コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
――「お前があの伊吹丸か。世界を救った英雄様ってわけだな。」
その声は、豪快でありながらも、挑発的だった。目の前に立つのは、元アメリカ大統領、ドナルド・トランプ。彼はかつての権力を取り戻すべく、新勢力を率いて世界に影響力を行使しようとしていた。
伊吹丸は冷静にトランプを見つめた。トランプはただの政治家ではなく、裏で巨大な財力と軍事力を動かし、再び世界の頂点に君臨しようと企んでいた。背後には、莫大な支援者たちと秘密の組織が存在しており、伊吹丸を脅威と見なしていた。
「英雄ってのは厄介だ。お前みたいな存在がいると、俺のビジネスがうまくいかねぇ。」
トランプは笑いながら言ったが、その目は真剣そのものだった。
「お前が何を企んでいようと、俺は止める。」
伊吹丸は静かに答える。彼の言葉には、揺るぎない決意が込められていた。
対決の場は、廃墟となったニューヨークの摩天楼の一角。そこにはかつての金融センターがそびえ立っていたが、今は無人のビル群が荒廃し、かつての栄華は影も形もなかった。
トランプは、手に持っていた最新鋭の装備を装着し始めた。彼が開発した戦闘スーツは、驚異的な力とスピードを与える兵器であり、いわば人類の技術の結晶だった。
「俺は金と技術でどんなものでも手に入れることができる。お前の異能? それもこのスーツで無効化できるんだよ!」
伊吹丸はその言葉に対し、微かに微笑む。彼の異能「無にする力」はどんな敵も無力化できるはずだったが、トランプはその弱点を突こうとしていた。
「来い、伊吹丸!」
トランプが突進してきた。その動きは重装備のはずなのに、信じられないほど速かった。戦闘スーツのパワーによるものだ。
伊吹丸は冷静に動きを見極めながら、剣を抜いた。トランプのスーツは防御力が高く、通常の武器ではダメージを与えることはできない。しかし、伊吹丸の剣は異能無効化の力を持っており、どんな装備も貫く力を持っていた。
「お前のスーツも無に帰す。」
刀がトランプのスーツに当たった瞬間、爆発的な音が響いた。スーツの一部が破壊され、トランプは後退する。だが、トランプはなおも笑みを浮かべた。
「やるじゃねぇか!だが、俺はまだ終わっちゃいねぇ!」
トランプは全力を尽くして伊吹丸に向かってきた。だが、伊吹丸は全ての動きを見切っていた。トランプの最後の突進をかわし、瞬く間に距離を詰めると、伊吹丸の剣が一閃。
「これで終わりだ、トランプ。」
トランプは地面に倒れ、スーツは完全に無力化された。彼は苦しげに息を吐きながらも、まだ戦意を失っていない様子だった。
「お前は強い、伊吹丸。でもな、俺を倒したところで、どうする? お前一人でこの世界を守り続けられるとでも思ってんのか?」
伊吹丸は剣を収め、トランプに背を向けた。
「世界の未来は、お前のような男が支配するものではない。俺はただ、この世界が平和であるために戦う。それが俺の使命だ。」