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「涼太ただいまぁ」
康二とあんな会話があった後、「まぁだよね」と言う感じの不穏な空気が俺達の間に流れる。
阿部と目黒は察してくれたようで「大丈夫だった」と声を掛けてくれた。
正直怒りは全然収まっていないが、何時までも引きずるのは大人らしくないと思い「大丈夫」とだけ言って仕事に戻った。
そんな苛々を抱えたまま家のドアを開け涼太を呼んだ。
「…あれ?」
いつもならトコトコと走ってきて「おかえり」って言いながら目一杯抱き着いてくるのに…
一瞬、嫌な予感が脳裏をよぎる。
「涼太!?」
ガチャッ!
「りょ!!…_たぁ??」
急いでドアを開けリビングに入る。
だがその先には…
「スー…スー…」
「...はい?」
珍しく、ただすよすよと眠る涼太の姿があった。
珍し!と同時に良かった…と安堵のため息が漏れた。
「涼太ぁ…帰ったよ?」
「スースー……」
小声で話しかけ、優しく、艶のある涼太の黒髪を撫でる。ふと涼太の額を触る。
「…熱じゃないみたいだな」
ただ疲れて寝たのか、俺の帰りを待っていて寝落ちしてしまったのか。想像しただけで、まだかなまだかなとウキウキする涼太の顔は可愛い。
「パチッ」
「お、起きた?」
「…!しょーたぁ!!」 ギュッ!
「おふ!りょた…ぐるじっ……」
起きた涼太は俺を認識するなり飛び付いてきた。その勢い余って俺はソファに押し倒される。
「りょ、りょうた‥?」
「めんねぇ…お出迎え出来なかった‥」スリスリッ
「良いよ笑 疲れてたんでしょ?」
「ん~…」
「甘えただね」 ナデナデ
涼太は俺の胸に顔を埋め、猫が甘えるようにスリスリとしてくる。
「ねぇ…?」
「…ん?」
「‥好きだよ」
「…俺も」
甘すぎる空間。
でも、俺達にとってはあと…何回味わえるか解らない。
叶うのであれば、一生…これが続いてほしい。
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