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Ryryyyyyy
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
632
❄️白鳩🕊️
814
⚠しんどい描写があります。
魂の記憶
・・・・・・・・・・
温かい。身体がふわふわと浮かんでいる。
ここはどこ?
声がする。お父さんの穏やかで優しい声と、お母さんの明るく弾けるような笑い声。
ううん、違う。私の両親の声とは違う。
じゃあ、どうしてこの声を“お父さん”と“お母さん”だと思ったんだろう。それに、私は両親を“父様”と“母様”と呼んでいた。
空間を優しく撫でられる感覚。温もりが伝わってきて安心する。
これは何?いつの記憶?
「早く会いたいのう。どっちに似るか楽しみじゃ」
少し古風な喋り方をする“お母さん”。
「女子(おなご)だからな。“うた”に似て可愛らしい娘だよ」
穏やかな、でもとても嬉しそうな声の“お父さん”。
「あっ、“縁壱”また腹の中覗いたんじゃな!私にもそんな力があったらのう。可愛い娘っ子の顔、私も早く見たい!」
「慌てなくていい。赤ん坊は順調に育っているから。あと少しで会えるぞ」
「そうじゃな!」
温もりが重なった。とても嬉しい気持ち。
大好き。お父さん、お母さん、大好き。
お母さんがお父さんに何かをお願いした。それをすぐに実行してくれるお父さん。お母さんの心拍が上がる。気分が高揚して幸せな気持ちが伝わってくる。
「…じゃあ、“うた”。行ってくる」
「うん!気をつけてな」
お父さんとお母さんがぎゅっとくっついた。お母さんが嬉しくて幸せな気分になっているのが分かる。
ドンドンドン!
ガラガラッ!
バァン!!
激しい音が聞こえた。そして、お母さんと一緒に動けなくなる。
「…ぅ…、…よりいち……、■■■………」
息も絶え絶えなお母さんの声が聞こえる。心拍が弱くなる。温かな桃色の空間が冷たく真っ暗になっていく。
苦しい。苦しい。助けて。お母さん、助けて!お父さん、助けて!
“私”は家の天井付近からお父さんが帰ってくるのを見ていた。
真っ赤に染まったお母さんと、それを見つけて呆然とするお父さん。
お父さんは“私”ごとお母さんを抱いて、10日程ぼんやりしていた。そこに知らない男の人が来て、“早く弔ってやらねば可哀想だ”と言い、お父さんと一緒に、お母さんと“私”の遺体を庭に埋葬した。
そこで“私”は自分が死んだのだと理解した。
どうしてこんなことになったの?お父さんが、お母さんが、何をしたというの?
生まれたかった。優しい2人に会いたかった。あと少しで会えたのに。悲しい。悲しい。
お父さんは“鬼殺隊”に入った。お父さんは強かった。とても強かった。瞬く間に悪い鬼を倒す。お父さんが鬼を倒すのを、“呼吸”を仲間に教えるのを、ずっと近くで見ていた。
お父さんとよく似た男の人と出会った。お父さんの双子のお兄さんなのだそう。“兄上”も鬼殺隊に入って鬼を狩るようになった。
“兄上”はお父さんに対していつも敗北感や焦燥感を感じていた。それが“私”には手にとるように分かった。
ある日、お父さんは鬼の始祖と出会った。火山から噴き出す岩漿を彷彿とさせるような、暴力的な生命力に満ち溢れた男だった。
お父さんが刀を振るった。1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12。12個の型を絶え間なく続ける。
鬼の始祖が斬撃を食らった。斬られた頸が落ちないように支えている。
「命を何だと思っている?」
お父さんの問いかけに、鬼の始祖は答えず怒りに満ちた顔をしていた。彼にとどめを刺そうとした瞬間、鬼の始祖は自らの身体を弾けさせた。お父さんはその場で1500と少しの肉片を斬ったけれど、残りの肉片は小さ過ぎて逃がしてしまった。
鬼の始祖が連れていた女性から鬼舞辻無惨のことを聞いた。彼女は“珠世”と言った。彼女も鬼だったけれど、お父さんが無惨を倒す手助けを頼んだら承知してくれた。
その後、“兄上”が鬼になってしまったと聞いた。そのせいでお父さんは鬼殺隊を追放され、たったひとりで生きていくことになった。
“私”はずっとお父さんの傍をついて回った。
“炭吉”さんの家族と出会い、お父さんの心が少し救われるのを見た。炭吉さんの奥さんがお父さんの剣技を見たいと言うので見せてあげていた。
お父さんは炭吉さんに、自分がいつも着けていた耳飾りのお守りを渡した。もうお父さんがここに来ないのだと悟った炭吉さんは、涙を浮かべて約束してくれた。お父さんから受け取った耳飾りも“日の呼吸”も後世に伝える、と。
ありがとう、とお父さんがにっこり笑った。心からの笑顔だった。
それから数十年の月日が過ぎた。
お父さんは髪も白くなって、しわくちゃの80歳超えのお爺さんになった。それでもその老骨で振るう剣技は衰えを知らなかった。
赤い月の晩、“兄上”と再会した。侍の格好は人間だった頃そのまま、でも目が6つ、刀にもぎょろぎょろと目玉がついて、恐ろしい姿になっていた。
「お労しや、兄上……」
かつての肉親を前に、お父さんは静かに涙を流した。そして、刀を構える。
“兄上”を斬った。鬼舞辻無惨を追い詰めた時のように。でもあとほんの少しのところで頸を斬り落としきれなかった。
そこで、刀を構えたまま、お父さんは事切れた。
“兄上”がお父さんの亡き骸を斬り刻む。刻まれた着物から、古い布の包みが飛び出し、その中から小さな笛が顔を出した。それさえ木っ端微塵に斬り刻む“兄上”は6つの目から涙を流していた。
お父さんの魂が天に昇っていく。“私”も一緒に行くことにした。
お父さんの手を握る。しわくちゃのごつごつの手だ。お父さんは見知らぬ子どもに手を握られて少しびっくりしていたけれど、なんとなく“私”が生まれてくるはずだった“娘”だと感じたのか、穏やかな笑みを浮かべて手を握り返してくれた。
この世に鬼がいなければ、あの時“私”やお母さんが殺されることなんてなかった筈なのに。優しい両親に愛情をいっぱいもらって、こうして家族3人で手を繋いで笑っていたかもしれないのに。
お父さん。“私”、お父さんの代わりにいつか絶対に無惨を倒すから。お父さんの日の呼吸をずっと近くで見てきたのよ。何十年経っても何百年経っても、絶対に日の呼吸で鬼の始祖を倒すから。約束するからね。
「……さん!ひよ…さ…!」
「しっ…り…て…!」
声もそっくりな2人が私の名前を呼ぶ。
重たい瞼を持ち上げると、そこにいたのは涙でぐしゃぐしゃな顔の有一郎くんと無一郎くん。
「柊依さん!気がついた?」
「大丈夫!?」
『…うん。大丈夫よ。ごめんね、気を失ってたみたい』
「でも…!柊依さん泣いてるよ!どこか痛むんじゃない?」
『えっ』
2人に指摘されて頬に触れる。本当だ。私は涙を流していた。
気を失っていた時に見た“あれ”は何?ただの夢とは思えない。“縁壱”さんと“うた”さんは誰?でも今の私は不思議と彼らを父と母だと思った。
もしかして、“前世の記憶”というやつなのだろうか。にわかには信じられないけれど、それだと今まで経験したことと結びつけると納得がいく。ヒノカミ神楽を舞った日に必ず見る夢も、お稽古すればするほど苦しくなくなって舞い続けられるあの感覚も。
“ヒノカミ神楽”は“日の呼吸”だった。縁壱さんが炭吉さんに伝えてくれたおかげで、それを竈門家の皆さんが先祖代々伝えてくれたおかげで、私は炭治郎くんと出会い、ヒノカミ神楽を教えてもらって戦闘に活かすことができるようになった。
「柊依さん?」
「大丈夫?」
弟たちの心配そうな声にはっとする。私は袖で涙を拭って顔を2人を見た。
『ごめんね、大丈夫よ。2人とも、怪我は?』
「無一郎は左手切断されちゃって右胸の上も串刺しにされて出血が酷かったけど、止血剤で今は大丈夫みたい。俺は幸い、隊服が破れたり切り傷程度で済んだよ」
有一郎くんが2人分状況を説明してくれた。
「兄さんと柊依さんが来てくれなかったら、僕死んでたかも。助けてくれてありがとう」
無一郎くんが笑った。ああ、生きていてくれてよかった。
「柊依さんも結構怪我してたけど、“愈史郎”って人が来て手当てしてくれたんだ。悲鳴嶼さんと不死川さんは無惨のところに向かったよ。…でも玄弥は……もう…」
有一郎くんが言葉を詰まらせる。無一郎くんが涙を流した。それで察した。
『…私たちも行きましょう。玄弥くんや、しのぶちゃんや、他の仲間たちの分まで頑張って無惨を倒さなくちゃ』
「うん!」
『私が目覚めるまで傍にいてくれたのね。2人とも、ありがとう。もう大丈夫だから』
「うん!よかった」
立ち上がり、私たちは鴉たちの道案内で、発見された無惨の居場所まで走り出した。
有一郎くんと無一郎くんは私が守る。そして、絶対に無惨を倒す。縁壱さんが…、“お父さん”が残してくれた日の呼吸を使って。
続く
コメント
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まりあさん、更新ありがとうございます…! 魂の記憶、すごく重かったです。縁壱さんとうたさんの優しい日々と、その後の悲劇…生まれる前に命を奪われた赤ちゃんの視点が胸に刺さりました。それでも「お父さん」の日の呼吸を継いで、絶対に無惨を倒すと誓う柊依さんの強さに泣きました。 無一郎くん生きててくれて本当によかった…!有一郎くんも一緒にいてくれて。 次の戦い、柊依さんたちを守ってください。応援してます🌙