アパートの解約をすると、しーちゃんに連絡すると
‘リハビリだけでなく、トレーニングまで気が向くのは藤堂さんのおかげよね’
と、そのことを喜んでくれて反対はされなかった。
‘香ちゃんが、才花のような腹筋を目指すって言ってるけどなかなかよね。私がたんぱく質メニューを作って、鶏ももの皮も全部取って料理しても、大学の帰り道にアイスクリーム屋さんに行ったりするんだもの。がっかりしちゃう、フフン’
がっかりと言いながらもフフンとご機嫌なしーちゃんは、洋輔さんと香さんと仲良く楽しく生活してるようで安心する。
‘才花は食事コントロール継続?’
「そうだね。絞ってるわけじゃないけど」
‘習慣になってるから、今さら油物をガツガツ食べないか’
「うん。新しいレシピ、ささみ鍋が上手に作れるようになったの」
‘やるわね。香ちゃんがささみは嫌いなのよ’
「わっ、たんぱく質メニューに難関だね」
‘なのに昨日、ミニ丈のパーカーを買って来てるの。目標には届いてないからおかしいけれど、若いから健康的な肌見せもいいんじゃない?って、フフン’
「いい、いい」
やっぱりご機嫌なしーちゃんとしばらく話をしてから、今日のトレーニングを開始した。
そして、今日のトレーニングメニューを終了させるとシャワーを浴びる。
今日は私一人でお留守番なので、部屋がとても静かだ。
シャワーのあと、その静かさが少し気になったのでマシンのある部屋で大きめに音楽を掛けドアを開けておく。
これでキッチンにもリビングにも音楽が聞こえる。
自分でシナモンのホットミルクを作るとソファーに座り、ずっと放置していた連絡をいくつかしようとスマホを手にした。
まず、スクールの事務局にメールする。
‘遅くなりましたが退学手続きをさせて頂きたいので、必要書類等があれば、ご連絡ください。よろしくお願い致します’
ふぅ…これでいいよね。
このスクールでなくても踊る機会はある。
ここは皆をよく知り過ぎていてつらい。
トニーのいるときに手続きに行こう。
それからアルバイト先のカフェにもメールを入れる。
‘ご迷惑を掛けておりすみません。治療に専念するためアルバイトは辞めることにしました。申し訳ありません。店長のおられる時に制服を持って伺うのでシフトを教えて頂けますか?お手数ですが、よろしくお願いいたします’
こちらも長くお世話になった。
日常生活に支障がなくなれば、アルバイトは出来るだろう。
でも住まいが変わって通いづらくなるし、何もかも一新したい。
だから勝手だけれども、挨拶に行っておしまい。
スマホを置いてホットミルクをコクコク飲むと、マグカップの中を覗いた。
「羅依の方がいいな、これ…」
まあまあ、美味しいけど。
そういえば…しーちゃん……香さんの話が増えているな………
私は音楽が響くリビングで、ボーッとそんなことを考えた。
コメント
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才花ちゃんもそう思った?しーちゃん才花ちゃんのことは安心?してるの?なんでも香サンに繋げて最後にフフン。なんかちょっと寂しなぁ。確かに親子なわけだけど、なんかね… 羅依が帰ってきたらシナモンミルク作ってもらおう☺️喜ぶよー!でもどんな喜び方するかな?作って欲しいの言い方によって変わりそう!俺好み、いい子だ、チュッチュ💋やだ!これしか思い浮かばないわ😂 心機一転することにしたことと、しーちゃんと話したことも飲みながら伝えよう!