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顔全体に、熱が広がる。ほぼ、衝動的な発言だった。


自分でも何故こんなことを言ったのか理解ができない。


もっと理解できないのが…


(え…私、こんなおじさんに何でこれだけのことで照れてるの…?)


頬に手を当てると、案の定熱くなっていた。今までどんな男に色目を使っても恥ずかしくなかったのに。


「な、なんだ、そういうことか!!もちろんさ。あー、よかったー。」


そんな私の様子にも気づかずに店長はほっとした表情を浮かべ、私の横を歩き出す。


何だか複雑な気持ちに襲われながらも、踵を返した。


「あの…一応言っておきますけど、電車代が勿体ないからですよ。馬鹿な勘違いしないでくださいね。」


「…?馬鹿な勘違いって、どんな?」


「な…んでもないです。」


照れ隠しの為、自然と早足になる。数センチの距離ができる。


(何なの私…寂しいから…とか一瞬考えたの私だけって…。違う…。いつものように男を利用してるだけ。お金を使いたくないから。それだけ。)


火照った顔を、夜風で冷ましながら、自分に言い聞かせるのだった。


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