テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
このお話は37.強がりさんの続きのようなものです。
完全にテキトーなので、頭を無にしてお読み下さい。
side Jutaro Yamanaka
俺、山中柔太朗は、今、静かに頭を抱えていた。
場所は総合病棟の個室。
右膝の重度捻挫で全治2週間の診断を受け、絶賛ベッド生活中の吉田仁人。
…と、その「自称・24時間専属お世話係」こと佐野勇斗の二人がいる、あのあっっっまぁ〜いお砂糖空間である。
ねぇ、二人とも気づいてる? ここ、病院。
あの二人、ずっとイチャイチャしてるよ、さすがさのじん。
俺はドアの隙間からそっと病室を覗き込み、心の中で盛大にツッコミを飛ばしていた。
【事例1:移動の癖が強い】
「おい仁人、トイレだろ。行くぞ」
「なんで俺、勇斗に催促されてるの……?車椅子寄せて」
大人しく車椅子に乗るかと思いきや、はやちゃんはパイプ椅子から立ち上がるや否や、迷いなくよっすぃーの背中と膝裏に腕を滑り込ませ、ガバッと持ち上げた。
これが、OHIMESAMADAKKKKOOOO。
「ねぇ勇斗! 車椅子すぐ横にあるじゃん!」
「フットレストに足を置く瞬間に負担がかかるから。俺が抱えて連れてった方が早い」
「知ってる?そういうの屁理屈っていうんだよ?」
文句を言いながらも、よっすぃーの両腕はごく自然にはやちゃんの首元に回されている。
首にしがみついたままフンとそっぽを向くツンデレ患者と、それを「よしよし」と言わんばかりにドヤ顔で抱えるドクター。
……いやはやちゃん、車椅子そこだよ?
病室出て徒歩3歩の距離をお姫様抱っこで移動する必要あります?
あとじんちゃんも、文句言いながらすんなり首に手回すのやめてもらっていいですか?
【事例2:あなた手骨折してたっけ?】
昼食の時間。
太ちゃんが気を利かせて(?)作った特製うどんが運ばれてきた時のこと。
…太ちゃんのことだし、料理できそうにないから、多分あれはカップ麺をそれっぽいお皿に入れただけだと思うんだけどね。
「熱いからな、気をつけろよ」
びび
1,528
#山中柔太朗
Freesia
6,081
透過
2,689
そう言いながら、はやちゃんは箸でうどんをすくい、ふーふーと息を吹きかけてよっすぃーの口元へ差し出した。
「……勇斗、俺が怪我したの膝。手はピンピンしてるから」
「あ? 薬の副作用で手元が狂って熱いのこぼしたらどうすんだよ。ほら、あーん」
「子供扱いしないで。 …………ん、っ」
食べたし!!!!
俺は思わず心の中で膝を打った。
食べるんかい、と。
手はピンピンしてる、と主張した舌の根も乾かぬうちに、差し出されたうどんをフツーに口を開けて食べている。
「ちょっと出汁が薄いし、なんか食ったことある味するし…」
「文句言うな、病人に合わせてくれたんだよ。ほら、次」
「そうなの……?太智ってそういう感じだっけ、」
モグモグと口を動かしながら、文句を言いつつ次のひとくちを待つよっすぃー。
それを嬉しそうに甲斐甲斐しく食べさせるはやちゃん。
膝の怪我で『あーん』が発生するシステム、多分医学界のどこ探してもないよ。
なんで二人とも至って真面目な顔でケアの延長線上みたいな空気出せるの??
あと味薄いのは太ちゃんがお湯入れすぎただけだね。
【事例3:もはや邪魔じゃないの?】
午後のナースステーション。
ベッドの上で患者のカルテを確認しようとするよっすぃーの横に、はやちゃんがパイプ椅子を限界まで寄せて座っていた。
…ずっと思ってたんだけどさ、はやちゃん、外来は?暇なの?仕事どうしたの?
「この処方、少し量が多い」
「どれ?……あー、確かに。少し減量して様子見るか」
二人の顔の距離、およそ10センチ。
はやちゃんがよっすぃーの肩越しにカルテを覗き込み、よっすぃーの髪がはやちゃんの頬に触れそうな距離で会話が展開されている。
そこへ、差し入れのドリンクを持った舜太と太智がやってきた。
「吉田さん、佐野さーん!ジュース持ってきたで〜……って、うえっ」
「うん?太ちゃん?どしたん?」
「太ちゃん、舜太、一回下がろう」
俺は二人を静かに連れ戻し、ドアをそっと閉めた。
「ちょっと柔、なんで閉たん?」
「ダメだよ舜太。あそこは今、さのじんのバリアが張られてるから。一般人が立ち入ったら焼き尽くされる」
ほら、舜太。太ちゃんを見な。良い例だよ。
あの一瞬で口から大量の砂糖吐いてるんだから。
「うん?看病してただけじゃないん?」
「あれを『ただの看病』って呼べるのは世界であの二人だけだから」
夕方。
ようやく一人で車椅子に移り、リハビリ室へ移動しようとするよっすぃーに、はやちゃんが「おいどこ行くんだよ」と後ろからついてくる。
「リハビリだよ。ついてこなくていい、仕事しろ」
「ついてくだろ。途中で倒れたらどうするの」
「車椅子でどうやって倒れるんだよ」
言い合いながらも、絶対にはやちゃんの手を振りほどこうとはしないよっすぃー。
そして、そんなよっすぃーをすっごく、ものすっごーーーーく愛おしそうに眺めながら車椅子を押すはやちゃん。
ナースステーションの影からその背中を見送りながら、俺はぽつりと呟いた。
「……まあ、仁ちゃんが素直に頼れてるなら、別にいっか」
「……って思うやん」
とひょっこり、横から太ちゃんが顔をしかめながら話す。
「全治2週間過ぎても、あの二人絶対このノリ続けるで」
「それはマジきついって……」
俺の深い溜め息と共に、さのじんの甘すぎる空気は、今日も病棟に平和でベッタベタな甘風を吹かせるのだった。
コメント
4件
今回もとても素敵な作品です✨️ で、でもゎ私には早すぎたかもしれない。 甘々すぎて耐えられない😭 それにしてもだいちゃんかっわっイィ!さのじんの甘々な空気に耐えられ無かったのね分かるとっても分かる砂糖が口から出るほどに甘い空気だったね😌 そしてじゅうちゃんのツッコミとっても共感できる怪我脚じゃん!あとお姫様抱っこ?!も もしかしてこれからも続くってこと?!そんなそんなの誰も耐えられない😭 そして関係ないですがしゅんちゃん純粋で可愛いね本当にだいちゃんもとっても可愛いね本当にチームガキガキ尊いですありがとうそしてさのじん夫婦に耐えられない子供達をありがとう☺️ 長々とすみません。 次の投稿楽しみにしています😊体調には気おつけてください😊
続編だー!!!読了しました! めちゃくちゃ嬉しいです!!! さのじん大好きなのでサイッコーです!!ありがとうございます!!!
読んだ読んだ!第41話「さのじん流、甘やかしの処方箋」🩷💛 もうね、冒頭から柔太朗のツッコミが炸裂してて最高だったわw 「お姫様だっこで移動する必要あります?」「手ピンピンしてるのにあーんされるんかい!」って、こっちも一緒にツッコみたくなった! しかもじんちゃん、文句言いながらも素直に首に手回してうどん食べちゃうし、完全に甘えモード入ってるじゃん…尊い。 あと太ちゃんと舜太が「さのじんバリア」にやられてるシーン、ここも好き。医療ものってよりもう完全にラブコメの空気感で、読んでる間ずっとニヤニヤが止まらなかったわ。 「全治2週間過ぎてもこのノリ続けるで」って太ちゃんの一言で終わったのもナイスオチ👏 さのじん成分、今日もたっぷり摂取できました!ありがとうFreesiaさん!