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第26話 静かな対立
同時多発事件の犯人――その関係者と思われる、貧民街の少年の存在を知ったジェイド。
自分と同じ、嫌われる「影」魔法の使い手だったこともあり、犯罪に利用する少年に憎悪のような感情を持ってしまった。
だからこそ少年を単独犯と断じ、捕まえようとジェイドは考えている――理世は、そう思っていた。
(――今のジェイドは、冷静じゃない。でもどうすればいいんだろう)
何か言わなければ――なんとか、頭をフル稼働させる。
「――単独犯じゃ、ないかもしれないよ」
生活のためだけなら、盗み以外をする必要がなければ、あんな目立つ形で人間を作り出す必要もない。
そのことを、理世は口にしようとしていた。
だが、理世はどこかで油断していた。
(私がちゃんと話せば、聞いてくれるよね)
今まで、ジェイドは理世に優しかった。
柔らかい話し方で、いつも気遣う様子を見せてくれる。
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