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休日の午後。
インターホンが鳴って、まろが立ち上がった。
「来たみたいやな」
玄関を開けると、二人分の声が重なる。
「まろちゃん、 久しぶりやん」
「本当に同棲してるか、気になって見に来ちゃってた!」
「うるさいわ。上がり」
そう言って迎え入れた二人は、まろの友達だった。
「で、こっちがないこやで」
紹介されて、視線が集まる。
「……どうも」
ないこは短く頭を下げた。
「初めまして」
「噂の彼女さんやな」
「かわええ顔しとるやん、」
「おい。」
噂、という言葉に、胸がきゅっとなる。
何を知っているのか、知りたくない。
リビングに移動して、四人で座る。
友達二人は遠慮なく話し始め、
まろもいつもよりよく喋っていた。
「いふくんが同棲とか、ほんと意外」
「前は一人が楽とか言ってたのにな」
「うるさい」
笑い声が上がる中、
ないこは聞き役に徹していた。
会話についていけないわけじゃない。
でも、自分がここにいていいのか、
その判断がつかない。
テーブルの上のお菓子に手を伸ばすタイミングも、 飲み物を飲む間も、全部が少しずつ遅れる。
「ないこ、これ好き?」
突然聞かれて、ないこは一瞬戸惑う。
「…うん。」
「そっか。じゃあこっち食べ」
自然なやり取り。
特別扱いされているわけじゃない。
そのことに、少しだけ肩の力が抜けた。
途中、まろがトイレに立つ。
残された三人。
沈黙が落ちるかと思ったが、
まろの友達が、ぽつりと話しかけてきた。
「無理して喋らんでええで」
「まろちゃんな、昔から人連れてくるの苦手やったんや」
「でも今日は、ちゃんと連れてきた」
それだけ言って、笑う。
ないこは返事に迷って、結局小さく頷いた。
まろが戻ってくると、
友達の一人がからかうように言う。
「ないこくん、大人しいけど、ちゃんとおるな」
「……おるって、なんやねん」
「いや、ちゃんと“ここ”に」
その言葉の意味は、
ないこには少し難しかった。
でも、否定はされていない気がした。
時間はゆっくり過ぎていく。
気づけば、最初ほど緊張していない自分がいた。
笑うことはできない。
でも、居心地は悪くない。
夕方近く。
友達の一人が時計を見る。
「そろそろ帰ろう?」
「そうやな、長居しすぎたな」
玄関まで見送ると、
「また来るね!」
「次は3人でご飯でも行こ」
そう言われて、ないこは驚いたように目を上げる。
「……はい」
その返事は、思ったより自然だった。
ドアが閉まって、静かになる。
ないこ小さく息を吐く。
「…ふぅ、疲れた」
「やろな」
まろはそう言って、ないこの隣に座る。
「でも、よう頑張った」
その一言が、
今日一日を、ちゃんと肯定してくれた気がした。
他人がいる時間。
それを、まろと一緒に過ごしたんだ
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