ープロローグー
ー突然ですが、質問です……!
ー皆さんは、異世界とか、異世界 転生とか…、
ーそういう言葉を、聞いたことが、ありますか…………?
ーはい、そうですよね………!、
ー勿論、おありでしょうね………。
………かくいう私も、異世界 転生という、不思議な言葉を、小説で読んで、当の昔から、知っていました。
ーけれど………。
(ー異世界に、転生することや、異世界が、あることなんて………、
ー……きっと、物語だけの、お話なんだろうなぁ………!)
ーなんて、そんな風に、考えていました。
………けれど………、
ーこの時の私は、知らなかったのです。
…………私が、16歳になった、翌日
ーその日に、突然に、異世界に、召還される、なんてこと………………………。
ーしかも、その日に、私の執事に、任命されたばかりだった、神田さんという、男性も、一緒に………
ー異世界に、召還された、ということを………………。
ーこれは、お嬢様らしくない、私
ー宝町 美氷
(たからまち みひ)
ーと、執事っぽくない、不思議な、執事さん
ー神田 瑠衣杜
(かんだ るいと)
さんー
………が、突如、異世界に、召還されたことから始まる、物語ーー。
ー1話ー
「………美氷!
ー昨日話してた、誕生日の、プレゼントよ……!」
ーぶーっ!!
ーコップに一杯の、水を、飲んでいた、私、宝町 美氷はーー、
ーお母様の言葉と、「プレゼント」の内容に、思いっきり、それを、テーブルに、噴いてしまった。
「………ごほっ、ご、ごめんなさい、お母様………。
ーあ、あの、この人が、プレゼントって………ど、どういう………?」
(………ど、どういうこと、ですか…っ…!?)
ーだって、お母様が、指差している、先に居たのはーー、
ー整いすぎた、顔立ちをした、1人の、男の人だったんだもの…!
………けれど、普通、16歳の娘に、お母さんが贈る、誕生日 プレゼントって………、
ーこんな、イケメンさんではなく、服とか、靴とかだと、思うんだけど…………………。
(………それに、何より……………。)
「………ひ、人を、プレゼント扱いするのは、良くないことだと、思います………っ………!」
ー私が、そう反論するとーー、
「………面白い人ですね、美氷 様は………。」
ーそのイケメンさんが、クスクスと、笑い声を立てた。
「………ええっと………、
ーあ、有り難う、ございます……………?」
ー誉められているのか、貶されているのかーー、
ー私は、微妙な、気持ちのまま、お礼を言う。
「ーちょっと、神田君!
ーあなたは今日から、美氷の、執事なんだから、美氷には、敬語を使って貰わないと……!」
………ん?
ー今日から、あなたは………ひつじなんだから……?
ーお母様は、
「……あなたはーー羊なんだから……ー!」
ーって、言ったのかな………?
(………ううんっ!
ー流石に、それは、聞き間違いだよ………!)
ー私は、自分で自分に突っ込みつつ、頭の中で、疑問が、渦巻くのを、止められない。
「…あ、申し訳ありません………。
ー矢張、この仕事は、僕ーいえ、私には、慣れないものなのでして………。」
ー神田さん、と、お母様に呼ばれた、そのイケメンさんは…………、
ー頭の中が、そんな状態の、私の前に……、
ー何故か、恭しく、跪いた。
「…初めまして、美氷 お嬢様。
ー私は、本日から、あなた様の、執事となりました。
ー神田 瑠衣杜と、申します。」
ー彼の口から、「執事」と、はっきり言われて、私は、やっと、納得した。
「………し、しつじ………執事さん!
ーそっかぁ、やっぱり、あれは………、
ー私の、聞き間違いだったんですね………!」
ー私の言葉に、イケメーううん、神田さんは、
「………えっ…?」
ー一瞬、形の良い眉を、上げた後ーー、
「……矢張ー、このお嬢様なら、心から、お仕え出来そうです………。」
ー…何を思ったのか、又、クスッと笑ってーー、
「…っ!?」
ー私の右手に、軽く、キスを落とした。
………い、今ー掌に、キスされた…っ…!?
ー私は、思わず、頬を、赤らめる。
………さっきの、彼の言葉は、良く分からないけれど………、
ーきっと、今までの、執事さんよりも…、
ー神田さんとなら、上手く、打ち解ける気がする…!
ーと、浮き立つ気持ちで、何故か、熱い頬を、緩めた、私はーー、
………全く、知らなかった。
………この後、私達に、突然、あることが、起こることをーー。
………その、予兆を……………。
ー2話に続くー
コメント
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二話が楽しみです!