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エンシェントアイ……凄まじい魔力の塊が大砲以上の威力で飛んでいく。ブレアの一撃だけでも大砲を破壊できた。しかし、また戦艦は大砲を撃ってきた。
「お任せあれ……! 黄金の箒!!」
今度は、アルフレッドがクリスタルソードを振るった。破壊的な光が大砲を粉々に打ち砕く。さすが俺が作った武器だ。更に、ストレルカが指示し、大精霊・オケアノスが大魔法を放った。
「オケアノス、タイダルウェーブを放ちなさいッ!」
巨大な大津波が発生し、アルフレッドの光と共に艦隊を襲う。すげぇ、連携技になるとはな。これには俺も胸が熱くなった。
「馬鹿な、馬鹿な!! あの黄金の光は何なんだ……!! それに、大精霊召喚!? なぜ、こんな辺鄙な場所に召喚士がいるのだ!!」
激しく動揺するブラームス。本来なら戦艦などに勝てるわけがない絶望的状況だったのに、予想外の抵抗。俺たちがこれ程の力を持つとは思わなかったらしい。
「ブラームス、降参するなら今だぞ!」
「だ、誰が降参など……撃て、撃ちまくれッッ!!」
ブラームスは必死に指示する。
その度に大砲による攻撃が激しさを増した。島には絶対に被害を出させない。後は俺が決着をつける。
ハヴァマールとスコルの力を無駄にしない為にも、俺は全身全霊を懸けてこの槍を放つ……!
「俺の島に攻撃したこと、後悔させやる――!!!」
「んなッ! ラスティ……貴様、その槍で何をする気だ……!」
こうしてやるのさ!!
俺は助走をつけ思いっきり槍を投擲した。
「聖槍・グングニル!!!」
海へ放たれるや槍は爆発的に稲妻を轟かせ、海に浮かぶ戦艦を次々に襲い始めた。
ゴロゴロと雷鳴が響き、怒りのままに雷が落ちていく。嵐となった海は戦艦を揉み、船体を激しく揺らす。そこへ雷霆万鈞を起こす。
「せ、船体が真っ二つに……!」
スコルが口元を手で押さえて驚いていた。俺もびっくりしたよ。あんな距離があるのに、槍が雷を降らせたかと思ったら、激しくビリビリするんだからな。
これが聖槍・グングニルの威力。
ついに、戦艦七隻は全て海の底へ沈んだ。
「…………ば、馬鹿な。ありえない……一撃で僕の艦隊が………」
膝をつき、両手さえも地面につくブラームス。涙目になって絶望していた。
「諦めろ、ブラームス」
「く、くぅぅぅ……ラスティ、貴様ぁ……よくも僕の艦隊をォ!!」
砂を掴み、それを投げてくるが全然届いていないし、弱々しかった。……そうか、ブラームスにとってあの艦隊が力だったんだ。こいつ自身には何の強さもない。ただ、自慢げに船を浮かべ、数の暴力で押し切っていただけだ。
「兄貴、今まで世話になったな」
俺は優しい声でブラームスの肩に手を置く。
「ゆ、許してくれるのか!?」
「んなわけねぇだろ、ボケェ!!」
今まで散々コケにされたり、昔のスコルの恨みや色々混ぜて俺はブラームスの顔面を殴った。
「ぶふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…………」
高速回転して浜辺に体を撃ちつける肥満体のブラームス。見事にバンバンと飛んでいく。やがて、大きな岩に頭を打ちつけ――白目を剥き、泡を吹いて倒れた。
「ふぅ、すっきりした。積年の恨みを晴らせたぜ」
「ラスティさぁ~ん!!」
「スコル! なんとか島を守れたよ」
「はいっ、ラスティさんを信じておりました。ご無事でなによりです」
抱きついてくるスコルを俺は受け止めた。それから、ハヴァマール、アルフレッド、ブレア、ストレルカも全員が飛びついてくる。――って、全員は受け止めきれないよー…!