【能力者名】シビュラ•グラシー
【能力名】 シビュラ
《タイプ:友好型》
【能力】 デスゲームに相手を強制参加させる能力
【以下、最近達の記録】
《どろりがピノッキオ兄弟に会った後、自宅にて。》
どろりは帰って学校の課題を終えて、SNSで情報を集めた後、自分の新しい能力のことを
調べるために軽い実験のようなことをしていた。
どろりは顔に手を当てて能力を発動した。
「《独りんぼエンヴィー》。」
どろりは姿を消した。
(よし、このまま壁抜けできないか挑戦だ。)
どろりは姿を消したまま壁抜けをしようと
した。しかし出来なかった。
(やっぱだめか…….。この能力はあくまで
一時的に自分の存在をこの世から消す能力。
壁抜けは出来ない…….と。)
どろりが背伸びをして、暇だし海街にでも
電話をしようかと思ったその時だった。
突然どろりは黒い影に呑み込まれた。
(なんだなんだ!!???能力者の仕業か!!!!?)
どろりが気づくと、どろりは洋館のような
場所にいた。どろりの他にも六人ほど人間がいた。
突然、天井の影から機関銃を持った少女が
高笑いをしながら現れた。
「オーーーホッホッホ!!!!私はシビュラ•グランシー!!!!このデスゲームの主催者よぉ!!!!
これから貴方達には私の銃撃から逃げ切ってもらいます。さぁ、楽しいデスゲームの時間よぉ!!!!!!」
それを聞いた瞬間、どろりの目の色が変わった。
どろりは《独りんぼエンヴィー》で姿を消してシビュラの元へ近づき、手の平で触れたものの存在を溶かす能力、《メルト》で彼女を
ぶっ溶かして消すつもりだった。
(罪のない人を殺すのはよくない、悲しいことだ!!!!)
「安心なさい、終わったら皆傷を治して返してあげるわ!!!そして、デスゲーム参加者全員に賞金100万円プレゼントよー!!!!!」
(だめだーー!!!!いい人だったーー!!!!)
これでどろりに勝ち目はなくなった。
どろりには致命的な弱点がある。
それはどろりが善人だと判断した人間に
《メルト》を使えないことだ。
こうしてどろりはシビュラの機関銃からひたすら逃げ続けることとなった。
「オーーーホッホッホオーーーホッホッホ!!!
ウォーーーホッホホォ!!!!!!」
シビュラは機関銃を撃って撃って撃ちまくった。幸いエイムがそこまでよくなかったので
どろりは持ち前の身体能力と《独りんぼエンヴィー》を組み合わせて機関銃を避けまくった。
「無理無理無理無理死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!!!
海街ーーー!!!!表裏一体ーーーー!!!!助けて
くれぇーーーー!!!!!」
「オーーーホッホッホ!!!!!やはり一般庶民を
銃で撃ちまくるのは気持ちいいわねーーー!!!!」
高笑いしながらシビュラはさらに機関銃を
増やし銃を乱射した。どろりは避けきれず穴だらけになった。
「いだだだだだだなんでしなないんだあぁぁぁ!!???」
シビュラの能力はデスゲームを開く能力。
デスゲームとはデスゲームの主催者を満足させるために行うもの。
つまりシビュラが満足しない限り、このデスゲームは永遠に続くのだ。
どろりは逃げた。逃げて逃げて逃げて逃げて
洋館の和式トイレの中に逃げ込んだ。
「ハァ……ハァ……とりあえず…..ここで
しばらく休むか…….。」
すると和式トイレの中からにゅっとシビュラの顔が出てきた。
「ハァイどろりぃ。」
「ウギャーーーーー!!!!!!!!」
どろりは叫んだ。どろりは再びシビュラから
全力で逃げ出した。
「さぁ逃げなさい逃げなさいどろりぃ!!!!
残るはあなた一人よぉ!!!!」
「くそっくそぉ!!!!!!!なんで僕がこんな目にィ!!!????」
どろりは穴だらけになりながら
シビュラの散弾銃から逃げまくった。
どろりは壁際に追い込まれた。
「私はあなたに助けてもらったジェヘナ•グランシーの妹よ。おねえさんを助けてくれて
ありがとうどろりィ。」
大量の銃を構えながらシビュラは言った。
「へ、あぁどういたしまして???」
全身穴だらけになりながらどろりは言った。
「お礼に殺してあげる。」
シビュラはそう言ってにっこり笑った。
(この女、狂ってる!!!!)
どろりは《独りんぼエンヴィー》を使い走りながら壁を 抜けた。命の危機によって能力が覚醒したのだ。
(クソッ!!!こうなったらもう《メルト》するしか!!!!)
どろりがそう思ったその時だった。
「ばぁ。」「ヒィィィィ!!????」
シビュラがどろりの背後からにゅっと
現れた。どろりは結局シビュラが満足するまで逃げて逃げて逃げ続けた。
そして機関銃でボコボコにされた。
「……あー!!!!楽しかったわー!!!!ありがとうどろりィ!!!!」
そう言ってシビュラちゃんはまた高笑いをした。
「そりゃ……どうも…….。」
シビュラちゃんに銃で撃たれまくり穴だらけになったどろりは倒れながら言った。
「はいこれ!!!お礼の100万円!!!!」
「いや、そんな大金受け取れない。」
どろりはきっぱりと断った。シビュラちゃんは首をかしげた。
「なんでぇ?100万円なんてはした金じゃない。」
シビュラちゃんは本気のトーンで言った。
どうやらガチのお嬢様のようである。
「……とりあえず100万はいいから帰してくれ。」
穴だらけになったどろりはそう言った。
「わかったわ!!また遊んで頂戴どろりィ!!!!
オーーーホッホッホ、オーーーホッホッホ!!!!オーーーッホッホッホォ!!!!!!!」
どろりは影に呑み込まれた。
気づくとどろりは自室の部屋に戻っていた。
怪我はすっかり治っていた。
「ひどい目にあった…….。」
満身創痍になりながらどろりは言った。
どろりはもう一度《独りんぼエンヴィー》を
使った。
そして壁抜けできないか試みた。
できた。
「あ、いけた。」
どろりは《独りんぼエンヴィー》による壁抜けを覚えた。
そしてシビュラちゃんに気に入られてしまった哀れなどろりが彼女の開催するデスゲームにことあるごとに巻き込まれるハメになるのは、また別のお話である。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!