💚💙〜卒業〜
パラレル、学パロ、年齢操作
「…せんせ、好き…」
「……お前が卒業する時にまだ、その気持ちが大事だと思うなら、その時に返してやる」
高校2年生の冬、化学準備室に2人きり
ダメだとわかっていたのに、つい口から零れ落ちた俺の気持ちに、先生はそう返した
「…うん、わかった」
教室での最後のHRが終わり、別れを惜しみ合う喧騒の中、俺は1人抜け出して、何度も通った化学準備室を訪ねた
「せんせ」
「渡辺……来たの」
「もう最後だから、やっぱり大事なままだったって言いに来た」
「…そっか、わかった」
先生は、ふぅと一息を吐いて窓の外を眺めた
気持ちが溢れてしまった後も、先生は俺を遠ざけたりはしなかった
俺も、あれ以降は口には出さないようにしていた
部活が休みになる隔週の木曜日の放課後は、化学準備室を訪ねて、なんてことない会話をしてから帰る
いつも、みんなには内緒だよ、と桃の香りがする緑茶を出してくれた
「ちゃんと頑張って、ちゃんと楽しみな」
そう頭を撫でられるから、なんだかんだと充実した高校生活を過ごせたと思う
「隣駅の東口から真っ直ぐ北上したらコンビニがある、右折したら公園が見えてくるはずだから、そこで待ってな」
「、うん」
こちらを振り向いてそう告げた先生は、今まで見たことない顔をしていた
指定された公園から先生の家までは、5分もかからなかった
斜め後ろを黙ってついていく、何を話したらいいのかわからない
「荷物は適当に置いて、ソファに座ってて」
部屋を見渡し、先生らしい部屋だなと思っているとマグカップを差し出された
「ありがとう…ございます」
「どういたしまして」
先生が隣に腰を下ろすのを感じながら口をつけると、いつものあったかさが身体に広がる
ふいに頭を撫でられた
「少しは緊張がほぐれた?」
「…っ!別に、緊張なんて」
顔に熱が集まったのを自覚して少し顔を逸らす
マグカップが取り上げられて机に置いた音がやけに大きく聞こえる
頬に手が添えられて、思わず先生の方に振り向く
視線がぶつかり合って顔の熱がさらに上がっていくのを感じる
ごくりとつばを飲み込んだ
「…せんせ」
「今度はちゃんと返してあげるから、もう1回言ってみ?」
「………っ、すき、です。せんせいが、ずっと、すき…」
期待と不安とで鼓動がうるさい
「俺もお前が可愛いよ。好きだよ、翔太」
「っ!…せんせっ」
「もう、先生じゃないだろ」
「なんて、呼べば、いいの?」
「翔太の呼びたいように」
「……りょ、へい、くん」
「ふふ、うん」
俺の大好きな柔らかな微笑みを浮かべながら、優しい口付けをくれた
そのまま抱きしめられ、初めて感じた体温にふわふわと夢見心地だ
「顔、まっか」
「うるさい、、…あっつい」
学ランを脱ごうとボタンに手をかけると上から手を重ねられ、制止される
「脱がないでね、脱がせたいから」
「……変態じゃん」
「どれだけ待ったと思ってるの。やっと卒業してくれたんだから」
コメント
1件
あぁん!大好き!!これ読んでた時、電波悪い車内にいて、コメントつけれなかったんです🥹🥹🥹