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萩原なちち
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「……もしかして、なんでだろうって、ずっと考えてたんですか?」
「うん、ちょっとだけ」
「やだぁ、いつきくん、かぁわいい~!!」
「うぇっ、なんで今スイッチ入ったの!?」
俺のものを下から上へと擦り上げられ、熱い口づけを何度も降らされる。……もう! ここではしないって決めたのは、りゅうせいの方だろ!
「あっ、待って……イキそう……っ」
「ダメぇ。まだ俺、気持ちよくなってないから~」
いや、もう無理だ。壁に押し付けられたまま、こんなに激しく翻弄されたら、体に力なんて入らない。
「あっ、くっ……!」
「ダメって言ったのにぃ」
ニヤリと「悪い顔」で俺を覗き込んでくる。俺から溢れたものを腹に塗りたくり、そのまま指先で体をなぞられて。……待って、それ、
「……ん。おいしい」
今日はやけに、体を舐められる。……何それ、俺には全然触らせてくれないくせに。意地悪してるのか、それともこれはご褒美なのか。
「……りゅうせいのも、舐めたい」
「だめぇ。お風呂ではしないのぉ」
「……もしかして、まだ何か怒ってる?」
「ん? 別に?」
「本当に?」
りゅうせいと視線を合わせて、じっと覗き込む。シャワーのせいか、それとも――。彼の瞳が、みるみるうちに潤んでいくのが分かった。
「……もしかして、ゆうたくんと二人でいたこと、怒ってるの?」
そういえば、さっきの質問に答えられないままだった。一生懸命「気にしていないフリ」をして、自分の気を紛らわせていたけれど。……やっぱり、どこかに苛立ちと寂しさが残っていたんだろう。
「……無理だったぁ」
「え?」
「いつの間にか、いつきくんとゆうたが一緒にいなくなってて……それに気づいてから、二人が帰ってくるまで、ずっと、無理だったぁ……っ」
うわぁ、と急に堰を切ったように泣き出した。
ずっと、ずっと、我慢してたんた。
「大丈夫だよ。二人の時、りゅうせいの話しかしてないから。ゆうたくんも、りゅうせいとお友達になれて嬉しいって言ってた。俺もゆうたくんも、りゅうせいのことが大好きだって話しかしてない」
「……本当に?」
「うん、本当。……身体、冷えちゃったし、もう出ようか」
まだグズグズと言い続けているりゅうせいを促し、脱衣所へ出る。
本当に、まだまだ子供なんだから。……だから、いつまでも心配で目が離せないんだよ。
「……いつきくん、ごめんね。俺がゆうたとお泊まりするって知った時、いつきくんもこんな気持ちだったんだよね。……二人が、ほんの数十分いないだけで、胸がはち切れそうだった。信用してないわけじゃないのに、……すごく、辛かった」
そっか。
りゅうせいは怒っていたんじゃない。「ごめんね」を言うタイミングが、分からなかっただけなんだ。
……なんだかなぁ。愛おしいとか、そんな言葉ひとつでは片付けられない感情が、胸いっぱいに広がった。