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ようやく駅に着いたけど この時点でもう約束の時間よりも1時間過ぎている。
にしても既読が全然つかない。
まぁあいつらは返信が早い方ではないが既読くらいつけるよな…
もしかして_
最悪な想像が頭をよぎったがそんなわけないと考えるのをやめた。
今はそれより急いで目的地に行かないと…!!
「はぁ…っ…はぁっ…」
ようやく目的地に着いたけど… 久しぶりにこんな早く走った…
へとへとになりながら辺りを見渡すと、そらくんとサムライがいた。
まだ二人が居たことに安堵したが
…何か様子がおかしい
ゆっくり近づくとそらくんが俺に気づいた。
「あ…!KAITOさん!」
「遅くなった…!!まじでごめん!!!」
そういえばいつもだったら口を挟んでくるサムライの声が全然聞こえない
不思議に思いサムライの方を向くとそいつは俯いていたが若干顔が見えた。
目と鼻が赤くてまるで泣き腫らしたあとみたいな顔だった。
「サムライ…?」
そう声をかけると一瞬肩を震わせてゆっくりとこちらを向いた。
「…かいくん…」
いつものあいつからは想像もつかない弱々しい声だった。
「な、え、ど、どうしたん…?」
どうしてこんな事になっているのか分からなくて 説明を求めるようにそらくんの方へ向いた。
「KAITOさん…これ、見て」
そうそらくんに見せられた画面はYouTubeの画面だった。
そらくんは俺にベンチに座るように促してそこにスマホを置いて動画を再生した。
スマホから流れてきた音は懐かしいなろっちの声だった。
だけどそのなろっちの声から信じられない言葉が飛び出した。
…サムライが泣いている理由、既読がつかなかった理由、全てが分かった。
ずっと完成しなかったパズルが完成した気分だった。
「…とりあえずこれでも飲んで落ち着け、」
バックから取り出したペットボトルをサムライに渡した。
もちろん未開封だから安心してほしい
「…っ」
落ち着けるようなことではない事は俺でも分かる
しかも二人は5年以上の付き合いだ。俺よりも傷は深いだろう。
「…ありがとう…」
サムライはそう言って飲み物を飲んだ。
そらくんが心配そうな目でサムライを見つめている。
「…ごめんな、ちょっと感情がぐちゃぐちゃになっちゃっただけや」
「気にせんといて」
そうサムライは軽く笑いながら言った。
sy視点
「引…退…?」
そらくんが隣で震える声で言う。
なろっちの久しぶりの動画はリスナー、そして僕達にとっても最悪なものだった
走馬灯のように今までアンチにも負けずがむしゃらにYouTubeを続けるなろっちがフラッシュバックした。
もうなろっちの動画が見れない…まだどこかで夢見ていたなろっちがめろぱかに戻ってくることもない…もう希望がない
そんな事を思っていたらふと目の奥が熱くなっていた。
あかーん…これ涙が出てくるやつやん…
メンバーに泣いてる姿を見せるわけにはいかへん
「…ごめん、ちょっとお手洗いに行ってくる」
お手洗いから戻って来てすぐにかいくんがやってきた。
こんな顔を見られたら生涯弄られるに決まっとる…
そんな事を考えて俺は俯いて二人のいない方向を向いた。
KAITOが息を吸う音が聞こえる、どーせ俺のことを笑うんだろうな、そう思っていたのに
「サムライ…?」
KAITOから出た声は心配と疑問の入った静かな声だった。
思っていた反応と180度違うから一瞬びっくりしたわ…
「…かいくん…」
俺の声はありえないくらい弱々しかった。