「はい」
返って来た声は男性の物でした。ギーと音が鳴り、門が開くとそこには緑色の陸軍の軍服を着た、左腕の無い男性が立っていました。
全く知らない方です。ですが、私達の同族、ドールなのは雰囲気で分かります。
「えっと、愛華さんはいらっしゃいますか?いらっしゃるのであれば、連華が来たと伝えて頂きたいのですが、、、」
「連華さんですか。姉から伺っております。私は、愛姉さんと鈴姉さんの弟の炎帝です」
「私が応接室にご案内させて頂きますので、そこでお待ち下さい」
とても丁寧な方ですね。
「保洋さん、行きましょうか」
「はい」
そう言って、私達は炎帝さんに案内され、応接室に行きました。応接室は、洋風になっているようです。
「やっほー!連華ちゃん!」
ダダダダッという音を立てながら走って来てドアから顔を覗かせたのは、鈴華さんでした。
「お久しぶりです」
「此処が洋風なの不思議なんでしょ」
「「えぇ」」
そう言った鈴華さんの言葉は図星でした。それは私だけでなく、保洋さんも同じようで、声が揃いました。
「み~んな聞くからさ、戦後とかって新しいドールが生まれやすいんだよね。戦後に現役に成ったりとかで、姉さんとかに相談に来るドールが多いからさ、此処は西洋のドールでも、東洋のドールでも、使いやすいように、洋風になってるの」
と言うことだそうです。この方々の気遣いはきっと絶えないのでしょうね。
「待たせた」
「失礼します」
鈴華さんと保洋さんと雑談をしていると、愛華さんと炎帝さんが来ました。
「愛華さん、お久しぶりです」
「あぁ、久方ぶりだな」
簡単に挨拶を済まして、保洋さんの紹介をし終えてから、本題に入ります。
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