつに惚れてるんだ。
認めた瞬間、逃げ場はなかった。
⸻
「トラ男〜!おい、聞けってばよー!」
あいつは躊躇なく距離を詰めてくる。
無邪気な声で、気まぐれに笑って、当然のように近づいてくる。
「お前さ、髪また伸びた?なんか目つき悪くなってねぇか?怒ってんのか?」
「怒ってねェ。近いんだよお前は」
「えー、そうか〜?」
満面の笑顔。悪気なんて一切ない。
——それが一番タチが悪い。
麦わら屋の“好き”は全方位に向けられる。仲間に、家族に、世界に。
その中に自分がいるのはわかってる。
でも、自分が向けてる“好き”とは違う。それが痛いほどわかるから、距離を取るしかない。
「……俺とお前は、敵同士だろうが」
わざと冷たく言う。あいつが少しでも引いてくれたら、抑えられる気がした。
でも。
「敵だったら好きになっちゃダメなのかよ?」
その声に、動きが止まった。
「おれさ、お前のこと…たぶん、好きなんだと思う。よくわかんねェけど、そーなっちまったから、しょうがねェだろ?」
にこにこ笑ってる。その顔が、苦しいくらい眩しかった。
「ふざけんな…っ、お前の“好き”と俺の“好き”は違う!」
自分の声が思ったより強くて、麦わら屋がぴたりと止まる。
沈黙。息が詰まりそうな時間。
それでもあいつは、真っ直ぐに言った。
「でも、おれは好きになっちまったんだ。お前がそういう目でおれを見てなくても、関係ねェ。おれはもうそうなっちまったんだ!」
——なんでそんな顔ができるんだ。
——なんでそんな真っ直ぐでいられるんだ。
羨ましくて、悔しくて、でも抱きしめたくてたまらなかった。
⸻
その夜、ローはひとりデッキで風に吹かれていた。
胸の内がうるさくて、眠れるわけがなかった。
「……あいつに、触れたかった」
小さく吐いた言葉が、夜空に溶ける。
でも。
「欲しいもんは、自分で手に入れる…海賊だからな」
だから逃げない。
まだ“お前の隣”が手に入る保証なんてないけど、あいつが真っ直ぐぶつかってくる限り、自分も向き合うしかない。
だけど今は、もう少しだけ。
「……空回りさせてくれ、麦わら屋」
胸の中の叫びは、まだ、誰にも聞こえなくていい。
—
To be continued…
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