テラーノベル
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ソファーの上で激しく混じり合いながら、美紀の脳裏にはこれまでの「静かな夜」がよぎっていた。誠司は毎日、仕事に全力だった。帰宅してくる彼の疲れきった顔を見るたび、美紀は「今夜もお疲れ様」と微笑むだけで、自分の中にある疼きをそっと飲み込んできた。
結婚して数年。平穏で幸せだけど、どこか事務的な夜。「夫婦なんて、こんなものなのかな」――そんな風に、自分を納得させる術を覚えていたのだ。
けれど、今、目の前で自分の動画を見ながら果てようとしていた夫は、そんな「諦め」を粉々に打ち砕いてくれた。
「……ねぇ、誠司さん。もっと、もっと汚い言葉で褒めてよ」
美紀は、誠司の首に腕を回し、熱い吐息とともに耳元で囁いた。
誠司の変態的な情熱。それは美紀にとって、自分という存在が「ただの妻」ではなく、一人の「女」として狂おしいほどに求められているという、最高の証明だった。
「美紀……っ、君が、君がこんなに熱いなんて。……俺の頭の中の美紀より、ずっと、ずっと淫らだよ。この匂いも、締め付けも……もう、誰にも見せたくない。俺だけのものにして、一生閉じ込めておきたいんだ」
誠司の言葉は、常軌を逸していた。けれど、その「変態的な独占欲」が、美紀の心の奥底で眠っていた「壊されたい欲求」を呼び覚ます。
「閉じ込めて……いいよ。誠司さんの好きなようにして。……私、誠司さんの『変態』なところ、本当は大好きだったみたい……」
美紀は自ら、誠司の腰に脚を絡め、より深く彼を迎え入れた。
誠司の指が、美紀のパジャマの隙間から、まだ濡れている熱い肌を執拗にこねくり回す。スマホで隠し撮りしていた視線そのままの、舐めるような愛撫。
「ああ、美紀……! 君のここ、こんなに震えて……っ。俺のことを待ってたんだろう? 諦めたフリして、俺の愛を求めてたんだろ!?」
「……っ、そうだよ! 誠司さんが、私をこんな風に見てくれないから……っ、だから……!」
美紀は、自分が誠司の「狂気」に巻き込まれていくのを、心地よく感じていた。
いや、巻き込まれているのではない。二人は最初から、互いの「歪な愛」をぶつけ合える、世界で唯一の共犯者だったのだ。
ソファーを激しく揺らす音。
互いの汗が混じり合い、どちらの体温かも分からなくなるほどの密着。
誠司の重すぎる愛を受け止めるたび、美紀の身体はかつてないほどの快感に震え、彼女自身もまた、夫を狂わせるための「最高に可愛い獲物」としての悦びに溺れていった。
【結末の風景】
夜が明ける頃、乱れたままのソファーで誠司の腕の中に収まった美紀は、満足げに微笑んでいた。
「……明日も、隠し撮りしていいよ? その代わり、夜はもっと……変態さんになってね」
誠司の返事は、美紀のうなじへの、深く、熱い接吻だった。
コメント
1件
わあ……第5話、一気に引き込まれました。美紀が「諦めの夜」を経て、誠司の歪んだ愛に応える形で自分の欲求を解放していく流れがとても印象的です。「変態的な独占欲」と「壊されたい欲求」が互いに呼応して、二人が「共犯者」になる瞬間の描写が熱くて、読みながらドキドキしました。タイトル通りの開幕ですね。この歪な愛の形がこれからどう深まっていくのか、気になります!