パチリ
ここはどこだろうか、全部が木で作られていて……ログハウスだろうか?
また神様のイタズラだろうか?
何してたんだっけ……思い出せない記憶の最後が必ずあの、お別れになっている。
格好もそのまま
「あぁ起きたか!久しぶりーじゃあ早速この椅子に座ってくれ」
キラキラと輝く金髪のつやつやなショートボブに、碧色に輝く瞳整った顔立ち、あぁなんだか懐かしい顔だ。
私は神様と木のテーブルを挟んで座る。
すると右手でパチンっと指を鳴らす。
その瞬間に私の頭の中に走馬灯のように誰か知らない人の記憶が流れてくる。
だれ?
この人はカタリーナ・キャンベル……
「なんで記憶を消したんですか?」
最後の記憶には私を見送る神がいるだけ
「えっとねそれは、禁忌だからごめんね、でもこうして記憶を融合できたわけだし」
くぅムカつくやつ まぁこうして再会できたわけだしね
「あの、そのカタリーナさんって今どうしているんですか?」
ひとつの疑問を問いかけると
「ん?あーあの子の体に入っていた魂は私の使いの天使でね、ちょっとの休養で体を頼んでおいたのだ、だから半死体だね笑」
神はそう一言告げるといつの間にか出したクッキーを頬張っている。
へ?「天使……」
「で、時が来たとき僕がササっと雷魔法を使い、撃ってね、強制送還てわけさ」
両手を軽く広げる。
「まあ、心配しなくていいよ!君の魂も一緒にカタリーナの体の中にいたからあんま変わらないさ!」
神様ってなんでもできて便利ねぇ、てか、殺すなんてこわ……
「あの子が今会いたいって言ってるから呼ぶね」そういうと指をパチンと鳴らす
「お呼びでしょうかー?エール様!」
何もないところに突如艶黒髪ショートカットの金色に輝く瞳を持ち白くふわふわの羽を広げた女性が現れたのだ。
「え?」
私はキョトンとし目を丸くする 美人だ!!「あ!美津江様!こんにちは!!そうだ!言っておきたいことがありますの!」
神様にペコリと礼をして私に駆け寄ってくる。純白のノースリーブワンピースをヒラヒラと動かす。
「美津江様!私はただいま家族で王城の教会にいます、そして第一王子さんとアルベルトさんが近くにおります。まあ頑張ってください」
ニヤリと笑うその顔は幼く見える。「え…!?」
「さて本題に入るよ」
驚く私を差し置いて神様は真剣な表情でこちらを見つめる
ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる。
「君はその家を脱出して欲しい、そして、魔王を打ち倒して欲しい、力が完全回復する前に完全回復は、わからないが100年以内。君に、スターウルフを後日送る可愛いよ?」
「え?」
もうさっきから え? しか言っていない。 「美津江様!初々しく皆様と接してきてます!あ、あと精霊が1人おりますゆえ、仲良くしてあげてくれると嬉しいです。」
記憶の中のあの子か…犬?わんわん???
「ん?あの精霊は結構な上位精霊ではないか…今はどうやらこの辺りにはいないが…」
口に右手を当て少し考えているが
‘ぎぎぎぎ’ 黒板を爪をたててかいたような不快な音が鳴り響く。
「っ…!」 神様や天使様は平然としている「もう呼びの時間か…あの精霊は多分お前の正体にすぐに気づくであろう、また会いたい時は教会に来るといい」
「楽しい時間を私にくれてありがとうございます美津江様!残りをお楽しみください!」
すると今度は視界がぼやけてくる。
もう、何がなにやら分からないわ…….. どんどん2人の姿はぼやけ…
「またね」
と2人は微笑みそれを最後に私の意識は遠くなった…
眩しっ
目が覚めると高そうなピンクの石の天井が見える。
体を起こす、フカフカのベットだ… あたりを見回すとヨーロッパな高級部屋。
すると
ガチャ
左奥のドアが開き人が入ってくる。
この人が私のお父さんだ… 私が体を起こしていることに気づく
「カナ!?」
私に小走りで駆け寄ると、バッと抱きつく。「よかった…よかった…」震えた声で私のことを撫でる。
父様の声に次々と人が部屋に入ってくる。
記憶がだんだんと追いついてくる
私が今寝ていた部屋は多分客室であろう。
みんなが落ち着き部屋から出ていったあと お医者様がきて私の容態をみる
「ふむ……..大丈夫ですね、奇跡ですね。ですが頭痛、めまいが何日か続くので安静にしておいて下さい」
「痛……..」頭が痛む、あまり動いたら痛むんだよなぁ お医者様はぺこりと頭を下げると部屋を出ていく、
「大丈夫か?カナ」
父様がベットに座る私に心配の声をかける。「うん、まあ」
端にたっていた父様と兄様 すると コンコンとノックの音と共にドアが開く
「失礼します」男性の声がし、2人入ってくる。 アルベルトとユイだ 父様は2人と目を合わせると部屋を出ていった。
「お嬢様、お身体は大丈夫ですか?本当に申し訳ありません!!あの時もっと止めておくべきでした。」
バッと膝を地面に片膝つけ頭を下げる。
「だ、大丈夫だよ、」
私はアルベルトを見ながら焦る
「ご無事で良かったですぅぅぅ」
??え?何? 困りと焦りが私を追い詰める。「阿呆、お嬢様が困っているでしょうが」後ろにたっていたユイがコツンとアルベルトの頭を軽く叩く。
「いてっ」
「お嬢様、大丈夫ですか?」
紺碧の髪をなびかせ、私に駆け寄る
「まぁちょっとまだ痛いけど大丈夫だよ」
にこりと微笑むとユイは微笑み良かったですと呟く。
その瞬間また、頭痛が走る。「っ……..」頭を抑える
「すいません、お嬢様横になっていた方が良いですね、わたくし共はへやをでていきます。それでは」
ユイは一礼すると横で見守っていたアルベルトを連れて部屋を出ていった。
先程の賑やかな時とは変わり静かになった。 ベットにあお向けになり右手で頭を抑える。 大体の記憶はきちんと頭の中に引き出しのように閉まっている。
数日かすれば生活に慣れると思うが……..
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