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「おまっ、しつこいぞ。あっ、そんなコトしたら、持たなっ…うぅっ、ぃ、イくぅっ!」
浴室でも散々感じさせられたというのに、ベッドに移動しても宮本の執念深いといえる責めが、橋本の感じるところへとここぞとばかりに繰り出された。
「ゴックン( ‘ч’ )ふぅ。陽さんってば、1回目よりも、量が多かったですよ。やっぱり横たわったままのほうが、気持ち良かったんですか? それとも――」
ベッドで思いっきり脱力する橋本に、顔を寄せた宮本が、にんまりと笑いかけた。
「……雅輝なんだよ。変なツラして、顔を近づけてくるなんて」
薄暗がりでもわかる宮本の表情に、橋本は眉根を寄せながら文句を言った。
「暗がりだからこそ、俺に見られないのをいいことに、思う存分に腰を動かして気持ち良くなったから、たくさん出たんでしょ」
「いちいちうっせぇぞ、クソガキ! そういうのを口にするなって」
「陽さん、声が上擦ってますよ。照れちゃってかわいいなぁ」
(あーもー雅輝のヤツ、調子に乗りやがって!)
頭に敷いていた枕を手に取り、顔を隠すようにぎゅっと抱きしめた。
「何をいまさら隠してるのやら。ココもアソコも、俺は全部知ってるのに」
枕で顔を覆い隠した、隙がありまくりの橋本の足の間に宮本は素早く移動して、迷うことなく自身を挿入する。
「くぅっ!? 躊躇なく突っ込むなよ」
まるで、急なコーナーを果敢に攻めるような感じで、橋本の中に挿入した宮本に驚き、枕を投げつけながら声を荒げた。
「優しく突っ込んでも、結局陽さんから腰を動かすくせに」
橋本の全部を知ってると豪語しただけあって、ひとつになれるところへ、寸分の狂いもなく自身を挿れた宮本の行動は、呆れ果てる前にお手上げ状態だった。
橋本を困らせるように、じりじりと自身を挿れて感じさせる恋人に、文句のひとつすら今は言えない。
「ああっ、んんっ…っぁ!」
「やっとひとつになれましたよ。さっきは後ろからシたけど、このまま続行してもいいですよね?」
両膝を軽々と持ち上げながら、さらに奥のほうを狙って腰を押し進めてくる。
「もうそれ以上挿らないっ、ぅん、ひっ、動くな! 待てって」
「だって陽さんの中がヒクついて、俺のを奥に導こうとするから」
「そんなつもりはっ、ねぇよっ! やぁっあっ…」
タチだった自分がネコになり、感じて声をあげていることが、最初は恥ずかしくて堪らなかった。だけど嬉しそうな顔で腰を振る宮本を見ているうちに、羞恥心がどこかにいってしまって、今は素直に声を出すことができる。
「雅輝、お願ぃ……少しだけっ、ペースを落としてくれ。んっ…は…ぁっ……! おまえとひとつになってる、ことを…感じていたい、から」
シーツを握りしめつつ、胸を上下させながら訴えかけてみたら、持ち上げられていた両膝が下ろされ、優しく躰が抱きしめられた。
「確かに。こうして陽さんとひとつになってるのを実感できるのは、長い時間は無理ですもんね」
自分をいたわるようにぎゅっとする宮本の優しさに、抱かれてよかったといつも思わされる。そんなことをしみじみと感じながら、重たい口を開いた。
「とはいえ、明日の朝はいつも通り早朝出勤だからな。残念ながらこの状態ではいられないので、そろそろ動いてくれ」
「短っ! あーあ、ふたりの休みがうまいこと重ならないかなぁ」
首元ですんすん鼻を鳴らす宮本の躰を、力いっぱい抱きしめ返した。
「確かに寂しいけどさ。一緒にいられる時間が限られているからこそ、濃密な時間の過ごし方ができて、俺は結構好きだけどな」
「それもわかりますけど。でもやっぱり、ずっと一緒にいたい……」
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