「っだめぇええっ!」
「……っあぁ、朱里……っ」
尊さんは思いきり絞られてうわずった声を上げ、最後にバチュッバチュッと腰を叩きつけたあと、吐息を震わせながら被膜の中に吐精した。
「…………あぁあ……っ」
――終わった。
私はドサッとベッドの上に倒れ込み、荒くなった呼吸を繰り返す。
けれど尊さんは終わらない。
「おら、次いくぞ」
彼は新しいゴムを屹立に被せると、私の片脚を抱えてズチュンッと奥深くまで挿入してきた。
「んあぁあああ……っ」
絶頂したばかりの私は粘ついた声を上げ、ギュッとシーツを握った。
「……つらいか? やめるか?」
尊さんはフッ、フッと荒い息を吐きながら、私の耳元で尋ねる。
こんな時になっても彼は欲に押し流されず、私を気遣ってくれていた。
――気を遣わないで。
――もっとしたい。
「……ううん……。する……。気持ちよくなりたい……」
本能に負けてさらなる抽送を求めると、彼は「分かった」と言って腰を動かし始めた。
そのあと、何回抱かれたか分からない。
ありとあらゆる体位で抱かれ、体中の水分がなくなるのではと思うほど潮を噴かされた。
不思議な事に、激しく抱かれたのに体はほとんど痛んでいない。
尊さんは敏感な場所をとても優しく扱ってくれる。
そのいっぽうで腰をガンガン突き入れ、時に優しく入り口を擦り、または子宮口付近をズグズグと細やかに突き上げ、緩急のついた攻めに私は嬌声を迸らせた。
とにかく尊さんはセックスが上手い。
私は信じられないぐらい気持ちいい思いをしたあと、いつの間にか気絶してしまい、そのまま深い眠りについていた。
**
「…………信じられない……」
翌朝の私の声は、カスッカスだった。
ずっと脚を開いていたので、股関節も痛い。
けど、その他は腰がだるいぐらいで、デリケートな場所の痛みはほぼなかった。
多分、彼がたっぷり愛撫して、あそこが常に潤っていたからだと思う。
私たちは起きてシャワーを浴びたあと、ダイニングで朝食をとっていた。
二人ともホテルのパジャマを着たままで、なんとも怠惰な食事だ。
エッチは気持ちよかったのに私はなぜか腹を立て、照れくささを誤魔化すためにご飯をモリモリ食べている。
「何が信じられないんだよ」
尊さんはバゲットにバターを塗りつつ、気怠げに言う。
「……なんであんなにするんですか。体力化けもんですか」
「お前だって善がってただろうが。それにこれだけ食べられてるなら問題ないだろ」
私は照れくさくてムスッとしているのに、尊さんはいつも通りだ。
「そうですけど……」
溜め息をついた私は、ずっと思っていた事をまた考えて溜め息をつく。
スッキリしない表情をしていたからか、鋭く察した尊さんが尋ねてきた。
「また何か?」
私はサクフワのクロワッサンを食べながら、言おうか言うまいか悩む。
「悩んでるなら言えよ。俺もスッキリしなくて気持ち悪い」
確かにその通りだと思い、私は渋々と言う。
「……エッチ、上手いなと思いまして」
私の言葉を聞き、尊さんは食事をしていた手を止めた。
そして少しのあいだ口を動かしながら私を見て、ズバリと尋ねてきた。
「女関係、気になる?」
「…………気にならないと言えば嘘になります。だって、めちゃくちゃ上手いし……」
ボソボソと言うと、彼はあっけらかんとして言う。
「お前が考えてるほど、ヤってないと思うけど」
「ホントですか? 伝説作ってそう」
「なんだよ、伝説って」
「速水伝説、乱れる春の章」
冗談めかして言うと、尊さんは「ぶふゅっ」とコーヒーを噴きかけた。
コメント
2件
身体痛くならない激しいエッチッチってミコティどんだけ~~~ッ❣️って思うよ、マジで。(笑) でも、数じゃないのね。優しさなのね?😘 …はい。わかりました。😊
『速水伝説、乱れる春の乱』 (*ノ∀`)ノ゙))アヒャヒャ 朱里ちゃん〜誰だって吹くよ〜🤣 尊さんは激しくてもちゃーんと朱里ちゃんの体、気遣ってたんだね〜*˘◡˘*♥